モデル・KIKIが探る、「生命のゆりかご」ボルネオが教えてくれること

2020.03.03 10:00
Sponsored by SARAYA
微生物や昆虫、哺乳類まで、数多くの生き物の「生命のゆりかご」である熱帯雨林。実は、日本から最も近いジャングルと言われるボルネオでは広大な熱帯雨林が急速に失われ、ゾウやオランウータンなどの野生生物が生息地を奪われ激減しているのを知っていますか?
今回、サラヤの広報としてボルネオ環境保全活動に携わる廣岡竜也さんと、小さい頃から自然に親しみ、山を訪れることが趣味のモデル・KIKIさんによる対談が実現。
二人の話から見えてくる、人と自然のこれからの在り方とは。
多様な生物が棲むボルネオの熱帯雨林が激減。その原因とは?
KIKI(以下、敬称略) 廣岡さんは今までに何度、ボルネオを訪れているのですか?

廣岡さん(以下、敬称略) 約15年で、20回以上ですね。

KIKI いいなぁ! ボルネオというとオランウータンのイメージですけど、オランウータンを趣味で撮影している友人がいまして、その写真を見てからボルネオに興味があるんです。

廣岡 ボルネオは1970年代には86%が熱帯雨林だったのですが、2005年には60%に減少。今も急速に減り続けています。原因はアブラヤシ農園の拡大。70年代以降、アブラヤシから採れるパーム油の需要が世界中で高まり、熱帯雨林を次々伐採して農園が作られました。農園が拡大し、オランウータンが絶滅の危機にあるのが、ボルネオの現状です。

KIKI そうなんですね。アブラヤシの農園というのは、上の方にだけ緑がある感じなんですか? 

廣岡 はい、一見すると緑の森ですが、単一種なので多様な生物層がないんです。本来、森は上から下まで高さの違う植物が存在するからさまざまな生物が棲めるんですが、アブラヤシ農園には「命の層」がないんです。

KIKI オランウータンも棲めないですよね。

廣岡 はい。農園にいるのは主に雑食性のネズミ。そのネズミを食べにヘビが、ヘビを食べるためにキングコブラが来る。このような生態系が進んでいます。
KIKI ボルネオとは原因が違うかもしれませんが、近年日本の山でもシカによる食害が起きていますね。地球温暖化で冬に死ぬシカが減るなど、さまざまな原因でシカの頭数が過剰になり、食べ物が不足して、シカが枝葉や木の皮を食べてしまうことから森林被害が進んでいるそうです。

廣岡 生態系の問題として、日本のシカやイノシシにあたるのが、ボルネオではゾウなんです。昔は森の中でもゾウに出会うことは稀でした。でも今は森が狭くなって、ゾウが人間の住むエリアに来るようになってしまいました。食べ物を求めて来ることもありますが、代々通っていたゾウの通り道がアブラヤシ農園になってしまったことも大きな原因です。

KIKI ゾウは昔から変わらない行動をしているだけなんですね。

廣岡 そう。でも、現地の人々にとって「畑を荒らす存在」になり害獣扱いに。

KIKI そうすると、ゾウは殺されてしまうんですか?

廣岡 はい。殺されたり傷つけられたりします。そんな中で、ケガをしたり孤児になるゾウも出てきて、人間との関係性が悪くなっているのは残念なことです。人間は自分たちの農作物を守るため、ゾウはいつも通りの道を歩いただけなんですけど、このようなゾウと人間の摩擦が後を絶たなくなりました。
「パーム油を使うことでボルネオの生態が守られる」 逆説的な、新たな仕組みとは?
廣岡 2004年、日本のテレビ番組でもこのことが報道され、サラヤに取材依頼がきました。私たちはボルネオのアブラヤシ農園で収穫したパーム油を使ったヤシノミ洗剤を販売していましたので、「パーム油を使用している商品のメーカーとしてコメントがほしい」と。

KIKI あ…、企業にとってネガティブなイメージになりますね。

廣岡 そうなんです。でも、社長は「取材を受ける」と判断しました。当時、商品の原料がボルネオの環境問題に関わっていることを知らなかったんです。なぜなら、ヤシノミ洗剤の洗浄成分は、洗剤原料として加工されたものを商社から買っているから。社長は、「この事実を表明するべき。マスコミや消費者から逃げず、知らないことは知らないと言い、今後調査をしてきちんと対応しますと伝えよう」と。

KIKI そこからどうしたのでしょうか?

