ドラレコ時代でも重要な交通事故を分析するプロ! 「交通事故鑑定人」のお仕事とは?

2024.03.20 10:00
この記事をまとめると
■交通事故の原因を突き止める「交通事故鑑定人」という人たちがいる
■事故原因を客観的に見られるスキルや、現場を見てきた経験などが要求される
■交通事故鑑定人のほか「交通事故調査分析センター」という機関も存在する
交通事故を客観的な視点で判断しなければならないケースは多々ある
  交通事故では、当事者同士の主張が食い違うことがあります。客観的な証拠があれば、交通事故の過失割合などを判断しやすいものの、客観的な証拠がない場合は過失割合などの判断が難しくなるため、交通事故をシミュレータで再現したり、専門家に意見を聞いたりするなどをして、客観的な視点で過失割合などを判断しなければなりません。このようなときに活躍するのが交通事故鑑定人です。では、交通事故鑑定人とはどのような人で、どのようにすれば交通事故鑑定人になれるのでしょうか。
交通事故鑑定人とは?
  交通事故鑑定人とは、交通事故の原因や事実関係を調査する人のことです。ひと言でいってしまえば、交通事故鑑定人は交通事故に関する専門家となります。また、交通事故鑑定人の証言や報告書は、裁判や損害賠償請求の有力な証拠のひとつとして扱われることもあるため、公平な立場で交通事故を分析しなければなりません。つまり、交通事故鑑定人は被害者の感情や加害者の心情などに流されずに交通事故を分析する必要があります。
交通事故鑑定人の資格はある?
  交通事故鑑定人は、国家資格などといわれる資格制度がありません。そのため、誰でも交通事故鑑定人になることができます。ただし、交通事故の分析能力が求められるだけでなく、客観的で公平な報告書を作成しなければならないため、交通事故の現場に携わってきた経験や裁判・損害賠償請求などで証拠として認められた実績がなければ、交通事故鑑定人と名乗ることはできないでしょう。
交通事故鑑定人の将来
  最近では、クルマにドライブレコーダーを装着する人が増えました。そのため、交通事故鑑定人が交通事故を分析しなくても客観的な視点で交通事故を見ることができるケースが増えています。
  ただし、ドライブレコーダーの映像が前方のみ・前方と後方のみ・前方と車内のみといった限定された部分だけの記録の場合や、視界不良による解像度の低さなどにより、証拠不十分として主張が認められないことも考えられます。ドライブレコーダーに記録されていない部分の事故原因の分析や客観的な視点から交通事故の全容を解明するためにも、交通事故鑑定人は今後も需要があるといえるでしょう。
依頼時はどんな人を選べばいい?
交通事故を分析する公的機関について
  交通事故鑑定人は、資格を取得する必要がないため、信頼性を見極めるのが難しく、どこに依頼するかで裁判の判決や損害賠償請求額等が変わってしまう可能性もあります。では、交通事故を分析する公的な機関はないのでしょうか。
  道路交通法第108条の13第1項に「国家公安委員会は、交通事故調査分析センターを全国にひとつだけ指定できる」と定められていることからも、交通事故を分析する公的な機関は存在します。それは、「交通事故総合分析センター(ITARDA)」です。
  道路交通法で定められている「交通事故調査分析センター」である「交通事故総合分析センター(ITARDA)」は、交通事故の防止と被害軽減のための調査研究等を行うことにより、道路交通の安全と円滑に寄与することを目的に活動している公益社団法人です。
交通事故調査分析センターの目的
  国家公安委員会が全国にひとつだけ指定できる交通事故調査分析センターは、交通法に「交通事故の防止及び交通事故による被害の軽減に資するための調査研究等を行うことにより、道路における交通の安全と円滑に寄与することを目的とする」と明記されているように、交通事故の防止や被害の軽減を目的とした機関です。つまり、被害者の救済や加害者の正当性の証明を目的とした機関ではないということになります。
交通事故の全容解明には客観的な視点が必要
  交通事故は、さまざまな要因が複雑に重なり合って起きてしまうものや、一瞬の判断ミスにより起きてしまうものなど、原因はさまざまです。
  瞬間的に複数の事態が起きる交通事故の全容解明が難しいときや、ドライブレコーダーに記録されていない部分で発生した事柄を明らかにするためには交通事故鑑定人の力が必要となります。交通事故の原因や事実関係を明らかにする交通事故鑑定人は、表舞台に立つことは少ないものの、交通事故の全容を解明する際に役立っている重要な人といえるでしょう。

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