きちんと家に帰るのも仕事!アクトインディが目指す幸せな働き方。

2019.10.09 00:00
J-WAVE(81.3FM)の人気モーニングワイド「J-WAVE TOKYO MORNING RADIO」内で、様々な企業が取り組んでいる「働き方」から、これからの変化や未来を考える「RECRUIT THE WORK SHIFT」。1日のスタートに「新しい働き方」のヒントをシェアしています。

9月16日~9月19日の放送では、「アクトインディ株式会社」が取り組む「働き方改革」をご紹介しました。

親子でお出かけする場所・イベントなどを探せる子育て情報サイト「いこーよ」(2008年スタート)を運営する「アクトインディ株式会社」。現在、社員数はおよそ70名、パートがおよそ30名で、男女比はほぼ半々となっています。制作・編集・ユーザーサポートなどすべての機能を自社内に持ち、そのメディア運営の一環として、「6歳になったら机を作ろう!」といった親子向けのイベントも開催しています。

さまざまな働き方改革に取り組んでいますが、大きな核となっているのが「フレックスタイム制」。
「自立して自分でしっかりやるべきことをやっていれば問題ないよね・・・という考えが根本にある」と、代表取締役の下元敬道さんは語ります。勤務時間はフルフレックスでコアタイムなし。子育て中の方なら、例えば、朝5時から1時間仕事して6時から子供のお弁当作ったり送ったりして10時から出社・・・という風に自分でスケジュールできます。特に「育休」を取らなくても、普通に子育てしながら仕事できるので、子育てや親のケアをしながら仕事を続けている方もいるとのこと。どこでいつ仕事をしていても責任を果たしていれば良い、という考え方です。

ちなみに、首都圏を台風15号が襲った9月9日には、パートを含めた従業員のおよそ4割の方が、自主的にリモート勤務に切り替えて業務を行ったそうです。こうした制度の背景には、『子供と毎日夕食を一緒に食べられる働き方を目指す』という考え方があります。
「子供と一緒に夕食を食べる時間は子供が健全に育つために大事で、親にとっても価値ある貴重な時間。が、日本で働いていると、それがなくて当たり前という状況になってしまう。それはすごくもったいない!」と語る下元さん自身も、朝出る時にはお子さんに「きょうはご飯一緒?」と訊かれるとか。「楽しみにしてくれているのが嬉しいです!」親子の時間、大切ですね!
2日目は、さまざまなユニークな手当てについてうかがいました。
「家族や世話になっている方々との時間、そして感謝の気持ちを大事にする」ことを会社の文化として大切にしたい・・・という考え方のもと、「父の日」「母の日」「敬老の日」には、2000円の手当が出るほか、「墓参り手当」「カフェ手当」「書籍手当」などが支給されます。
特に報告を義務づけているわけではないのですが、丁寧にメールで報告をくれる社員もいるそうで、この社員の報告に対して「ありがたいと思う」と語る下元さん。会社内の良い雰囲気が伝わってきますね・・・。

では、「フレックスタイム制」をはじめとするこのような改革、どんなきっかけで始めたのでしょうか?「決まった時間会社にいて机に座っていることが仕事ではない。仕事とは、どれだけ価値を生み出したか? そのためにはさまざまな縛りは必要ない」と下元さん。以前、遠くから通っていたあるエンジニアさんから「通勤がたいへん」と訴えがあり、ならば、出社しないで自宅でやってください・・・と逆にお願いしたことが直接のきっかけだったとか。「効率を上げるには、無駄な時間やストレスをなくすためにどこで仕事やっていてもいいよね・・・」と、さまざまな改革がスタートしました。
3日目は、実際に、従業員の方が具体的にどのような働き方をしているのか?をうかがいました。
中途入社して丸2年。中学1年と小学校2年生のお子さんを持ち、「事業推進」を担当する鎭目美代子さんは、早く帰る日が週2回・遅くなってもOKな日が週3回、と決めているとか。が、早朝に自宅で仕事をして子供を送りだし、会社に来て午後4時ごろまで仕事して、帰ってまた仕事する、という人も多いそうです。
また、家でリモートワークをしていて途中で保護者面談などがあるときは、「ここから抜けます」とチャットツールで連絡、終わったらまた戻る、というやり方をしています。ほかの会社だと有休をとらなければならないところ、フレキシブルにできるのが魅力で、「ワークライフバランス的に、何の支障もなく、生活も仕事もできている」と語ります。

そして、いろいろな手当ての中で、鎭目さんが特に気に入っているのが「リスペクト制度」だそうです。これは、ひとりが100ポイントを持ち、リスペクトしている人に対してポイントをあげる・・・それを集計して半年ごとに「リスペクト手当」として振り込まれる、というもの。「この制度がすごく良い! こちらから伝えることもできるし、人の役に立ったことも実感できる。コメントも送り合う。それが宝物。くじけそうになると、届いたコメントを見て、がんばろう!と思う」と熱く語っていただきました。
最終日、まずは、中途入社しておよそ1年半、「子育て支援事業部・マーケティングデザインチーム」の相良哲平さんにうかがいました。
「フルフレックスによって自由な働き方ができているのがありがたい。以前の会社は時間に縛られた勤怠管理だったが、現在は、家族とのコミュニケーションが取り易く良い関係になった。幼稚園と小学生の子供がいる。臨機応変にフレキシブルに行動できるのが良い」とのことで、相良さんは現在の働き方に大満足のようです。

最後にふたたび、代表取締役の下元敬道さんに、今後の課題についてうかがいました。
「社員が100人を超え、ルールが増えてきた。コミュニケーションを図るためのグループランチを月1回やっているが、申請が複雑で、かえって手間がかかってコストがかかっているのでは?(笑)」と、実にユニークなお答え。
手間とコストがかかっているのかもしれませんが、入社したばかりの方との「歓迎ランチ」、月イチの部署を飛び越した「グループランチ」によって、社内の結束はかたまり、離職率も減っているとのこと。コミュニケーションはとてもうまく取れているようです。

今週のお話から導き出す「WORK SHIFTのヒント」は・・・『子供と毎日夕食を一緒に食べられる働き方を!』そのためにはどう働くべきなのか? 家族を第一に考えるという発想が大切ですね。