奄美・おきのえらぶ島で、天候に左右されずに小学生が学び語れる居場所を作りたい!

2023.03.06 20:22
奄美群島・沖永良部島で子育て支援に取り組むNPO法人SMAPPY(スマッピー)です。「育児を振り返ったときに喜びあふれるものに」、そんな想いから託児事業や食育、未就学児向けの遊び場開放などを行ってきました。今回、室内遊具場をつくり、雨でも小学生の子どもたちも集まれるコミュニティづくりに挑戦します!
沖永良部島の子育て支援施設SMAPPY(スマッピー)です
こんにちは!ある南の島に暮らす二児の母、新納佳恵(にいろよしえ)です。
みなさんは、沖永良部島(おきのえらぶじま)って聞いたことがありますか?
沖縄の那覇港からフェリーで7時間。奄美群島のひとつで、与論島と徳之島に挟まれた場所にある島です。2021年の世界遺産登録に沸いた奄美地域ですが、賑やかな話題がある一方で住人が抱える課題は深刻です。たとえば、過疎地域である離島ならではの育児の課題…


「子育ての情報共有や交流ができる場がない」
「子どもと安心して過ごせる場所が自宅以外にない」
「天候に左右されずに子どもたちが思いっきり遊べる場所がない」
「特に転勤1年目は交友関係も少なく、頼れる人がいない・少ない」
「未就学児を、きょうだいの行事や病院受診、急用の時などに預けられる施設が少ない」


私は、このような周りの声や自身の体験をきっかけに2021年10月、沖永良部島で子育て支援を目的とするNPO法人「SMAPPY(スマッピー)」をスタートさせました。
「保育者が育児の時期を振り返ったとき、喜びあふれるものであってほしい」
そう思って私が起こした行動も、理事やスタッフ、お手伝いしてくれるボランティアの方、利用者のみなさんに支えられながら、できることをひとつひとつ増やして今はこれらの事業を展開しています。
託児事業、
未就学児向けの遊具広場の開放、
子ども食堂の開催など(月曜と第4土日を除き毎日開催)。
そのほか、このようなこともしています。


・地産地消、調味料にこだわった常設カフェ
・ものづくりなどのワークショップ
・親子向けフリーマーケットの開催
・大島紬の端切れを使ったグッズ作成
・保護者向けのヨガやピラティス教室
・親子向け体操や未就学向けのバレエやダンス教室
手探りながらもスタートからなんとか1年あまりが経ち、利用者の方々からも「スマッピーができてよかった」「公園で長時間過ごすのは大変なので室内で遊べるのはありがたい」「広くて、おもちゃもたくさんあって、家では注意してしまうようなこともなく本当に助かる」といったうれしいお声をいただくことも増えました。
しかし、SMAPPYは今、新たな課題に直面しています。

小学生の居場所をつくり、子どもだけでも来れるコミュニティに!
きょうだいでの利用も多いSMAPPY、小学生以上の子どもも少なくありません。
しかし、遊具広場はもともと未就学児向けに設置したもの。小学生も遊べますが、幼児に比べ体が大きい分ダイナミックな動きも多く、未就学児に対してはもちろん、利用者が多い時には危険なことも。やむなく注意することもあり、思いっきり遊ぶことができないのです。
また、身体を使った遊びは学びにもつながり、また子ども同士でコミュニケーション(語らい)が生まれる大事な要素。子どもの成長にとって欠かせません。
未就学児には思いっきりハイハイできる広場も、大きくなると窮屈に…。
また、島外の人にとっては「自然の多い島ならどこでも遊べるんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、都会のように子連れで行ける屋内施設が少なく、雨が降ると遊べる場所も限られます(ない)。島は支え合う面があるため広い家や倉庫も持つ親戚がいれば頼ることもできますが、全員がそうではなく、特に移住者家族や転勤で来た人は親戚はいなくて当然です。
晴れていればこのような遊び場は多いけど…。
そこで、小学生以上の子どもたちもいつでも気軽に安心して過ごせる居場所をつくる!
子どもたちが身体を動かせることはもちろんですが、晴れの日でも雨の日でも、島の小学生はもちろん、島外からの子連れ観光客も来れる場所にすることで、子どもたちがさまざまな価値観に触れられるコミュニティにしていきたい。
これが、SMAPPYがクラウドファンディングに挑戦する理由となりました。
幸いSMAPPYの施設はもともと診療施設だったため広く、一部のスペースは未活用です。
設置する室内遊具は、イラストのようなものをイメージしています。組み立て次第で何通りもの遊び方ができる巧技台、ボルダリング、平均台などです。
ご支援のお願いにあたって、もう少し、私の沖永良部島への移住と、SMAPPYを立ち上げる経緯についてお話ししたいと思います。

