Icon loading md
8841846 full 48054eed 8a31 496a 85dd e945cd2f6f59
これぞ“粋”だね!NBAドラフトのスーツコレクション─ここ数年は「裏勝り」がブーム | 一生に一度の晴れ舞台を彩るオーダースーツ
COURRiER Japon
2019.06.26 07:30
まるで江戸時代のようなこだわりが…
ワシントン・ウィザーズから指名された八村塁を含め、これからのリーグを背負って立つ逸材候補にとって、NBAドラフトは一生に一度の晴れ舞台だ。選手たちは各々ドラフトのために仕立てたオーダーメードのスーツに身を包み、指名される瞬間を今か今かと待ち続けるわけだが、長身で引き締まった肉体を持つバスケットボール選手には、スーツが良く似合う。

ドラフトでのスーツには、各年代のファッションの流行が反映されている。現在のトップスター選手であるロサンゼルス・レイカーズのレブロン・ジェームズが指名された2003年のドラフトでは、着丈が長く、ゆったりしたスーツを着用している選手たちが多かったが、近年はタイトなシルエットのスーツを好む選手が増えた。
 full 9459ff4e 3d7d 4e46 96e9 aeb8f27a8f5d
2003年のドラフトの際のレブロン・ジェームズ(上)。ゆったりとしたシルエットの白いスーツを着用
Photo: Johnny Nunez / WireImage / GettyImages
また、ここ数年の特徴として、ジャケットの裏地に細工を施す選手も多い。

八村は、自身のルーツである日本とベナンをイメージさせるデザインの裏地のジャケットを着て運命の瞬間を待ったが、裏地を出身国の国旗柄にする選手もいれば、出身校のイメージカラー、亡くなった家族や友人の名前、周囲への感謝の気持ち、あるいは社会に発信したいメッセージを裏地にプリントしたジャケットを着て、彼らは一生に一度のドラフトをさらに特別なものにしている。
 full 12ba784e c21b 4835 a33c cda2e341f679
@WashingtonWizardsのツイッターより

たとえば、今年のドラフト全体2位でメンフィス・グリズリーズから指名されたジャ・モラント。「ロサンゼルス・タイムズ」によれば、マレー州立大学出身として初のトップ10指名を果たした彼が着ていたラベンダー色のピンストライプスーツは、Hideoki Bespokeのオーダーメードスーツで、裏地にはモラントの大学時代や家族の写真がプリントされていた。
 full 482923ee 5faf 4e70 b905 cf9b770d8f5e
メンフィス・グリズリーズから指名されたジャ・モラント
Photo: Mike Lawrie / Getty Images
そして、ニューヨーク・ニックスから全体3位で指名されたRJ・バレットが着たピンクのスーツの裏地は、母国カナダの国旗柄だった。
 full ac625a69 3d93 428d b05b 1ad19dbf791d
RJ・バレットのこのピンクスーツの裏地はカナダの国旗
Photo: Sarah Stier / Getty Images
 full 4fd400cf 5d2f 422c 9418 3d3b094fe362
@SportsCenterのツイッターより
八村のスーツも担当し、1000人を超えるアスリート用のカスタムスーツを仕立てたALBAのデザイナー、ジョアンナ・アルバは、2017年に「Undefeated」にこんなことを語っていた。

「大学からプロに転校する選手たちにとってドラフトで大事なことは、自分の歴史を振り返ることです。若い彼らは、特別なスーツでそれを表現しようとしています。裏地には、彼らのストーリーが反映されているのです。彼らの座右の銘や、飼っている犬の名前でも、選手が好きなように出来ます」

裏地に凝るのは、江戸時代から続く日本文化に通ずるものだ。士農工商という厳格な階級制度があった江戸時代には、人々の服装を制限する法令、奢侈禁止令(しゃしきんしれい)がたびたび出されていた。表向きには派手な着物を着ることが出来なかったのだが、裏地や着物の下に着る長襦袢の背中に豪華な絵柄や、遊び心ある絵柄を細工する「裏勝り」という手法が流行したのも、この時代だった。

見えない部分のお洒落を粋と感じるのは、なにも日本人だけではない。これからもNBAドラフトでは、裏地で遊ぶスーツを目にする機会が増えそうだ。

あわせて読みたい