CURATION⇄FAIR Tokyo 展覧会「美しさ、あいまいさ、時と場合に依る」川端康成と大江健三郎の文化論をキュレーションの起点に、古美術から現代美術まで、時代やジャンルを超えた作品が集結。

2024.02.06 15:00
ユニバーサルアドネットワーク株式会社
2月22日(木)~3月3日(日)展覧会「美しさ、あいまいさ、時と場合に依る(The beautiful, the ambiguous, and itself)」

川端康成と大江健三郎の文化論をキュレーションの起点に、古美術から現代美術まで、時代やジャンルを超えた作品が集結。人間中心的な視点ではなく、「もの」の質と美に焦点を当てた展覧会。
ユニバーサルアドネットワーク株式会社(代表取締役社長:川上尚志)は、東京・九段の一般非公開の登録有形文化財「kudan house(九段ハウス)」を舞台に「CURATION⇄FAIR Tokyo」を開催いたします。遠藤水城氏キュレーションの展覧会とアートフェアの二部構成となる「CURATION⇄FAIR Tokyo」は、展覧会で作品や作家の理解を深め、アートフェアで作品を購入することができる新しいアートイベントです。この度、展覧会「美しさ、あいまいさ、時と場合に依る」の展示内容についてご案内いたします。なお、両会期入場可能な「セットチケット」の特別割引を、好評につき2024年2月19日(月)まで期間を延長して販売いたします。WEB:
<CURATION⇄FAIR Tokyo> 
展覧会
美しさ、あいまいさ、時と場合に依る The beautiful, the ambiguous, and itself 展覧会タイトルについて
本展は、川端康成がノーベル文学賞受賞に際し、1968年に行った講演のタイトル『美しい日本の私』と、その26年後に日本人で2人目の同賞受賞を果たした大江健三郎の『あいまいな日本の私』から着想を得ています。川端は日本人の美意識を自然観や伝統に結びつけ、一方で大江は社会構造や政治によってアイデンティティが曖昧になった現代の日本人に問いを投げかけました。そして2000年以降、社会の様相はますます複雑になり、イデオロギーの対立も活発化しています。展覧会タイトルからは、両者が主題としていた、西欧という鏡に反射することで映し出される“日本の私”、つまり主体を表す具体的なキーワードがそぎ落とされています。主体を「私」ではなく「itself/それ自身」とすることで、人間中心的な視点ではなく、作品同士の相互作用や、あるいは文脈の違いに回収されない「もの」そのものの美しさや質に焦点を当てます。空間に存在する「もの」に主権を託すことで、ラディカルな芸術の翻訳不可能性を導き出すことを試みます。

