大型HVトラックに外部給電……って何に使う? 日野プロフィアの目論見とは

2024.02.08 17:30
この記事をまとめると
■日野プロフィアのHVがマイナーチェンジ
■新たな試みとして導入されたのが外部給電システムだ
■これはスマートハウスを意識したもの
日野が誇る大型トラックがマイナーチェンジ!
  日野自動車が誇る大型トラック「日野プロフィア」。前身は「スーパードルフィン」で、1992年にそのサブネームとして初代が誕生した。2003年にフルモデルチェンジをして2代目が登場。各種排気ガス規制に適合するなど、環境に配慮した大型トラックとして評判を呼んだ。現行車は2017年から発売が開始され、先代と同様に環境に配慮したトラックがウリになっていた。しかし、2022年に排出ガス・燃費などに不正が見つかり型式指定が取り消されている。その後、2023年に形式指定を再申請して認められた。3代目の「日野プロフィア」は、カーゴ・ダンプ・セミトラクターなどといった多彩なラインアップがある。なかでも衆目を集めたのが、ハイブリッドタイプだ。これが、2023年11月にマイナーチェンジされたのである。
  本来、大型トラックはハイブリッドに向かないとされていた。なぜならば、電気モーター・リチウムバッテリーといった機器が増えることで、車両重量の増加や積載量の制限といった致命的なデメリットがあるからだ。しかし、同車は大型トラックの特性ともいえる車重・荷重を下り坂で利用し、回生エネルギーを得るというように発想を転換。これにより、燃費向上を実現してハイブリッドのメリットを生かせるようにしたのだ。すなわち、下り坂で貯めた電気を平坦路ではモーターのエネルギーとして利用するという方式を生み出したのである。
  これに対してパワーが必要な上り坂では、ディーゼルエンジンの動力を併用するシステムになっている。これも、上り坂に差し掛かってからパワーを出していたのでは遅いためにGPSを利用して自車位置を把握し、上り坂が近づいた段階からディーゼルエンジンが稼働するように、AIによる先読み制御システムを取り入れているのだ。
外部給電システムは一般家庭に向けたものではない
  今回のマイナーチェンジで、新たな試みとして導入されたのが外部給電システムである。これは、別売りの外部給電器を使用することで、家庭用電気機器などを使用できるようにするものだ。同社に搭載されているバッテリーは、リチウムを使用した大容量のタイプ。ディーゼルエンジンの発電機能と合わせることで、出力9kWなら41時間も電力供給が可能だという。
  外部給電機能は電気自動車の一部にもみられるが、これは将来的にスマートハウスを意識したもの。住宅で必要とする電力を、電気自動車のバッテリーからも得られるようにしたものだ。日常的には従来のような電力会社からの供給や、太陽光発電などを利用した自家発電も使用するので、電気自動車からの供給がメインになるわけではない。
  同車の外部給電装置は大型の事業用車両という特殊性から考えて、このような一般家庭に向けたものではないといえよう。たとえば、災害が発生して電力会社の電気供給が停止したとき、電源車として使用するなどといった利用法が考えられる。対象となるのは、大型トラックが出入りをしたり留置されたりする、物流センター/工場/大型小売店/運送事業会社に加えて、避難所なども含まれることになるだろう。
  将来的には、近年注目されつつあるキャンプやクルマ生活、あるいは事業用トレーラーハウス(宿泊施設、葬儀場)などといった活用シーンで、電源が供給できなくてもサービスの利用・提供が可能になり、活動・事業範囲が拡大するようになるかもしれない。いずれにせよ、大型トラックによる外部給電は緒についたばかり。今後の展開が期待されている。

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