廣岡 正しい情報を発信しようと考えました。「ボルネオの環境問題は本当にヤシノミ洗剤のせいなのか? 自分たちの目で真実を見よう」と、社長と現地へ。

KIKI すごい!
廣岡 行ったら熱帯雨林の伐採は想像以上でとてもショックを受けましたが、新たにわかったこともありました。パーム油は、世界中で利用され、全体の85%はチョコレートやインスタントラーメンなど、さまざまな食品に含まれているのです。残り15%が化粧品や洗剤、ペンキやプラスチック加工などの工業用。このうち、石鹸・洗剤は数%。しかもその90%は大手企業が使用しているので、ヤシノミ洗剤の使用量は全体からすると、ごくごくわずかだということでした。

でも、量の多少ではなく、洗剤を製造・販売し続けるためには、当然このままではいけません。「パーム油の使用をやめる」という選択をすれば問題の矢面から逃げることはできる。けれど、代替した植物原料が新たな環境問題を起こさないとも限らない。そしてパームに関わる現地の人々の暮らしがある。もちろん我々全員が生活するうえで食べている物や化粧品などに含まれているわけですから、企業として逃げても問題は解決しない。なので、逃げるという選択肢はありませんでした。
「正解」はわからないこともあるけれど、「正しくないこと」はわかる
廣岡 最初は傷ついたゾウの救出と治療をしていたんですが、根本的な解決が必要と考え、2006年に野生生物局や専門家と協力して、熱帯雨林だった土地を買い戻し、野生生物などが行き来できる生息域「緑の回廊」を回復させる計画を立てました。ただ、試算してみると、土地の買い戻しには当時で約200億円という莫大な資金が必要でした。そこで企業や消費者の力を合わせる組織が必要と考え、中立の環境団体である「ボルネオ保全トラスト」を設立。ヤシノミ洗剤などの商品の売り上げ(※)の1%を寄付することにしたんです。幸運なことに、ちょうどその頃から、消費者のエコ意識が高まってきていました。

KIKI 環境問題への関心が高まったとき、ちょうど行動に起こせるのがサラヤの製品だったんですね。

廣岡 はい。そして、この活動を世界中に広げたいとの想いで生まれたのが「ハッピーエレファント」です。この洗剤の誕生は、1頭の仔ゾウがきっかけでした。社長がボルネオを訪れた際、保護されていた仔ゾウにエサをあげたら手をペロッと撫でられて、そのあまりのかわいさに「ハートを射抜かれた」と(笑)。このとき「ゾウのためにボルネオの現状を何とかしないと!」と思い立ったそうなんです。

KIKI 素敵なお話ですね。そんなふうにゾウと触れ合えることも驚きです。スリランカに旅行したとき観光客向けのゾウが自由にしていて、触れるような感じだったんですけど「危ないのかな…」と、怖くて近寄れなかったです。

廣岡 普通は近寄ると危険です。親と離れてしまった仔ゾウは人間に育てられていて敵意がないので、人間からエサをもらうことができるんですよ。ゾウは、ボルネオの生態系の頂点に位置します。ゾウが幸せに暮らせれば、ボルネオの生態系すべてが健全になる。「ハッピーエレファント」というネーミングは、ゾウをはじめ、ボルネオの生き物すべてが幸せになってほしいという想いで名づけました。寄付金の使い道としては、たとえば200円で畳一畳分の土地の買い戻しができます。世界的にパーム油の需要が高まっているので、土地の価格はどんどん高騰していますが。

KIKI 私も、環境保全など、意義がある商品のほうが手に取りたくなります。ものを作っている方々にとってはマイナスなのかもしれないですけど、洗剤を使う量を減らすのも環境のために大事なのかな、と思います。

廣岡 それも一つですね。無駄に使わないこと。
KIKI 私はよく山に行くのですが、テント泊のときに使った食器や調理器具は、どうきれいにするのが環境にとって一番いいかを考えます。洗剤や石鹸が使えそうだったら環境に良さそうなものを少量持参して、限られた水をちょっとだけ使って洗います。それから、食事も油っぽいものを作らなくなりました。カレーとか。簡単でおいしいけど、油や匂いが食器などに残りやすく洗剤でしっかり洗わないといけないので。「これがいい」という正解はわからないですけど、「これはやめよう」という判断はできるようになりました。

廣岡 なるほど。経験して初めてわかることはありますね。

KIKI 山に何日か滞在すると、洋服を毎日は替えられないのですが、次第に気にならなくなります。実際、都会に帰ってくると臭いこともあるのですが(笑)。この感覚は山に登り始めてから知ったこと。普段の生活では、毎日清潔でいるのが当たり前ですよね。それはもちろん大切なことですが、本当に全部が必要なのかな、今の日常生活はいろいろなものが過剰なのではないかな、とも思います。山から帰ってくると、食器を洗うときに「あ、水を出し過ぎていたな」と気づくのですが、しばらく経つとまたたくさん使ってしまったりもしますし。

廣岡 たとえば、油汚れは古新聞やキッチンペーパーなどであらかじめ油汚れを拭き取ると、洗剤の量も排水量も減らせますよね。

KIKI まさに、山ではそうしています。薄いトイレットペーパーを折り返しながら何度も食器を拭いて水洗いせずに持って帰ることも。

廣岡 良いことですね。洗剤の使用量は、本来汚れ具合いに応じて変えるものですからね。

KIKI 家でも、ドロッとした濃い感じをうけたときは水で薄めて使うことも。1プッシュでそのまま使えるように、ボトルに少量の洗剤を入れて水で薄めてすぐに使い切るといった具合い。ちょっと手間がかかるのですが。
廣岡 サラヤでは、洗い桶に台所用洗剤を適量入れて水で薄める「ため洗い」をおすすめしています。売り上げのためには、本当はたくさん洗剤を使っていただいたほうがいいんですけど(笑)。