見どころ 1. 1927年に建てられた旧邸宅が展覧会の舞台に
会場となるkudan house(九段ハウス)は1927年に実業家・山口萬吉の邸宅として竣工し、現在は国の登録有形文化財に登録されています。米国帰りの萬吉の邸宅は当時としては先進的な鉄筋コンクリート造であり、またその意匠にも西欧の近代的な建築様式を見ることができます。昭和最初期に竣工したこの建物は戦火を生き延び、人々の交流や発表の場として活用されてきました。CURATION⇄FAIR Tokyoでは、地上3階、地下1階の計4フロアが第一部では展覧会、第二部ではフェアの舞台となります。およそ100年のときを見つめてみた建物の重厚感、細部まで工夫された意匠、家具などをご覧いただける貴重な機会です。
kudan house 外観写真
kudan house 内観写真1
kudan house 内観写真2
見どころ 2. 古美術から近代美術、現代美術まで、幅広いジャンルの作品が集結
ボイラー室などがある地下空間では、アーティストの橋本聡が手がける新作の並ぶ大規模な展示とシベリア抑留を生き抜いた香月泰男の絵画が共存し、1F~3Fの居住空間では李朝の白磁壷や川端康成の書、主に鉄を用いた立体作品を多くの芸術祭や個展で発表してきた青木野枝、複製技術の手法を用いて固有の存在についてアプローチする大西伸明、陶土で繊細な作品を作る小川待子の近作、西洋と東洋、相対的でありながらお互いに光と影になる政治的な緊張関係をコンセプチュアルに表現するイラン出身のシャプール・プーヤンの彫刻作品などが展示されます。kudan houseという歴史ある場所で、古美術、近代美術から現代美術まで、各作品の情報や文脈に依存するのではなく、それぞれの作品が「もの」として等価に扱われ、展示される場となります。
《李朝白磁壷》李氏朝鮮時代 18世紀 [Photo by 野村知也]
香月泰男《机の上》1956
青木野枝《霧と山 2021-3》2021 [Photo by 三嶋一路]
大西伸明《Glass》2018
合田佐和子《クラーク・ゲーブル》1973 [Photo by 三嶋一路] Courtesy of ANOMALY & Jiro Miura Gallery
小川待子《闇と星 2022-N-6》2022
シャプール・プーヤン《First Brick》2022
見どころ 3. キュレーター、アーティスト、振付師の異なる職能が交わり、作品を引き立てる展示空間
本展では、キュレーターの遠藤水城だけでなく、展示構成に複数の芸術領域の専門家が携わります。今を生きる彼ら/彼女らの態度には2000年以降、国内や国際社会で起きた出来事や権威構造への洞察が内在化されています。イデオロギーや社会構造から自由になれない現代において、言語化に依拠するのではなく、様々な年代やジャンルの作品との「時と場合に依る」出会いを促します。「一つの部屋が絵画として成立するような、あるいは部屋のなかを動くことが彫刻になるような空間づくり」を目指すという遠藤氏。ホワイトキューブとは違った空間で、今回の機会に実現した展覧会設計のコラボレーションからも、作品や空間の鑑賞のヒントが得られるでしょう。キュレーション:遠藤水城
展示構成:五月女哲平
動作ディレクション:神村恵+福留麻里遠藤水城
1975年札幌生まれ。キュレーター。2004年、九州大学比較社会文化研究学府博士後期課程満期退学。art space tetra (2004年・福岡)、Future Prospects Art Space (2005年・マニラ)、遊戯室 (2007年・水戸)などのアート
スペースの設立に携わる。 2005年、若手キュレーターに贈られる国際賞「Lorenzo Bonaldi Art Prize」を受賞。2007年、Asian Cultural Councilフェローとして米国に滞在。2017年、ヴェトナムはハノイに新しく設立されたVincom Center for Contemporary Artの芸術監督に就任。国際美術評論家連盟会員。京都造形芸術大学客員教授。五月女哲平
1980年栃木県生まれ。2005年東京造形大学美術学部絵画科卒業。近年の個展に、「our time 私たちの時間」(青山目黒、NADiff a/p/a/r/t、void+、東京、2020)、「絵と、 vol.1 五月女哲平」(gallery αM、東京、2018)。展覧会に、「猫のほそ道」(豊田市美術館、愛知、2023)、「MOTコレクション 第2期 ただいま / はじめまして」(東京都現代美術館、2019)、「裏声で歌へ」(小山市立車屋美術館、栃木、2017)などがある。神村恵
振付家・ダンサー。2004年より自身の作品の振付・上演を開始。近年の主な作品に、『新しい稽古』(BankART KAIKO、神奈川、2023)など。場所との応答関係で動かされる身体に関心を持ち、2022年、東京都国分寺市にてスタジオ「ユングラ」の運営を開始。2021年度より、セゾンフェローII。福留麻里
ダンサー・振付家。ダンスのはじまりや、ダンスになる手前にある可能性を探り、いくつものやりとりから生まれる感覚や考えや動きを見つめながら、様々な場や状況、人と共に踊っている。2019年より、毎日をからだで遊ぶための言葉のレシピプロジェクト「ひみつのからだレシピ」(BONUS木村覚との共同企画)を継続的に展開。2020-2021年度セゾン・フェローI。2020年より山口県在住。
前売チケット販売中
<展覧会:美しさ、あいまいさ、時と場合に依る> 
■入場料:
一般 前売:2,200円/当日:2,500円
学生 前売:1,200円/当日:1,500円
障がいのある方 前売:1,100円/当日:1,250円
千代田区在住・在勤の方 前売:1,700円/当日:2,000円

<アートフェア:Art Kudan>
■入場料:
一般 前売:2,500円/当日:3,000円
学生 前売:1,500円/当日:1,800円
障がいのある方 前売:1,250円/当日:1,500円
千代田区在住・在勤の方 前売:2,000円/当日:2,500円

<展覧会+アートフェア>
■入場料:
セットチケット 2/19(月)までの期間限定:4,000円  

■販売サイト:
※すべて税込価格です
※一般チケット及びセットチケット以外の方は、当日受付にて学生証、障がい者手帳、身分証など該当する証明書の確認をいたしますのでご持参ください 
※障がいのある方1名に対し、付き添いの介助者1名まで入場無料
※小学生以下は、大人1人につき2名まで入場無料 
※小学生以下のみのご入場はできません
※kudan houseにはエレベーターがございません。段差やフロアの移動は全て階段となります
※館内では靴を脱ぎ、スリッパにお履きかえいただきます。また、手荷物を預かるロッカーのご用意はございません
「CURATION⇄FAIR(キュレーションフェア)」とは
気鋭のキュレーターによる展覧会で作品の社会的意義を読み解き、厳選されたギャラリーが出展するアートフェアで作品をコレクションすることを楽しむアートイベントです。「アートを買ってみたいけれど、どんな作品を選んだら良いか分からない」というお客様の声に寄り添い、様々な意見交換と交流の場を創出します。

