奈良・円成寺|本堂と春日堂・白山堂を修復し、建物と堂内の仏像や柱絵を護る

CAMPFIRE
2022.07.29 23:32
奈良・円成寺は、仏師・運慶が制作した大日如来坐像でよく知られる寺院です。室町時代に再建された本堂(重要文化財)は経年劣化によって近年雨漏りがあり、修復が必要になりました。また、春日堂・白山堂(国宝)もあわせて修復工事をおこないます。建物と堂内の文化財を護るため、お力添えをよろしくお願いします。はじめに
奈良県奈良市に位置する忍辱山・円成寺は、天平勝宝8年(756)、虚滝和尚によって開山されたと伝えられています。
円成寺の庭園(撮影 髙村達)
円成寺には国宝や重要文化財を含む多くの文化財が伝わっていますが、中でも仏師・運慶が弱冠20歳代に制作したとされる木造大日如来坐像が最も知られているものでしょう。
安元2年(1176)に制作された大日如来坐像(撮影 髙村達) 
この運慶の大日如来像が昭和時代まで安置されていたのが、室町時代に建立された本堂です。
文正元年(1466)に焼失した旧本堂をそのままに再建したもので、国の重要文化財に指定されています。
本堂(撮影 髙村達)
その本堂は経年劣化によって近年雨漏りがあり、対処するために屋根の葺き替え工事をおこなう修復が必要になりました。
また、国宝である春日堂・白山堂も葺き替えが必要であったため、あわせて修復工事を計画しまして、こちらは令和3年度に完了しました。


そのための費用の合計は1億5000万円程度が見込まれています。
国宝・重要文化財の修復であるため国と県から補助がありますが、それでも2000万円程度は所有者である円成寺の負担となります。
今回はそのうちの800万円をクラウドファンディングでご支援いただきたく、皆様のご協力をお願いいたします。

円成寺について
忍辱山・円成寺は奈良県奈良市に位置し、東大寺、春日大社より東側へ10kmほどの柳生街道沿いにある寺院です。
天平勝宝8年(756)、虚滝和尚によって開山されたと伝えられています。
また万寿3年(1026)に命禅上人によって十一面観音像が安置され現在につながる境内が整備されました。
円成寺の庭園は本堂とその前の少し下ったところに池がある配置で、庭園の空間によって阿弥陀如来の浄土世界を表しています。
庭園(撮影 髙村達)

本堂と堂内の文化財について
現在の本堂は室町時代に建てられたものですが、文正元年(1466)に焼失した旧本堂をそのままに再建しており、国の重要文化財に指定されています。
本堂(撮影 髙村達)
堂内には木造阿弥陀如来坐像が本尊として安置され、その周囲に木造四天王立像、内陣の柱には二十五菩薩が描かれ、阿弥陀如来が来迎する世界を建築、彫刻、絵画によって表しています。
本堂内の本尊と内陣(撮影 髙村達)
本尊の阿弥陀如来坐像は平安時代の天永3年(1122)ごろに制作されたもので、国の重文に指定されています。
本尊の阿弥陀如来坐像(撮影 髙村達)
その周囲を鎌倉時代の建保5年(1217)制作の四天王立像が守護しており、こちらもまた重文です。
四天王のうちの増長天立像(撮影 髙村達)
四天王のうちの多聞天立像(撮影 髙村達)
また内陣の柱には、本堂の建設時の室町時代に制作された二十五菩薩が描かれています。


堂内の仏像と柱絵はいずれも個別に貴重な文化財であるとともに、建物と合わせて全体で阿弥陀如来が来迎する世界をつくっていることも重要な要素です。
建物自体が傷んでいくことも大きな問題ですが、雨漏りが進めば、堂内のこうした文化財やそれらが表す世界観もまた失われてしまうことになることを危惧しています。

運慶の大日如来坐像の安置場所について
運慶が弱冠20歳代に制作したとされる大日如来像はよく知られており、この像を拝観するために訪れる人も少なくありません。
大日如来像は日本彫刻史上に極めて重要であることもあり、現在は保存環境が良い、収蔵庫としての機能を備えた相應殿という建物に安置されています。
相應殿に安置されている大日如来像(撮影 髙村達)
それ以前はというと、相應殿が建設された平成29年(2017)までは多宝塔に安置されていました。
多宝塔で大日如来像を拝観した、という思い出がある仏像ファンの方々も多いのではないでしょうか。
像を移動して空になった多宝塔には、現在、制作当初の姿が復元された木造大日如来坐像(制作:合同会社藤白彫刻研究所・藤曲隆哉さん)が安置されています。
現在、多宝塔に安置される木造大日如来坐像(撮影 髙村達) 
多宝塔は平成2年(1990)に再建されたもので、運慶の大日如来像はそれまで今回のプロジェクトの対象である本堂に安置されていました。円成寺の本堂は、日本の宝である運慶の大日如来像を現代まで永らく護ってきた存在でもあるわけです。

