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世界遺産建築で観る!「ル・コルビュジエ 絵画から建築へ―ピュリスムの時代」
SPUR.JP
2019.02.21 19:00
20世紀を代表する建築家のひとり、ル・コルビュジエが故郷スイスを離れ、パリを舞台にピュリスム(純粋主義)の運動を推進した約10年間の活動を振り返る展覧会「ル・コルビュジエ 絵画から建築へ―ピュリスムの時代」が、彼が本館の設計を手掛けた国立西洋美術館本館で開催中だ。
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シャルル=エドゥアール・ジャンヌレ(ル・コルビュジエ)《多数のオブジェのある静物》1923年  油彩、カンヴァス 114×146cm パリ、ル・コルビュジエ財団 ©FLC/ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2018 B0365
2016年に「近代建築の5原則」や「モデュロール」などの独自の理論から生まれた「ラ・ロシュ=ジャンヌレ邸」「サヴォワ邸」「ラ・トゥーレットの修道院」「国立西洋美術館」など7か国17資産が、「ル・コルビュジエの建築作品—近代建築運動への顕著な貢献」としてユネスコ世界文化遺産に登録されたル・コルビュジエ。「近代建築の三大巨匠」のひとりとされる彼は、1887年にスイスのラ・ショー=ド=フォンで、シャルル=エドゥアール・ジャンヌレとして誕生。地元の美術学校で学んだ後、ウィーン、パリ、ベルリンなどを回り、1917年から芸術の都パリを拠点とした。

そのジャンヌレ(ル・コルビュジエ)が第一次大戦直後の1918年末から、1歳上のフランス人画家、アメデ・オザンファンと共同で開いた絵画展によってスタートさせたのが、機械文明の進歩に対応した「構築と総合」を唱えるピュリスムの運動。彼らは展覧会に合わせて冊子『キュビスム以後』を発行、芸術にも普遍的な規則がなくてはならないと主張し、比例と幾何学によって明快な構成を作り上げるピュリスム絵画を2人で追求した。
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ル・コルビュジエ「エスプリ・ヌーヴォー館」1925年 Musée des Arts Décoratifs, Paris ©MAD, Paris1920年には雑誌『エスプリ・ヌーヴォー(新精神)』も創刊、ジャンヌレはここで「ル・コルビュジエ」のペンネームで建築論の連載を行う。1922年には従弟のピエール・ジャンヌレと共同事務所を設立。建築家としても活動を本格化させている。1925年にはオザンファンと袂を分かつこととなり、ピュリスムは終焉を迎えるが、この7年の思考と芸術的実践の日々が、後のル・コルビュジエの建築理論の礎となったことは間違いない。

本展ではピュリスムの画家としてのジャンヌレとオザンファンの作品を紹介しつつ、大戦後のパリの美術界において第二の隆盛期を迎えていたキュビスムを代表するパブロ・ピカソ、ジョルジュ・ブラック、フェルナン・レジェ、フアン・グリスの絵画と、ジャック・リプシッツ、アンリ・ローランスの彫刻を展示。特に後にル・コルビュジエ建築の壁画を多く手がけるようになったレジェの作品は、映像作品『バレエ・メカニック』も含めて必見だ。
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パリ、ジャコブ通りの自宅におけるル・コルビュジエと《多数のオブジェのある静物》(部分)
1923年  パリ、ル・コルビュジエ財団 ©FLC/ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2018 B0365
さらに、ピュリスム以降大きく発展したル・コルビュジエによる絵画、建築、都市計画など、総合芸術家としての多彩な活動も紹介。銀行家で美術コレクターでもあったラウル・ラ・ロシュのギャラリー兼住居と、実兄アルベール・ジャンヌレの住居が入った「ラ・ロシュ=ジャンヌレ邸」や、パリ国際装飾芸術博覧会のパヴィリオン「エスプリ・ヌーヴォー館」など、建築と絵画・彫刻による総合的な芸術空間として設計された建築作品の写真や模型が並ぶ。また、ピエール・ジャンヌレと1928年に事務所に参画したシャルロット・ペリアンとの共同で手がけたオリジナル家具の展示もあって飽きさせない。

ル・コルビュジエ自身が手がけた空間で、彼自身の作品と、同時代の絵画や彫刻を見ることができる、またとない機会。なお、本展開催中は新館で開催されている常設展のコーナーにもピカソやブラックらキュビスムの画家たちによる作品があるので、こちらもお見逃しなく。

国立西洋美術館開館60周年記念 ル・コルビュジエ 絵画から建築へ―ピュリスムの時代
会期:2019年2月19日(火)~5月19日(日)
会場:国立西洋美術館(東京都台東区上野公園7-7)
時間:9:30~17:30/毎週金・土曜:9:30~20:00(入館は閉館の30分前まで)
休館日:月曜(ただし3月25日、4月29日、5月6日は開館)、5月7日(火)
入場料:一般¥1,600、大学生¥1,200、高校生¥800
問い合わせ:03-5777-8600(ハローダイヤル)
http://www.lecorbusier2019.jp


text : Shiyo Yamashita

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