KIKI 人って、与えられたものをそのまま使いがちですよね。そして都会で暮らしていると特に、いかに便利か、いかに快適かと追求することが多い。でも山に行くと、不便って悪いことではないんだなと思うんですよ。山では快適さを求めると荷物が重くなってかえって疲れてしまう。だから、自分がどれくらいものを減らして心地良く過ごせるかの折り合いをつけていきます。この工程も実は楽しくて。都会に戻ってもこの感覚が活きているので必要かどうかが見える。それぞれの生活の中でふと我に返って、必要なものに気づくことって大切だなと思います。

廣岡 我々も気づきがあったからこそ、ボルネオの環境保全活動が始まりました。

KIKI パーム油がゾウを殺す原因にもなっているって、すごく重大なこと。でも何かきっかけがないとそれに気づくことはできないから、私ももっと意識的にならなきゃと思います。知らないと、環境に悪いことを無意識にやってしまうこともありますし。それと、消費者としては自分の行動なんてちっぽけだと思いがち。だけど、畳一畳分の土地が200円で買い戻せる。小さいことでも少しずつでも着実に変わるんですね。

廣岡 生物学者の話によると、地球上のすべての生き物はザルのように網目状にネットワークされていて、網目が交わる交差点が1つの生き物なんだそうです。1つの種が絶滅すると網目が切れてしまうので、絶滅する種が増え続けると、あるタイミングで突然ザル全体が崩れ、動物も人間も生きることはできなくなってしまう、と。ボルネオ環境保全活動は、ゾウがきっかけではありますが、今後人間が生き残っていくためにも必要。もっとたくさんの人の協力や賛同を得られるように取り組んでいきたいと思っています。
肌にも環境にも優しい未来の洗剤・ハッピーエレファントを使おう
次世代の自然派ブランドとして2012年に誕生した「ハッピーエレファント」。商品の売り上げの1%(※)がボルネオ保全トラストを通じて、ボルネオの環境保全に使われます。また、全商品でRSPO認証(環境や人権に配慮して生産したパーム油の認証制度)を取得。ハッピーエレファントのパッケージには、ゾウをはじめ、オランウータンやウミガメ、ラフレシアなど、ボルネオに生きる多種多様な生き物たちが楽しく暮らしている様子がシンボル化されています。

「天然酵母が発酵によりうみだす天然洗浄成分のソホロを配合しています。ソホロは生分解性に優れ、排水後はすばやく地球に還る、肌にも環境にもやさしい“未来の洗浄剤”なんです」(廣岡さん)
1食品成分100%で肌にやさしく、洗浄力も抜群。洗たくパウダー1.2kg/オープン価格 21本でいつもの洗濯にもウール素材の洗濯にも使える。液体洗たく用洗剤コンパクト600ml/オープン価格 3敏感肌に優しい仕上がりに。天然精油100%の無残香タイプ。柔軟仕上げ剤600ml/オープン価格 4油汚れもガラスの曇りもスッキリ。無香料。食器洗い機用ジェル420ml/オープン価格 5・6高い洗浄力と素早い泡切れ。天然精油100%のナチュラルな香り。野菜・食器用洗剤グレープフルーツ300ml、野菜・食器用洗剤オレンジ&ライム300ml/ともに400円(税抜) 7泡の力で浴槽の湯垢もスッキリ落とす。バスクリーナー400ml/500円(税抜) 8トイレの内側も外側もこれ1本でOK。トイレクリーナー400ml/500円(税抜)
持続可能な製品でボルネオの環境保全に関わっていく決断をしたサラヤと、無理せず楽しみながら続けられる方法で環境に優しい生活をしたいというKIKIさん。
「人が心地良く暮らすこと」と「環境を守ること」をどちらも適えるために、さまざまな問題に気づき、諦めないで行動し続ける。そんな大切なことが学べる貴重な対談となりました。
洗剤ひとつで世界は変わる。自分たちが暮らす地球のために、小さなことからアクションしてみませんか?
※メーカー出荷額

撮影/清永洋 スタイリング/轟木節子 ヘアメイク/草場妙子 モデル/KIKI 文/川端美穂(きいろ舎)

※掲載商品はすべて税抜き価格です

ギャザーブラウス¥22,000/アデュー トリステス ロワズィール(アデュー トリステス ロワズィール代官山アドレス・ディセ店) キュロットパンツ¥36,000/スズキ タカユキ ミュールサンダル¥19,000/キリムアーツ(フラッパーズ) イヤリング/スタイリスト私物
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アデュー トリステス ロワズィール代官山アドレス・ディセ店 03-3770-2605
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