春日堂・白山堂について
本堂の東側には、春日堂と白山堂が並んで建っています。
並んで建つ春日堂・白山堂(撮影 髙村達)
それぞれ、春日大明神と白山大権現を祀る社です。
鎌倉時代初期の安貞2年(1228)に建立されたと考えられており、春日造社殿としては全国で最も古いものとして知られ、国宝に指定されています。
人が社殿内に入ったりはできないサイズの小さな社で、ミニチュアのようなかわいらしさも感じますが、その造りは古い時代の社殿そのままで大変貴重なものです。

修復について
本堂の屋根は、明治時代中期以前は桧皮葺でした。
桧皮葺とはヒノキの樹皮を使ったもので、立木から皮を剥ぎそれを加工して屋根の材料として施工する、手間暇の掛かった日本古来の屋根の葺き方です。
一時期、瓦葺としたこともありましたが、昭和33年(1958)の修復の際に、桧皮葺の形を復元した銅板葺に改めています。
今回もそれを踏襲して、銅板を新たものに交換して葺き直します。
春日堂・白山堂の屋根のほうは、現在に至っても桧皮葺です。
今回の修復でも同様にヒノキの樹皮で葺き直しました。


修復のスケジュールについては、下記を予定しています。
・春日堂・白山堂:令和3年(2021)12月~令和4年(2022)3月 修復完了
・本堂     :令和4年(2022)4月~令和5年(2023)3月

目標金額と資金の使い道について
目標金額800万円の内訳は下記を予定しています。
修復費:530万円
リターン作成費・送料:約120万円
人件費:約60万円
広報費:約10万円
GoodMornig手数料:約80万円

円成寺住職からメッセージ
円成寺の住職である田畑祐弘からのメッセージ動画です。


リターンについて
■ポストカード
写真家の髙村達さんが新たに撮り下ろした本堂のポストカードです。
〇髙村達プロフィール〇
写真家 1967年東京都生まれ
曽祖父は彫刻家の髙村光雲、祖父は彫金家、人間国宝の髙村豊周、父は写真家、髙村規、芸術家の家系に生まれる。
達は高村光太郎の弟、豊周の孫にあたる。
(公社)日本写真家協会正会員


■ポストカードセット
写真家の髙村達さんが新たに撮り下ろした、本堂、春日堂・白山堂、木造大日如来坐像、庭園などのポストカードの8枚セットです。


■[7月25日追加予定]令和4年度 本堂屋根修復工事記念 御朱印
「御朱印を用意したら」という声を多数いただき、残り3週間を過ぎ、追加の返礼品をご用意しました!
今回特別にデザインした散華をプリントした台紙に円成寺の御朱印をお送りします(画像はイメージです)。
※追加リターン公開以前(7月25日予定)に5,000円以上をすでにご支援をいただいている方の中で、リターンを御朱印に変更をしたい場合は対応させていただきます。
メッセージにてご連絡ください。


■円成寺写真冊子
写真家の髙村達さんが新たに撮り下ろした円成寺の写真と、合同会社藤白彫刻研究所の藤曲隆哉さんによる解説を掲載した冊子です。
藤曲さんには、復元した多宝塔の木造大日如来坐像と修復した相應殿の木造四天王立像についてご執筆いただく予定です。
A5サイズで16ページ程度を予定しています。
自費出版の冊子です。


■屋根に新しく葺く銅板に支援者のお名前を記載
本堂の修復では屋根に新たな銅板を葺きます。
その銅板に、支援者様のお名前を円成寺住職が書きます。
次に大規模な屋根の葺き替えがなされるまで、本堂と共にあることになります。
※支援時、必ず備考欄にご希望のお名前をご記入ください。
 基本的には「〇〇県 姓名」という格好となります。


