予想外が好き!━━アーティスト・河野ルルさんによるライブペインティングイベントを開催

2024.04.05 08:30
世界中の公共施設や病院・学校などで壁画を描く活動を精力的に行っているアーティストの河野ルルさんと、彼女のスピリットに賛同するコロンビアが、コロンビア原宿店でライブペインティングイベントを開催するという新たなコラボレーションを実施。時間や環境の制約をものともせず、楽しみながら1枚の絵を完成させたルルさんに、ライブペインティングの感想をたずねました。
かつてないアクティブなコラボレーション
ルルさんとコロンビアのコラボレーションは、ルルさんのオリジナル作品をモチーフに商品化する形で、これまで3度行われてきました。ですが2024年3月16日にコロンビア原宿店の店頭で開催されたライブペインティングイベント「LULU KOUNO LIVE PAINTING @COLUMBIA STORE HARAJUKU」は、5時間という枠の中でルルさんが1枚の絵を描き上げるという、かつてないアクティブでエキサイティングな試みとなりました。
様々な制約があってこそライブ感が表現できるものの、ルルさんにしても生のパフォーマンス経験は決して多くなかったそうです。そんなルルさんに、今回の挑戦や仕上がりについてインタビューを行っていきますが、まずは河野ルルというアーティストのプロフィールを端的にお伝えします。
美術経験などなく出かけた2015年の貧乏旅行。その果てで資金が底を尽き、宿代の代わりにメキシコのホテルで人生初の壁画を作成。旅から戻った1年後に出展したアートフェアでグランプリを受賞し、本格的な画家活動をスタート……。
これは前回も触れましたが、あまりにも突拍子がなく、神の啓示を受けたと思しきルルさんの逸話に興味を持たれた方は、ぜひ過去のインタビュー記事をご参照ください。
第1回のインタビューはこちら
第2回のインタビューはこちら
第3回のインタビューはこちら
では、インタビューを始めます。ちなみに、ライブペインティングは11時スタート。終了予定は16:00。ルルさんが対峙したのは、幅2mほどのキャンバスでした。
興味を持ってくれる人はみんな味方
──まず、ライブペインティングを終えた感想を聞かせてください。
「すごく楽しかったです。ただ、5時間の制約は初めてで、時間内に仕上げられるかわからなかったんですね。というのは、私は下書きをしないし、その場で使った色とバランスを考えながら描き進めていくので、どうしても作業が遅くなってしまうんです。なのに今回は、どんどん筆が進んで、時間通りにピッタリ終わりました」
▲完成した作品

──なぜ5時間で仕上げられたのでしょうか?
「それは私にもわかりません。わかったら、絵を描くのが楽になるのだけど。けれどとにかく、描いている間ずっと楽しかった」
──作品のテーマは?
「巨大な花が咲くファンタジックな山という非日常の世界を、バックパックを背負った3人が冒険するという、全体的にコロンビアのイメージを表現しました」
──それも現場で決めたのですか?
「ざっくりとしたイメージだけ持って、山や花の色と形は当日決めていきました。壁画ではアクリル絵の具を使いますが、今回はあえて水彩にしたんです。水彩の場合、キャンバスを立てると絵の具が下に垂れてしまうんですけれど、絵の具の伸び方や、それから色の滲みが予測できない感じをお見せするのが、ライブっぽくていいかなあと思いました」
──描いている最中、どう仕上がるかわからないのは不安にならないのですか?
「私、予想外が好きなんです。それに、私が描いているのを立ち止まって見てくれた人たちも、色が変わっていく様子を楽しんでもらえたようなので、やっぱり水彩にしてよかった。特に今回は、完成形よりも描き方を見てもらうのが主でしたし」
──壁画も制作工程が人の目に触れるので、慣れのようなものがあるのでしょうか。
「そうですね。外で描く場合は、黙って見守られるとちょっと気まずい(笑)。むしろ、海外だと向こうからどんどん話しかけてくるので、興味を持ってくれる人が現れたら、それはみんな味方だと思えるんです。けれど日本人は、奥ゆかしいというか、声をかけると手を止めて申し訳ないって感じになっちゃう。それだと私がさびしくなるので、今回も自分から話しかけました」
──味方を増やすために?
「コロンビア原宿店は人通りが多いキャットストリート沿いなので、海外からの観光客も多かったですね。いろんな国の人から『明るくていいね』と言ってもらえたのは自信になりました」
▲完成の瞬間、オーディエンスからは温かい拍手が巻き起こった

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