自動車メーカーは望んでないのに……販売店を統合しても「同門ライバル対決」は相変わらず激しかった!

2023.02.06 13:00
この記事をまとめると
■いま国産車の販売店が系列を設けることはなくなった
■それでも同一メーカー内に姉妹車やライバル関係になるクルマが存在する
■とくにトヨタは販売規模が大きいため、競争関係が生じやすい
身内同士で熾烈な戦いが展開されている
  かつての日本車メーカーは、国内の販売会社に系列を設けていた。系列ごとに扱う車種が異なり、基本部分を共通化しながら別の車種にする姉妹車もあった。
  しかし今は、系列が基本的に撤廃された。姉妹車も大半が廃止されている。トヨタは今でも、トヨペット店やネッツ店といった系列を残すが、2020年5月以降は全店が全車を扱う。従って系列の区分は実質的になくなった。
  たとえばルーミー&タンクの姉妹車は、後者が廃止されて、今はルーミーのみだ。例外はノア&ヴォクシーで、新型になっても統合されていない。国内向けの車種だから大量に売る必要があり、ノア、ヴォクシーともに知名度が高く販売も好調だから、両姉妹車のフロントマスクを明確に変えて存続させた。
  その一方で、姉妹車ではなく別のクルマとして開発されながら、結果的に競い合う車種も存在する。とくにトヨタは販売規模が大きいために、車種の数も多く、競争関係が生じやすい。
  トヨタのコンパクトカーを見ると、直列3気筒1リッターエンジンを搭載するパッソと、同じエンジンを積むヤリスのベーシックグレードは互いに競い合う。ヤリスハイブリッドとアクアも、駆動用電池などに違いはあるが、基本的な機能は共通だ。ボディはアクアが少し大きく、居住性や乗り心地が快適で、ヤリスには走りの軽快感が伴う。
  トヨタのコンパクトSUVでは、ライズは5ナンバー車、ヤリスクロスは3ナンバー車だが、全長は両車とも4m前後だ。ミドルサイズのC-HRとカローラクロスは、ボディスタイルは異なるが、プラットフォームは共通でホイールベース(前輪と後輪の間隔)も等しい。ハリアーとRAV4も同様だ。同じサイズでも、コンセプトやデザインの異なるSUVをそろえているから重複も生じる。
  この背景には、SUVの多彩な商品特徴も絡んでいる。前輪駆動のプラットフォームを使うSUVでも、RAV4のような4WDが中心になるオフロード派と、ハリアーのように性格がワゴンに近いシティ派に分類される。SUVは同じサイズでも作り分けが可能だから、各社とも車種を豊富にそろえて、売れ行きも好調だ。
  マツダは国内で販売される車種の内、OEMを除くと、半数以上がSUVだ。しかもCX-30とMX-30は、ボディサイズがほぼ等しい。CX-30はマツダが主力とするスポーティ路線で、MX-30は「従来のマツダ車に興味を持たなかったお客様を取り込みたい」という考え方に基づき、リラックスできる柔和なデザインに仕上げた。
  さらに前輪駆動のCX-5と後輪駆動のCX-60では、居住空間や荷室の広さはほぼ同じだ。CX-60は直列6気筒エンジンを用意する後輪駆動車とあって、ボディの前側が長くCX-5よりも上級に位置付けられるが、CX-5と競争関係が生じるのは避けられない。そこでCX-60も、価格が300万円を下まわるグレードを用意した。メーカーが望んだことではないが、身内同士で熾烈な戦いが展開されているのだ。

あわせて読みたい

2列シートミッドサイズの新型クロスオーバーSUV「マツダ CX-70」初公開! 電動化技術を全グレードで採用
CARSMEET WEB
プリウスもない! クラウンセダンにもない! 最近フォグランプのあるクルマ減ってない?
ベストカーWeb
世界最高峰のヨットレース「アメリカズカップ」が追い求める「人の可能性」
antenna*
生産終了のCX-8……3列シートSUVの後継出るぞ!! CX-80はより高級路線で2024年秋登場なるか?
ベストカーWeb
2023年いちばん売れた車はやっぱりアレ!コンパクト&低燃費に加えて“遊び心”もある人気車TOP10
OCEANS
カゴメの新にんじん100%ジュース、そのおいしさの秘密は!?
antenna
決算の数字は良好に見えるんだけど……お家芸のディーゼルも電動化には抗えなかった! 販売台数が伸び悩むマツダの苦悩
ベストカーWeb
新型CX-80が待ち遠しい! マツダが今年も良いSUVを揃えて来た 今季注目のSUVも交えて一挙公開
ベストカーWeb
東急の新しいデジタルチケットサービス「Q SKIP」の魅力
antenna
フォレスター圧巻のコスパ!! ヴェゼルは上級グレードがオトク!? 国産SUV14台の「高コスパグレード」
ベストカーWeb
最新人気50車種徹底ガイド!『2024-2025年 国産&輸入SUVのすべて 』は2024年4月16日発売!
PR TIMES
「KAJITA 」新しい季節を彩る新作コレクション発表
PR TIMES Topics
走行安定性も小回りも利くCX-60!! 価格帯もほぼ同じ……なのに未だCX-5の方が売れるワケ
ベストカーWeb
いまから頭金の貯金をするしかない! 2024年中にデビュー予定の国産新車11車種!
WEB CARTOP
カラフルでキュートな動物たちのマカロン「アニマルフレンズ」販売
PR TIMES Topics
都会も山もイケちゃいます! 今が旬のRAV4は買いか? PHEVも搭載して文句なしの仕上がり
ベストカーWeb
マツダ最多の販売はCX-5!! エンジン性能やボディ剛性の向上も300万円切りで安すぎなのよ! 地道な改良で進化を続ける
ベストカーWeb
蜜柑”せとか”使用した涼感のあるスイーツ「ちとせのわらび餅せとか」登場
PR TIMES Topics
カローラクロスにヴェゼル……大人気車種が狙えるぞっ!! 200万円台が「中心価格」のオススメSUV6選
ベストカーWeb
「四駆じゃない」RAV4に「ディーゼルじゃない」CX-5!? でも実用性はバッチリ!! 廉価グレードがギリ200万円台のSUV4選
ベストカーWeb
限界に挑戦し続ける姿勢とサステナブルな価値観。ヨットレース「アメリカズカップ」に世界が熱視線を送る理由
antenna*