晩秋にいただきたい中欧三都の郷土料理とお酒、クリスマス市も必見です

2015.11.05 08:00
長い歴史の中で東西の影響を受けながら独自の味を育んできたオーストリア、チェコ、ハンガリーの食文化。クセのない中欧の郷土料理は日本人の口にもよくあい、ビールやワインとの相性も抜群です。土地の料理とお酒を存分に楽しんだ後は、ハプスブルク帝国時代の流れをくむレベルの高いスイーツや、ハンガリーの極上貴腐ワインで締めくくってみてはいかがでしょう。そして秋も深まればクリスマスシーズンの到来です。ウィーン、プラハ、ブダペストでは今年も11月半ば頃から伝統的なクリスマス市が開かれます。中欧ならではの手作り感あふれるリースや雑貨を見つけて我が家のツリーに飾りましょう。
旅先でいただく土地のお酒は至福の味わい
オーストリア航空で午後6時過ぎにプラハに到着し、ホテルで荷を解いたらちょうど夜8時前。さっそく街に出て、ホスポダ(ビアパブ)でビールをいただきましょう。チェコのビールが世界一といわれる理由は、国の名産品である良質なホップにあります。特にチェコで生まれたピルスナービールは、ふわふわのクリーミーな泡がたち、すっきりとした喉ごしとコクが特徴です。ビールメニューには麦芽含有量が示してあり数値が大きくなるほど味わいも深くなります。プラハには小さな醸造所をもつお店も多く、樽出しのビールがいただけるのもビールファンにとっては嬉しい限りです。
ブダペストなら、ハンガリーの至宝といわれる貴腐ワイン「トカイ・アスー」をおすすめします。ハンガリー東北部のトカイ地方で造られる貴腐ワインは300年以上の歴史をもち、ハプスブルク帝国の中でも最高ワインとして皇帝や貴族の人々に愛されてきました。華やかな香りが感動的で、甘みと酸味が調和した芳醇な味わいです。甘いワインが苦手な方でも、トカイ・アスーを一度味わえばたちまち魅了され、世界文化遺産に登録されたというのもうなずけるはずです。
カフェ文化が花開いたウィーンでは、ディナーの後は「マリア・テレジア」を試してみましょう。ブラックコーヒーにオレンジリキュールを加えた、ウィーン独自のコーヒーバリエーションです。ちなみに、このマリア・テレジアはオーストリア航空のビジネスクラスでも味わえます。
【写真/チェコでは定番のピルスナーウルケル(チェコ政府観光局)】
肉と野菜をじっくり煮込んだ極上スープで心もほっこり
街歩きや観光巡りの心地良い疲れを癒してくれのが、三都でいただける温かいスープ料理です。まずは中欧の代表スープといえるのがハンガリー生まれの「グヤーシュ」。オーストリアやチェコではグラーシュとよばれます。牛肉をジャガイモやニンジンで煮込み、たっぷりのパプリカパウダーを入れて風味をつけたサラッとしたスープです。かつて大草原で牛を放牧していた人々が大きな鍋で作っていた料理がルーツと言い伝えられています。オーストリアやチェコのグラーシュはハンガリーのものよりトロミがあり、チェコではもちっとしたゆでパンのクネドリーキとともにいただきます。
ウィーンではオーストリアを代表するビーフコンソメスープ「クラーレ・リントズッペ」をいただきましょう。牛肉の旨みがきいたあっさりとした味わいです。
プラハではニンニクをたっぷり煮込んだスープ「チェスネコヴァー」が有名です。これをベースにして切り野菜や、ジャガイモ、チーズなどが具として入ることがあります。
【写真/チェコの伝統スープ、グラーシュ(チェコ政府観光局)】
散策の合間にカフェでいただく個性派スイーツ
ウィーンはもちろんのこと、プラハとブダペストにも素敵なカフェ文化が根付き、古くから愛されるお菓子がショーケースに並んでいます。
プラハでは、生クリームがたっぷり添えられたクレープ「パラチンタ」や、アニスやせり科フェンネルの香りをとじこめたクッキー「ペルニーク」、はちみつ味のスポンジとキャラメルソースを重ねたケーキ「メドヴニーク」など。リンゴとクルミ、レーズンなどが入った「アップルパイ」にはチェコらしく隠し味にビールを入れたものもあるそうです。チェコ人の主食クネドリークにチョコレートを詰め込んだスイーツもよく見かけます。
