新車ディーラーにも「ミステリーショッパー」が存在! いったい何をチェックしているのか?

2023.10.06 06:20
この記事をまとめると
■覆面調査員的な「ミステリーショッパー」と呼ばれる人が新車販売の世界にもいる
■それがゆえ一見冷やかし客でも丁寧な対応をするディーラーが多い
■かつてはライバルディーラーへ若手セールススタッフがお客のふりをして送り込まれることもあった
新車販売の現場でも覆面調査員が存在する
  “ミステリーショッパー”という言葉を聞いたことはあるだろうか? 日本語でたとえれば“覆面調査員”あたりがわかりやすいかもしれない。さまざまな飲食店や小売店の客に扮し、接客や店内レイアウト、清掃が行き届いているのかなどを調査し依頼人に報告する人たちのことである。
  新車の販売現場においてもミステリーショッパーは当然活動している。事情通は次のように語る。
「なんとなくですが、この人は……というのは接客していてわかることがあるようです。応対するセールススタッフの接客姿勢は当然ですが、お出しした飲み物を飲み干したときにおかわりが出てくるか、さらにその出てくるタイミングなどもチェックしているようですね。トイレも清掃が行き届いているかなどチェックするのはマスト項目となっているようです。ミステリーショッパーへの依頼者は、メーカーもしくはそこに近いところとなっているとも聞きますが、聞いている限りは調査対象となったセールススタッフ個人ではなく、そこの責任者へ報告があがるようで、あくまで個人攻撃ではなく店舗運営に役立てるデータのひとつという位置付けのようです」。
  昭和のころの新車ディーラーなら、新車販売のプロとしてのセールススタッフの勘で冷やかしかそうでないかで接客姿勢が大きく変わることもあったが、いまではミステリーショッパーという存在があるので、誰が訪れてもそれなりの対応をしてもらえるようになっている。ちなみに筆者の父はわざとみすぼらしい恰好をし、セールススタッフの反応を探っていた。
  ミステリーショッパーはなにも覆面調査員だけではない。令和のいまではパワハラ扱いされてしまうだろうが、昭和や平成初期には休日に「ライバルディーラーをまわって情報を集めろ」と若いセールススタッフにハッパをかけるディーラーもあったとのこと。メーカー間でのライバル車の販売競争が激しかったころなので、敵状視察による情報収集は販売促進活動に有効だったことも大きい。ただ、いまでも販売現場を訪れると「ライバルディーラーへ様子を見に行ってきた」とたまに話してくれるセールススタッフに遭遇することがある。
  しかし、接客姿勢に対する来店客の満足度は人それぞれともいえるので、画一的なチェックポイントによる評価にすがっているのもあまり感心できないと考えている。
ひと昔前の高級ブランドの店舗は来店前提で作られていなかった
  たとえば、2005年に日本国内で開業したレクサス店は、開業当初はかなり異色な接客姿勢が話題となった。
  “セールスコンサルタント”と呼ばれるセールススタッフは運営母体となるトヨタ系ディーラー出身者となるので、当然過去にトヨタ車を長年乗り継いでもらっていたお客を店頭誘致することもあるのだが、話すときには「~でございます」と必ず話さなければならないとされていた。また、商談テーブルにつけば飲み物が出てくるのはほかのディーラーと変わらないのだが、持ってくる若い女性が床に膝をついて出してくることもあり、「まるで夜の店に来たみたいだ」と言われることもあったようだ。
  慇懃無礼とまで言われるほどの異色の接客姿勢に、来店客のなかには違和感を覚える人も多く、すでに開業から20年近く経ついまでは、かなり普通の新車ディーラー的な接客となっているようだが、それでも筆者は違和感を覚え、それを興味深く見ている。
  南カリフォルニアで実際にレクサス車を販売していた経験のある人に話すと、「クルマを売る相手のライフスタイルを見誤っているように見えます。ハイクラスなお客様を対象とするレクサスですが、庶民目線でのお金持ち像ベースが先行しているようにも見えますね」と話してくれたのを覚えている。
  日本で輸入車販売経験のある人は「輸入車ディーラーでは、どんなに高級感を装った店舗であっても、お客さまを店頭にお呼びする前提での販売活動は想定しておりません。お得意さまはまず店にはきません。デパートの外商のような販売手法となりますので、まずお忙しいので空いているちょっとの時間にお客さまの経営する会社やご自宅へおクルマを持っていき、ご商談させてもらうのが普通だと現役のころは感じておりました」と語ってくれた。
  輸入車ディーラーも扱うブランドのヘッドクォーターの指示もあるとも聞くが、その後は大きく豪華なショールームを構えるようになった。高級輸入ブランドもラインアップが充実してきており(とくに輸入車としては安価なカジュアル車)、サラリーマン層もターゲットとして多く注目するようになったので、店頭販売も重要となってきていることが背景にあるようだ。
  1日中外出し、飛び込み販売が当たり前だった昭和と異なり、いまでは店舗から外出することは、特別な用事がない限り控えるようにいわれている。働き手不足が新車の売り方への変化を加速させている。ただ、AIロボットセールスマンと商談するまでには至っていないので、相手が生身の人間である限りは、飲み物の出し方がよかったり、トイレがキレイであったとしても、セールスマンとのミスマッチというものは防ぐことはできない。
  よほど耐え切れなければ同じ店舗でセールススタッフの“チェンジ”も可能だが、だいたい生活圏内に同じ資本の販売会社の店舗は複数あるので、新たな店舗で「前の店のセールススタッフとは気があわない」などと伝えれば、商談を引き継いでもらえるはずである。

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