東京生まれの私が離島でNPOを立ち上げるまで
私が沖永良部島にやってきたのは2010年、23歳の時でした。
来島間もない頃の私
海外旅行用の資金を貯めるため島で働くことになったのがはじまり。祖父母の代からつづく生粋の東京人で「田舎」を持たず暮らして来た私には、優しい人と自然に恵まれた島暮らしは新鮮そのもの。「離島をめぐろう!」と決めた半年後、島で結婚することになりました。
間もなく妊娠、重いつわり、初めての育児。でも、島に来て日は浅く、周りに相談したり頼れるママ友もいない環境…。たった1年の間に環境は目まぐるしく変化していったのです。
振り返れば孤独な時期でしたが、育児が落ち着き、充実の日々に戻り、忘れていきました。
そして仕事にも趣味にも全力の6年間が経ち、再び妊娠。
自宅安静指示が出たこともあり、家までご飯を持って来てくれたり気兼ねなく相談できる友人や、遊び相手になれず寝たきりの母に文句を言わない息子など、たくさんの支えにより無事に出産。二人目の育児はいくらか余裕もあり、記憶にシッカリと刻むことができました。
そんな、「孤独」と「余裕」、まったく違った二回の育児を通して感じたことが…


「育児の時期を振り返ったとき、喜びあふれるものであってほしい」


という思いでした。
そのためには、心に余裕を持って育児に臨むこと。親である前に一人の人間、髪の毛を切ったり、買い物したり、お喋りを楽しんだり、子どもを遊ばせながらヨガやピラティスで気持ちを整えたり。すると育児も家事もはかどるし、何より、子どもに対して優しくなれる。
「もっと甘やかしてあげられたら」「家事なんか後回しにしていたら」。よく聞く後ろ向きな言葉も、同じ状況の人たちと交流や情報共有ができたら、子育て環境が充実して、「この島で子育てできてよかった」と笑って振り返られる思い出になるのではないでしょうか。
島にも公的な子育て支援サービスはあります。しかし、利用時間が限られたり、保育者の用事が理由では利用できないという、現実的な活用がむずかしい部分がありました。その頃、長女が保育所に入って時間的余裕も生まれつつあった私は、あることを思い立ちました。