ブダペストは、他ではお目にかかれないようなお菓子が数多くあります。クルミやレーズンなどのドライフルーツやナッツを練りこんだケーキ「ベイグリ」はクリスマス近くになると街のあちらこちらに登場します。秋冬の限定スイーツ「栗のピューレ」は、スポンジのないモンブランケーキの上部分にクリームがかかったもの。ウィーンでも有名な「ドボシュトルタ」はハンガリーが発祥のケーキ。幾層にも重なるスポンジケーキの間にチョコレートクリームをはさんで、一番上にキャラメルの薄い板がのっています。ラムレーズンとナッツを包み込んだクレープ「グルデル・パラチンタ」も人気です。
お菓子の都ウィーンでは、定番スイーツのチョコレートケーキ「ザッハートルテ」、薄いパイ生地でリンゴやカッテージチーズなどを包み込んで焼いた温かいお菓子「シュトゥルーデル」、エリザベート皇妃が愛した「スミレの砂糖漬け」など。クリスマス向けのケーキなら、アーモンドやレーズン入りの焼き菓子「クーゲルフプフ(クグロフ)」がお薦めです。
【写真/プラハでいただく素朴なお菓子】
宝石箱のような輝きを放つ中欧のクリスマス市
11月下旬に入ると、ヨーロッパの各地でクリスマス市が賑やかに開催されます。特に古き良き伝統を今も大切に残す中欧三都のクリスマス市は、地元の人々のための大切な季節行事です。風情ある街並がイルミネーションで美しく輝き、メルヘンの世界へと誘います。
ウィーンでは11月中旬から、街中のあちらこちらで市が開かれます。いちばん賑わうのはウィーン市庁舎前広場の「アドヴェントの魔法」。約150の屋台が軒を連ね、ツリーオーナメント、ギフト類や美しい雑貨などがところ狭しと並びます。ウィーンでもっとも歴史あるクリスマス市は1772年に始まった旧市街フライウング広場の「アルトウィーナー・クリスマス市」。工芸品、オーナメントのガラス玉や伝統的なクリッペ(キリスト誕生を模った木彫り人形)は注目してみてください。
プラハでおすすめのクリスマス市は、旧市街広場のティーン教会前のもの。11月終わりから1月1日まで開かれます。ツリーのオーナメントやプレゼント用ギフトなどが売られますが、プラハ、ブダペスト、ウィーンなど中欧の伝統的なクリスマスに、日本でもおなじみのサンタクロースは登場しません。子供たちが大好きなのは、白い髭をはやした聖ニコラウス、そしてクリストキントといわれる天使で、クリスマス市に現れると、みな一斉にかけよります。また、ほとんどの家庭ではクリスマスに向けてオリジナルのクッキーを作るそうで、クッキーの抜き型をよく見かけます。小腹が空いたら、ホットワインによくあうソーセージや、プラハの伝統菓子トゥルデルニーク(薄手のドーナツ風)、ジンジャーブレットなどを頬張りましょう。
ヨーロッパでもある点において類を見ない質の高さ、といわれるのがブダペストのクリスマス市です。ここではある決まりごとがあります。マーケットで販売するものはすべて天然素材を使ったもの、さらに手づくりのもののみで、それ以外は売ってはいけないことになっています。100もの木製の屋台には、ストローやトウモロコシの皮で作られた素朴でぬくもりのあるツリーオーナメントやハンガリー民芸品も販売され、おみやげ探しにも重宝しそうです。今年で17年を迎えるこのクリスマス市は、11月下旬からから12月24日まで。場所はペスト地区のヴェレシュマルティ広場。特設会場ではジャズライブなども開催される予定です。
3都市のお国柄が伺える興味深いクリスマス市を、旅程に組み込んでみてはいかがでしょう?
【写真/プラハのクリスマス市】


【オーストリア航空について】
オーストリア航空なら、成田からウィーンまで約12時間のノンストップフライトです。
プラハやブダペストへの乗り継ぎもスムーズで、成田を出発してから約14時間後には、中欧の美しい街にランディング。現地時刻18時過ぎには到着なので、ナイトライフも着いたその日から楽しめます。

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