■講演会・見学会の参加券
令和4年11月5日(土)に、円成寺において講演会と建物の見学会を開催します。
講演は、建築史の専門家である東京芸術大学教授の上野勝久先生に、本堂と春日堂・白山堂についてお話しいただく予定です。
なお、新型コロナウイルスの流行状況によっては、講演会・見学会はオンライン配信等にせざるをえない場合がありますので、ご了承くださいませ。
〇上野勝久プロフィール〇
1961年栃木県生まれ 東京藝術大学大学院教授
1985年横浜国立大学大学院工学研究科修士課程修了。横浜国立大学工学部助手、文化庁文化財部文化財調査官などを経て現職。博士(工学)。
著書・論文に『増補新装カラー版日本建築様式史』(共著、美術出版社)、『週刊朝日百科国宝の美19 建築5 平安時代の仏堂建築』(監修、朝日新聞出版)、『日本の美術529 近世の芸能施設とその空間』(ぎょうせい)、「鎌倉における禅宗建築」(『国宝と歴史の旅7 鎌倉大仏と宋風の仏像』朝日新聞社)、「鑁阿寺本堂の部材の年代判定について」(共著、『日本建築学会計画系論文集77〔678〕』)など。


■新規撮り下ろし写真作品
写真家の髙村達さんが新たに撮り下ろした、木造大日如来坐像、本堂、 庭園、いずれかの写真を、A4サイズにプリントして310×258㎜に額装した作品です。
写真は木造大日如来坐像(縦位置)、本堂(横位置)、庭園(横位置)の3種類の中から1つを、額は金色と銀色の2色の中から1つをご選択くださいませ。
■護摩供養
本堂の修復完成に合わせて、今回のクラウドファンディングの支援者のための護摩供養をおこないます。
護摩供養は、令和5年4月頃に護摩堂で住職がおこないます。
支援者様が参加する形式ではおこなわず、御札は後日送付します。

応援メッセージ
籔内佐斗司(彫刻家・奈良県立美術館館長・東京藝術大学名誉教授)
柳生街道に面した古刹・円成寺は、山寺らしい風情溢れる伽藍に加え、再建された多宝塔や最近完成した収蔵庫などから、現代に脈々と息づいている寺院であることがわかります。
私が藝大在任中は、学生による運慶作・大日如坐像の模刻研究や大慈仙町の薬師如来坐像修復などに際して、ひとかたならぬご恩を頂き、こころから感謝しています。
さて、このお寺のご本尊の阿弥陀さま(重文)がおられるご本堂(重文)に、なんと雨漏りがするようになり、急遽、国宝の春日堂・白山堂と合わせて1億5000万円という大規模な改修工事をすることになりました。
そして、そのうちの2000万円の自己負担金は、この山寺には大きな重荷にちがいありません。
円成寺の魅力はたくさんありますが、ご住職の田畑祐弘師の恵比寿顔は特別です。
本堂の屋根改修のためのクラウドファンディング参加によって、ひとりでも多くの方がこの名刹と素敵なご住職とのご縁が結ばれることを願っています。


山本勉(鎌倉国宝館長・清泉女子大学名誉教授・東京国立博物館名誉館員)
円成寺様の本堂そして春日堂・白山堂の修復を心から応援いたします。
わたしがはじめて円成寺を訪れたのは、いまから48年前、1974年のことです。
いま相應殿に安置されている国宝大日如来像は当時、本堂の西孫庇南端の間に安置され、連子窓を背景に側面観を拝めました。そこでこの仏像と運慶のことを知りたい、仏像とその歴史を学びたいと思って、仏像研究の道にはいりました。
思い出深い円成寺が永遠に守られることを願います。




はな(モデル)  【追加で応援メッセージをいただきました! 2022.6.29】
円成寺の大日如来さまに初めてお会いした時「これは運慶の初期の作品に違いない」と直感で分かりました。こちらの像は運慶が二十五歳くらいの時に、父康慶の元から独り立ちし、初めて世に送り出した仏像でした。言わば、運慶のデビュー作。その姿はフレッシュな空気をまとい、若き運慶のパワーでみなぎっています。
台座の裏には運慶の署名と花押、そして、制作期間を表す年月などが記されているのですが、それまでは仏像の企画者や指揮した僧侶の署名が記されることはあっても、仏師が自らの作品にサインを入れることはありませんでした。さらに、通常は三ヶ月ほどで制作ができる仏像に十一ヶ月もの時間をかけていることから、この大日如来さまは運慶にとって記念すべき作品だったことが分かります。
平安時代の特徴でもある穏やかな一面を残しつつ、新たな時代の幕開けを予感させる仏像。運慶のデビュー作となる貴重な大日如来さまがいらっしゃる円成寺の修復が無事、行われることを切に願っております。