アートで、時間を観る時間。CURATION⇄FAIR Tokyo
第1回の開催となる今回は、「時間」を軸に展覧会とアートフェアを展開します。
生活に密接した出来事や、潮の満ち引きなど、古来より私たちは様々な方法で時間を定義し、より多くの人と共有できる尺度を作ることを試みてきました。しかしながら、社会学的にその時間意識を形成する要因は千差万別で、物理学的にも20世紀初頭の相対性理論の登場によって、時間は絶対不変な基準という概念が覆され、観測者の視点に依拠する相対的なものと証明されています。時間はまるで同時に無数に世界に存在し、むしろそれぞれの時間と共に変化する現実同士の関係が世界を織り成しています。そして、作品によってその現実を顕在化するアーティストも、鑑賞者も世界に対しては同じ地平に立つ観測者と言えます。
本企画がアートのためのアートに終始せず、アーティストの現実を顕在化した作品を通し、まるで一粒の砂に世界を見るように、“異なる観測者の視点の間=無限に存在する時の間”に成り立つ複雑な世界をより鮮やかに知覚するためのきっかけとなり、古今のアートと社会学、物理学など様々な分野の交流の場となることを願います。

kudan house(九段ハウス)について
「kudan house」は、登録有形文化財である<旧山口萬吉邸>をリノベーションした会員制のビジネスイノベーション拠点。日本を代表する3人の建築家(内藤多仲氏、木子七郎氏、今井兼次氏)によって建てられたこの邸宅は、美しい曲線を施したデザインと鉄筋コンクリートの黎明期の代表作として、日本の歴史に名を刻む名建築です。

<アートフェア:Art Kudan>
アートフェアのテーマは「時所望」。茶室で花入に四季折々の花を入れる楽しみを茶室のお客様に譲る茶道の「花所望」という作法を由来とします。古美術から近代、そして現代アートなど、国内の厳選されたギャラリーが、質の高い作品を展示・販売し、鑑賞だけでは得難い「アートの世界に参加する」というインタラクティブな体験を提供します。
【開催概要】
名称:CURATION⇄FAIR Tokyo
会場:kudan house(東京都千代田区九段北1-15-9)
主催:ユニバーサルアドネットワーク株式会社、東邦レオ株式会社
オフィシャルホテルパートナー:ザ・ペニンシュラ東京
メディアパートナー:美術手帖、芸術新潮
WEB:
<展覧会:美しさ、あいまいさ、時と場合に依る>
内容:古美術、近代、現代アートの企画展
展覧会会期:2024年2月22日(木)~ 3月3日(日)
平日:10:00 - 21:30/土日祝:10:00 - 21:00/3月3日(日)は10:00 - 18:00
※2月21日(水)は、プレス・関係者向けのプレビューを実施します。
※最終入場は各日終了 30分前
後援:千代田区
助成:公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京【芸術文化魅力創出助成】

<アートフェア:Art Kudan>
内容:コマーシャルギャラリー・美術商によるアートの見本市
フェア会期:2024年3月9日(土)~3月11日(月)11:00 - 19:00
※3月8日(金)は、プレス・関係者向けのプレビューを実施します。
※最終入場は各日終了30分前
サポーティングパートナー: NEORT株式会社
ユニバーサルアドネットワーク株式会社(東京都中央区日本橋馬喰町1丁目6番15号)
代表取締役社長:川上尚志
国際的アートフェアや展覧会などのライブマーケティングを通じて、日本独自の芸術文化を発見・再発見し、豊かなコミュニティづくりに寄与し、近年は、アーティストの表現の可能性を広げるデジタル技術やブロックチェーン(NFT)技術の提供支援を行い、異なる分野・産業事業者と連携した持続的発展の仕組みづくりに取り組んでいる。
東邦レオ株式会社(大阪府大阪市中央区上町1-1-28)
代表取締役社⾧:吉川稔
1965年の創業以来、人々が主役となり場の価値を高める「コミュニティ・デベロップメント」事業を通じて、緑に人が集まるリノベーションやアートの要素を踏まえた空間環境プロデュースなどハード・ソフト両面の街づくりを行うことで、住環境の向上に貢献し、CSV経営を実践し続けている。

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