国指定重要文化財「日詰平井邸」クラフトサケ製造開始

2024.02.06 12:54
株式会社平六醸造
100年の時を越えて醸造所復活

株式会社平六醸造(紫波町、以下当社)は2024年1月17日に盛岡税務署長より「その他の醸造酒」製造免許交付を受け、国指定重要文化財「日詰平井邸」造り蔵内に新設した醸造所でクラフトサケ製造を開始した。日本酒の製法をベースに、紫波町特産のもち米を発芽させた玄米を使用するほか、多彩なフルーツなどを副原料として混醸したクラフトサケを製造し、文化財建築の利活用、紫波町の盛り上がり貢献を目指す。初回ロットは今年2月下旬頃の発売予定。
■スケジュール
2024年
1月18日~製造開始
2月下旬頃~出荷開始
■ここまでのあらすじ
日詰平井邸は紫波町日詰商店街の南端に位置する近代和風建築。1921年(大正10年)、12代平井六右衛門によって完成され、当時の内閣総理大臣・原敬を招いた。大正ガラス窓、敷地を囲うレンガ塀、33畳大広間を実現したトラス式構造などが現存し、2016年に国指定重要文化財に指定。
同建築は2021年以前一年のほとんど門を閉ざし、昭和末期に逝去した13代夫人を最後に居住者はおらず空き家同然だった。代表者は家族のルーツである日詰平井邸を地域の人々が集う「まちの家」として利活用に2022年2月より取り組み、フォトウエディングや商店街朝市などの地域イベントの会場として活用。主屋を来邸者が過ごす住居空間として活用する一方で、家業として営んできた醸造業の復活を計画。
2023年2月、醸造所開設の資金調達を目的にクラウドファンディングを実施。250万円の当初目標は初日に達成し、4月上旬の募集終了時点で目標の420%に相当する約1,050万円もの応援購入が全国から集まった。
その後、日本政策金融公庫より1,000万円を融資により調達。さらに紫波町、盛岡信用金庫、岩手県工業技術センターと4者連携し総務省「ローカル10000」に応募。1,750万円の採択を受けた。また、もりおかSDGsファンドから出資を受けた。指定文化財である造り蔵内に醸造所設備を構築し、昨年10月27日に盛岡税務署へ製造免許を申請した。

