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テクノロジーは人を超える?トップランナーたちが予想する近未来
LEXUS
2019.02.26 20:00
 今や生活のあらゆるところで(見えないところも含めて)、私たちはテクノロジーに支えられており、その不断の進化によって毎日がどんどん便利になっていることを実感する。では、そんなテクノロジーと人の関係は、この先どうなるのか? 日々の生活や体験に何をもたらしてくれるのか? 考えるとワクワクするような、でもちょっとコワいような…。

 先日(2月24日)、未来を創造するテクノロジーカルチャーの祭典「MEDIA AMBITION TOKYO 2019」(以下MAT。3月3日まで開催)の中で展開されたトークイベントでは、その希望にあふれる未来像を感じ取ることができた。トークテーマはずばり、「人とテクノロジーの関係」。

 ライフスタイルブランドとして、アート&テクノロジーで未来の暮らしをデザインすることに挑んでいるLEXUSはMATに参加。最先端の光学テクノロジーを使ったLC500hの特別仕様車(「Structural Blue」)の展示などとともに、今回のトークセッションやワークショップを主催した。
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 トークを繰り広げたのは、齋藤精一氏(ライゾマティクス代表取締役)、須賀厚一氏(Lexus International レクサスデザイン部 部長)、杉山知之氏(デジタルハリウッド大学学長)、谷川じゅんじ氏(空間クリエイティブカンパニー・JTQ代表)という、テクノロジーの「過去→現在→未来」のど真ん中に立ち続けている4人。彼らが思い描く、テクノロジーと人のこれからの在り方とは?

4人からは様々なメッセージが投げかけられた(一部を抜粋)。

「テクノロジーは道具であって、得意なのはシンプル化すること。大きなものをコンパクトにしたり、複数のものをひとつにしたり…。その道具が組み合わさって『体験』ができている。そして世の中には、0を1にする『アイデア』はあふれていても、1を10にする『エンジニアリング』が足りていないように感じます。日本には優秀な技術があるのだから、もっと有効にアイデアとつなげることが必要」(齋藤氏)

「自動車づくりにおいては、テクノロジーのレベルは高くなければいけないが、単に『完璧』なだけでは魅力が出ない。だから最先端を追うだけでなく、日本の工芸のようなセンス、ニュアンスは大事にしたいと常に思っています。LEXUSも、技術ではなく『人』を中心に置く『Human Centered』という考え方のもと、テクノロジーやくつろぎをデザインしています」(須賀氏)

「現代は様々な高度なテクノロジーの上に成り立っているが、それらは生活の中に馴染み、空気のような存在になっています。それゆえ、あえてテクノロジーの存在を強く伝える必要がないのかも知れません。今やテクノロジーによって、自分の好きなものをとことん追求できる世の中になっていて、でも一方で、自分の外の大きな動きを知ることが減ってしまっている気も…。テクノロジーとヒューマンが結合したようなものが必要な時代になってきているのかも知れません」(杉山氏)

「確かにテクノロジーを意識しなくてもいい時代になっています。そして、人の多様性はどんどん広がっていますが、テクノロジーがそれをカバーできるようになる時代になっていくのだと思います。その中では、いろいろなことにおける『センス』が、『間』や『ニュアンス』をつくっていくのではないでしょうか。センスのある技術=ハイ・センス・テクノロジーが求められています」(谷川氏)

そして終盤、テクノロジーから出発したトークは「人間らしさ」「体験」の重要性へとたどり着く。

「VRをつくったとしても、本物の体験を知らなければその価値は分からない。子どもたちや若い人たちには、技術を学ぶのもいいけれども、まずはいっぱい遊び回って、人らしい経験をして欲しいですね」(杉山氏)

「テクノロジーによる数学的な『最適化』は達成されてきましが、これからは国語的なフィジカリティ(肉体的衝動)が再び求められているように思います。技術により場所・時間の余裕ができてきたことにより、次は自然と触れあう時間や人間らしくある時間が大事になってきたわけです。そういったこともすべて含めてデザインしていくことが必要なんでしょうね」(齋藤氏)

テクノロジーの進歩は止まらないし、これからも不可欠である。でもやはり「人としての体験」「人らしく生きること」が常にスタートにあり、そしてゴールでなければならない…ということ実感することができた。まさにそれが、「Human Centered」なテクノロジー進化、なのであろう。
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最後に、これからのテクノロジーが我々にどんな「体験」をもたらすのか? 齋藤氏と須賀氏にたずねてみた。

「自動車では、運転サポート技術など新しいテクノロジーが開発されていますが、可能性はまだまだ広がるでしょうね。ドライブの際に、楽しい行きと疲れた帰り道、それぞれの気分に合わせたサポートをする技術…なんていうのも実現する日が来るかもしれません(笑)。できることの『幅』も変わり続けていますから」(須賀氏)

「テクノロジーによってできることのバリエーションが増え、『便利』の時代から、それを『楽しむ』時代になってきています。その上では、楽しみを分かち合うコミュニティ作りも大事になります。また、メールやSNSも便利ですが、実際に会って話すことの大切さもあらためて見直されるように思います。やっぱり会うと伝わりますからね」(齋藤氏)

繰り返しになるが、やはりテクノロジーは「中心に人ありき」。温かさと楽しさにあふれるテクノロジーのこれからに期待が膨らんだ120分だった。