「自分にもできることがあるのでは?…やってみよう!」


周りに相談してみると、反応はとても前向きなものでした。


いただいた声を受けて「なるべく長時間に対応できる、親子に寄り添った子育て支援施設が必要だ」と思った私は、町が管理する建物を活用させてもらえないか相談するも、個人への貸出は無理とのこと。そのときに担当者から「町が、個人や、実績のない任意団体に委託することは現実的ではない」との言葉を受けたことから、NPO法人の設立を決意したのです。
もちろん、NPO法人の設立は人生初。情報を集め、賛同とともに活動してくれる設立要件でもある理事10人を集め、設立。2021年10月のことでした。今の施設のオーナー(大家さん)も「子どもたちのためなら」とふたつ返事で協力していただき、30名を超えるボランティアのみなさんの協力を得ながら、清掃、改装工事。
総勢30名以上のみなさんによるSMAPPY改装工事の様子
ちなみに「SMAPPY」はSMILEとHAPPYを組み合わせた造語で、「子どもも大人も笑顔にしたい。地域みんなで子育てしよう」という想いを込めています(
)。
そうして1年あまりかけてやってきたことは、すでに書いた通りです。そして今、新たな課題が見えてきたことで、こうしてクラウドファンディングに挑戦することになりました。お金の使い道について
ご支援いただくお金の使い道は、すでに書いた通り「小学生以上の子どもが安心して過ごせる居場所(室内用アスレチック)」の環境整備となります。必要な金額は145万円です。
アスレチックの選定に際しては、監修として、島の地域スポーツクラブ「元気!わどまりクラブ」で指導する、子どもの発育発達の専門家である中野譲さんに入っていただきました。
中野さんからコメントもいただきました!
『 最近はどこもバリアフリーが充実しています。大切なことですが、一方で子どもにとってはやさしすぎる環境です。そこで今回の選定にあたり、彼らが身体の使い方を養えるものを選びました。とくに巧技台(こうぎだい)は組み合わせ次第で何通りもの遊びができ、友だち同士で話し合いながら組み合わせることで想像力も表現力も豊かに養えます。 』
・巧技台:¥900,000
・鉄棒:¥30,000
・エアマット:¥20,000
・クッション壁:¥150,000
・送料:¥100,000
・クラファン手数料:¥250,000リターンの内容について
ご支援に対するリターンについては、なるべくSMAPPYとご縁を持っていただけるようなものを用意しました。
お子さんのいる家庭には遊び場はもちろん、託児所や学習スペースのご提供。お子さんがいなくても、ふだん提供する地産地消、調味料にこだわったメニューを楽しんでもらえる季節のオードブル。意見交換の場となるディスカッション会、島の子どもたちとのイベント企画などです。
また、島外から観光などで来られる方に向けての託児券もあります。
・学習スペースご利用パス+ドリンクチケット:¥3,000
・お礼状:¥5,000
・託児ご利用券(5時間):¥5,000
・年間遊び場フリーパス:¥5,000
・子どもたちがデザインした作品(ハンカチタオル):¥5,000
・ディスカッション会(2時間):¥10,000
・スマッピー商品券:¥3,000
・季節のオードブル(3、4品1回分):¥10,000
・レンタルスペースご利用(3時間):¥5,000
・特産品詰め合わせ:¥30,000
・子連れ観光プランニング&託児券(15時間):¥30,000
・ネームプレート作成(中):¥30,000
・ネームプレート作成(大):¥50,000
・島の子どもたちとコラボイベントを企画します!:¥100,000

子どもは親だけでなく地域で育てるもの
今回のプロジェクトでは、SMAPPYは、未就学児だけではなく、小学生の子どもたちにとっても楽しく過ごせる場所を目指しています。しかし、ゴールはそこではありません。
子どもは、お母さんやお父さんだけでなく社会で育てるもの。
子どもにとっての祖父母はもちろん、あらゆる世代の地域の人たちと携わることで様々な視点で見守ってもらえることが大切。たとえ親の価値観に合わなくとも、その部分も認めてもらってはじめて向上心や自己肯定感が培われると考えています。
また、子どもと触れ合うことでお年寄りの方自身もパワーを養ってほしい。コロナ禍の影響で、島でもなかなか簡単に会いに行けない状況ですが、孫、ひ孫に会った時の祖父母の笑顔は、私など親にもまたパワーが返ってきます。
子どもたち同士も、夏休みなど長期休暇のときには、低学年に高学年が、高学年に中学生が、中学生に高校生が、お兄さんやお姉さん、弟や妹の間柄のような交流が持てる。そこで、身体を動かす遊びを通じた交流は心の距離を縮め、また学びを生む。SMAPPYはそんな「島の多年層交流コミュニティ」でありたいと願っています。
小学生のお姉ちゃんが乳幼児を抱っこする様子
まだまだスタートしたばかりで至らない点もたくさんあります。私たちだけの力だけではなく、たくさんのアイデアや協力によって、子育て支援は無限大の可能性があると思います。
SMAPPYのメンバーたち
今回のプロジェクトをその一歩にしたいです。みなさん、未来を作る子どもたちのためにご支援のほどよろしくお願いいたします!


***


NPO法人SMAPPY(スマッピー)代表 新納佳恵
Instagram: 
メールアドレス: smappy.since20210501@gmail.com

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