■製造するクラフトサケについて
日詰平井邸で製造するクラフトサケは、日本酒の製法をベースにした新ジャンル酒である。酒税法では「その他の醸造酒」に分類されており、米、米麹、水を主原料に、フルーツやスパイスなどの副原料を自由に加え、発酵させたもの。当社は紫波町特産のもち米を発芽させた発芽玄米を主要な副原料として使用し、独自の製法を岩手県工業技術センターとの共同研究で開発。もち発芽玄米に含まれる栄養成分を効率よく発酵中の微生物に供給することで、酵母などが生産する香気成分や有機酸などの増加が分析によって認められ、より香味が鮮明な酒を製造することが可能になった。
その他、当社では同じく紫波町特産であるブドウなどのフルーツを加えたラインナップ「layer(レイヤー)」を製造予定。紫波の風土を活かした醸造酒を地元地域はもちろんのこと全国へ発信する。
1.Re:vive 無涯(むがい)720ml→2024年2月下旬~発売、希望小売3,300円(税込)
原料米はすべて岩手県産米を使用。磨き上げた白米を南部杜氏に受け継がれ進化し続ける吟醸技術と長期間の低温発酵によって醸造。凛とした華やかな香りと瑞々しい甘味を楽しむことができる。平六醸造は基本の副原料にもち米の発芽玄米を採用している。紫波の特産品であるもち玄米を発芽させ、さらに製麹し酒母工程で混醸することで玄米に含まれるアミノ酸・ビタミン・ミネラル分を無駄なく酵母などに供給することができる。結果として、酵母活性の向上による吟醸香成分が増加し、酵母は死滅しにくく雑味の原因となるアミノ酸は減少。また、醸造用乳酸など人工添加物は使用しない。乳酸菌を加え発酵させることで必要な乳酸量を賄いつつ、酒母は10日程度で完成させる。伝統製法である生酛と今日の一般製法である速醸酛のハイブリッドとも言える製法を確立した。無涯-むがい-は、果ての無い醸造酒の可能性を究める酒として命名。
2.Re:vive 空我(くうが)720ml→2024年3月下旬~発売、希望小売1,980円(税込)
原料米はすべて岩手県産米を使用。掛米は食用程度の精米に留め、さらに一般品種(あきたこまち、銀河のしずく)なども使用。不向きとされている原料米であるが、徹底した発酵管理と独自製法の酒母により清澄な甘味と酸味を楽しむことができる低アルコール原酒を実現した。平六醸造はもち米の発芽玄米を製麹し酒母工程で混醸する。玄米に含まれるアミノ酸・ビタミン・ミネラル分を無駄なく酵母などに供給することで、一般的な酒母歩合の約半分量で安定的に発酵を管理することが可能になった。酵母活性の向上による吟醸香成分が増加し、酵母は死滅しにくく雑味の原因となるアミノ酸は減少。また、醸造用乳酸など人工添加物は使用しない。乳酸菌を加え発酵させることで必要な乳酸量を賄いつつ、酒母は10日程度で完成させる。伝統製法である生酛と今日の一般製法である速醸酛のハイブリッドとも言える製法を確立した。空我-くうが-は、仏教の教え「我空」から命名。
3.layer ブドウ720ml→2024年3月下旬~発売、希望小売2,200円(税込)
原料はすべて岩手県産を使用。基本製法「Re:vive」に対して紫波町産キャンベルなどの果汁を添加し混醸した。醸造のテーマである重層的な味わいを表現するため果汁は複数回に分けて添加し、米の日本酒的な香味、発酵ブドウ、言うなればワインのような香味、そしてフルーツの香味を融合させた。日本酒、ワイン、リキュールとも異なる「葡萄酒」は多様な料理との可能性を秘めており、発酵能力を高めた平六醸造の発芽玄米を使用した製法とは相性が良い。酵母の活性化によって香気成分は増加し、健全な酸が豊満な味わいを支えることで全体のバランスを締めている。熟成、副原料、添加配分などレイヤーとしての余白は残されており、1年1年の収穫の喜びと醸造酒としての深化をお楽しみいただきたい。
■代表者プロフィール
代表取締役 平井佑樹(ひらいゆうき)
岩手県盛岡市、1991年10月12日生まれ。2014年明治大学商学部卒業。在学中に出会った恩師 久米信行の教えからブログ、SNSなどを活用したネット行商に取り組み、日本酒の情報発信やイベントを開催。卒業直後、両親が営む菊の司酒造株式会社へ入社。東京で交流のあった全国の蔵元や地酒専門店からのフィードバックから、自社の日本酒としてのクオリティに大きな危機感を持ち、品質改善に取り組んだ。自身でプロデュースした限定流通ラインナップ「平井六右衛門」を2015年リリース。当初地元県内と一部の首都圏酒販店のみだったが、品質と取り組みに共感する支援者を徐々に獲得し、2021年までの6年間で全国約70軒へ拡がる。2022年インターナショナル・ワイン・チャレンジにて純米吟醸の部リージョナルトロフィーを受賞。しかし2021年3月、飛躍的な品質向上とは裏腹に経営の実情は厳しく、金融機関の勧めで株式会社公楽へ事業譲渡。2022年1月に同社を退職。以後、家族のルーツである創業地・紫波に移り、国指定重要文化財「日詰平井邸」の利活用に取り組む。併せて雫石町・砂壁純也に師事し酒米栽培に挑戦。2023年に同町で就農した。認定新規就農者。日詰平井邸に遺された造り蔵を100年の時を越えてクラフトサケ醸造所として復活。株式会社平六醸造(2023年1月)代表取締役。

■参考
100年の時が流れる国指定重要文化財「日詰平井邸」醸造所復活へ!酒造の自由に挑戦|Makuake
蔵開放|100年の時を越えて新たな時代のクラフトサケ醸造所復活へ

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