最後に
円成寺は運慶の仏像や庭園でも知られますが、檀家は70軒ほどと、実は一般的な寺院と比べてもかなり少ない寺院です。
そのため、寺院の運営や多くの文化財の維持管理の費用については、参拝者の拝観料に頼るところが大きいです。
しかし、昨年から続くコロナ禍によって奈良県の観光客は激減しており、当然ながら円成寺にお参りにいらっしゃる方や拝観料収入も減少しています。
今後のコロナ禍の影響もまったくわからない状況ではありますが、修復して後世に伝えていかなければならない文化財はまだまだ多くあります。
そうしたことから、今回クラウドファンディングをおこなった次第です。


貴重な文化財である本堂と春日堂・白山堂を修復し、また本堂内にある文化財を護っていくために、皆さまにご協力をお願いいたします。
運営企画協力

宮本晶朗  (株)文化財マネージメント代表取締役
1976年、東京都生まれ。彫刻作品(仏像、近現代彫刻)の保存修復。2008年、東北芸術工科大学大学院修士課程保存修復領域修了。白鷹町文化交流センターに学芸員として勤務し、アートや仏像の展覧会、ダンス公演などを企画・担当する。東北芸工大文化財保存修復研究センター学外共同研究員として、仏像等の調査・研究や保護活動に参加。現在は株式会社文化財マネージメント・代表取締役。「みちのおくの芸術祭 山形ビエンナーレ2018、2020、2022」にキュレーターとして参加。東北芸工大非常勤講師。同大保存修復センター客員研究員。東洋美術学校外来講師。山形大学非常勤講師。

藤曲隆哉   彫刻家・修復家
1982年東京生まれ。武蔵野美術大学・造形学部彫刻学科卒業後、2013年東京藝術大学大学院美術研究科・文化財保存学専攻博士課程修了。円成寺大日如来坐像復元模刻を2017年に奉納。奈良県大慈仙町薬師如来坐像修復、茨城県取手市長禅寺十一面観音菩薩立像制作、太宰府天満宮麒麟像模造制作など仏像修復・制作の傍ら彫刻作品の発表を行う。2016年より合同会社藤白彫刻研究所の代表を務める。

あわせて読みたい

トーハクの国宝、全部見に行こう!|青野尚子の今週末見るべきアート
Casa BRUTUS
この秋訪れたい千利休ゆかりの地。京都「大徳寺」が非公開の茶室などを特別公開中
IGNITE[トレンド]
人気の絶景プロデューサーが体感!「ドライブ×絶景撮影」の楽しみ方
antenna*
《東京国立博物館》日本で最も長い歴史を誇る博物館【後編】
Discover Japan
【京都】南禅寺のみどころをご紹介。三門から水路閣、歴史やアクセスまで!京都が誇る圧巻の美しさ
るるぶ&more.
テニス指導者【坂井利彰氏が解説】オムロンの低周波治療器がおすすめの理由
antenna*
国宝の木彫像を12体厳選! 写真家・帆足てるたか氏が撮影した美しい仏像の数々をカレンダーに仕上げました。リビングのインテリアの一つとして、国宝とともに2023年を過ごしてください
PR TIMES
山形県飯豊町|600年前に建てられた天養寺観音堂が豪雨災害で被災・大破。修復へ
CAMPFIRE
【藤田寛之】53歳の現役プロゴルファーが教えるリカバリーケアとは?
antenna*
《五百羅漢図》の全貌が初公開。 特別展「東福寺」が東京・京都で開催へ
美術手帖
姫路で見る、杉本博司作品の根底にある「本歌取り」
美術手帖
筋疲労と痛みをケア。オムロン 低周波治療器の実力をテニス界のレジェンドがチェック!
antenna*
宮殿師の技が凝縮したインテリア。木のぬくもりを感じる「ウナテ工房」のアイテムで生活を彩る
IGNITE[トレンド]
マネから異性装、カラーフィールド、触れる展覧会まで。今週末に見たい展覧会ベスト12
美術手帖
デザイナーの真髄~これまでを超えるエキサイティングなデザインを
Jeep®
8K画質の文化財に圧巻! NHK×東京国立博物館の取り組みが面白い「PBI TOKYO 2022」
GetNavi web
もっとも危険な場所にある国宝は? 国宝にまつわる意外なエピソード100連発~注目の新書紹介~
GetNavi web
テニス指導者【坂井利彰】おすすめ。手間なく続けられる体メンテナンス術とは?
antenna*
全国で楽しめる教科書で見た“アレ”と美術館【前編】《テーマ別ミュージアムガイドカタログ55》
Discover Japan
【千利休の生誕は500年】全国旅行支援で今秋訪れるべき「大徳寺」にある利休ゆかりの地をご紹介!
sotokoto online
【ダウンジャケット15選】高機能&おしゃれな冬の最強アウター
Jeep®