すべてはリヤビューから始まった! クラウンスポーツの「トヨタ車としては珍しい造形」をデザイン担当者に直撃した

2024.01.31 11:40
この記事をまとめると
■クラウンシリーズの第2弾としてクラウンスポーツが2023年10月6日に発表された
■デザイン面でこだわったポイントなどを担当者へインタビュー
■トヨタとしては過去にないくらいチャレンジした意欲作に仕上がっている
話題のクラウン第2弾のこだわりポイントとは
  新型クラウンシリーズの第2弾として10月6日に発表されたスポーツ。乗り込んだ瞬間から高揚感が高まるとされるエモーショナルな佇まいが話題ですが、そのスタイリングはどのように生まれたのか? 今回はデザイン部でシリーズを統括された宮崎さんと、エクステリアを担当した小出さんに話を聞いてみました。
1枚のスケッチから始まったデザイン開発
──では始めに。スポーツはシリーズの第2弾ですが、4台のシリーズのデザイン開発は一括で行われたのでしょうか? また、共通のデザインテーマはあったのですか?
「そうですね。細かく言えば統括(宮崎氏)の下に4つのチームがありましたが、インテリアを含め常にデザイナーの交流がありましたから、実際には一括といえると思います。テーマについては、先行したクロスオーバーの際に、欧州車に対抗するべく全体をカタマリで見せるシンプルさや、ハンマーヘッドのフロントフェイスなどが挙げられました」
──では、スポーツとしてのデザインコンセプトは設けたのでしょうか?
「じつは、スポーツのデザインはデザイン開発初期に提案されたリヤビューのスケッチから始まったんです。非常に完成度の高い絵で、もうこれで行こうと(笑)。具体的には、新しいスポーツSUVとして短いホイールベースで俊敏さを感じさせ、ひと目で高揚感が高まるスタイルですね」
──パッケージでは、クロスオーバーに対し全長、ホイールベースと前後オーバーハングが短くなっている一方、全幅と全高は増えていますね。
「全長については、やはりアジャイルなクルマとして運転席に比重を置いた結果ですね。オーバーハングはもちろんタイヤをできるだけ四隅に置きたかった。全幅はベース車があるので本来もっとナローにしなくてはいけないところでしたが(笑)、存在感を高めるために生産部と調整をして40mm広げさせてもらいました」
──フロントはシリーズ共通のハンマーヘッドを採用していますが、スポーツ独自の特徴はどこにありますか?
「スポーツでは、フロントタイヤの中心くらいから前に向けてフードを下げているんですね。そのフロント全体の動感、大きな流れのなかにハンマーヘッドを収めたのが特徴と言えます。また、ロアグリルはクロスオーバーと同じ格子状ですが、スポーツはPHEVとして実際の開口部が必要なので、格子と穴の表現を工夫しています」
ほかのトヨタ車にはない造形美!
ドライバーからリヤフェンダーが見える造形に
──サイド面ではなんと言ってもリヤフェンダーの大きな抑揚が目立ちます。また、フロントからリヤに向けてシャープに変化する面は、ハリアーなどほかのトヨタ車にも見られる表現ですね。
「いわゆる「オロイド」と呼ばれる幾何学的な造形をモチーフとした表現ですね。面の強い変化によるコントラストでダイナミックさを狙う考え方ですが、スポーツではとくにこれを際立たせました。リヤフェンダーは四駆としてタイヤへの凝縮感を高めることを意識しています。成型には高度な技術が必要なのですが、ここはクラウンとしてぜひ実現したいと……」
──クロスオーバーではリヤピラーを後ろへ抜いていますが、スポーツはボディ色としています。また、ピラー形状も後ろから見るとかなり複雑ですね。
「クロスオーバーは後席が重要ですから、伸びやかさを出すために後ろへ抜いていますが、スポーツでは強く掴むような力強さを意識したかった。キャビンもリヤタイヤに近付けて、あたかもフェンダーに食い付くようなイメージです。複雑なピラー形状は、ドライバーが後ろを見たときにリヤフェンダーが見えるよう大きく絞ったためですね。こうした造形はトヨタ車では珍しいんじゃないかな(笑)」
──ボディカラーでは鮮烈な赤が印象的です。
「従来のこのクラスは白、黒、シルバーで占められていましたが、近年はユーザーさんの嗜好も変化していると感じています。クロスオーバーでも新しいカラーを提案しましたが、スポーツでは『エモーショナルレッドIII』を始めとした有彩色を意識的に揃えました」
──それでは最後に。スポーツSUVと言えばランボルギーニなど欧州の高価格帯の名前が挙がりますが、スポーツはこうしたライバルたちとデザイン的に対抗できると考えていますか?
「もちろんです。スポーツSUVというとトヨタではハリアーが先駆者ですが、今回クラウンでも必要と考えたとき、もっとも美しいSUVにしたいと考えました。このジャンルはまだ『荒らされていない』といえますが、そのなかで価格差を感じさせないチャレンジができたと自負しています」
──まさに桁の違う価格差のなかでのチャレンジですね。本日はありがとうございました。

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