毎年、冬になると猛威をふるうインフルエンザ。
家事に仕事に多忙な年末年始や
受験シーズンを迎え、休めないこの時期、
できる限りかかりたくないですよね。
そこで今日は、テレビなどでも活躍中の
石原 新菜先生が
あなたに合った
インフルエンザ対処法をアドバイスします。
医師。イシハラクリニック副院長。「温め健康法」の第一人者である内科医の父・石原 結實氏とともに、漢方医学を中心にさまざまな病気の治療にあたっている。『1週間で体が変わる「温め美人生活」』(三笠書房)など著書多数。
毎年、新型のウイルスが登場するため、今まで大丈夫だったからといって今年もインフルエンザにかからないとは限りません。まずは、今の自分の状態をしっかり把握しましょう。
インフルエンザは普通の風邪よりもウイルスの増殖力や感染力が強く、一度かかってしまうと重症化する恐れがあります。インフルエンザは38℃を超える高熱が出るのが特徴ですが、最近では高熱を伴わない場合があることもわかってきました。インフルエンザを予防するためには、ウイルスを寄せつけない十分な対策を行って、知らず知らずのうちに重症化させたり、感染を広めたりしないように心がけましょう。
インフルエンザのワクチンは、その年に発生するウイルスの流行予測に基づいてつくられます。ワクチン接種でインフルエンザの発症を完全に防ぐことはできませんが、かかっても発熱などの症状を軽くしたり、重症化を防いだりする効果があります。
インフルエンザは12月上旬頃から発生し、1~2月に流行のピークを迎えます。インフルエンザワクチンは接種後、効果が出るまでに2週間ほどかかるため、早めに受けるようにしましょう。流行がピークになると、ワクチンが不足する可能性もあります。
インフルエンザの季節、手洗いやマスクを習慣にする人は多いものですが、外からの防御だけでは足りません。同時に口の中やのどなどに侵入してきたウイルスを増殖させないことも重要です。口の中には、ウイルスの感染を助ける細菌が潜んでいるため、日頃から口の中を清潔にして細菌を減らしておくことが大事です。入念な歯磨きだけでなく、市販の舌ブラシなどで舌の表面の汚れも除去しましょう。
また、緑茶などに含まれるカテキンには、ウイルスの増殖を抑える作用があります。出がらしで構わないので、うがいをするときは水ではなく緑茶で行うとより効果的です。
どんなにいろんな対策を講じても、体自体の防御力、すなわち免疫力が低下してしまっていては、インフルエンザウイルスに対処することはできません。では、免疫力をアップする最大の方法は何でしょうか。それは「体温を上げる」ことです。一般に、体温が1℃下がると免疫力は約30%低下するといわれています。逆に、体温が1℃上がると免疫力は一時的に5~6倍にアップするとも。もっとも健康で免疫力が高い状態の体温は、36.5から37℃くらいとされています。すなわち、免疫力が高い状態をキープしインフルエンザウイルスをやっつけるには、日頃から体を温めて平熱を上げておくことが何より大切なのです。
体が温まってリラックスすると免疫力が上がります。お風呂はシャワーで済まさず、しっかり湯船に浸かりましょう。とはいえ熱いお湯での入浴は、短時間しか入ることができないため体の表面しか温まりません。体の芯から温めるには、38~41℃くらいのお湯に20~30分ゆっくり浸かることです。
体を温める食べものの代表は、しょうが、にんじん、黒砂糖の3つ。体の内側から温めて、冷えからガードしてくれます。そのほか、ねぎ、紅茶、しその葉、そば、しょうゆ、カツオなどの赤身の魚、レバーや羊肉も体を温めるのに効果的な食品です。
体温め力ナンバーワン!辛味成分のジンゲロール、ショウガオール、ジンゲロンが血行を促進して体を温めます。
β-カロテンなどの栄養が豊富で、血行促進、体温アップに効果的。美肌づくりも期待できます。
ミネラルやアミノ酸が豊富な黒砂糖は、体を温めて免疫力を高める健康食品。おやつ代わりにも最適です。
筋肉は体の中でもっとも大きな熱の産生器官です。しかも、体を動かすと筋肉からの産熱量の割合は、筋肉質の人の場合、80%近くまで上昇するといわれています。筋肉を増やすもっとも手っ取り早い方法は、大きな筋肉のついている太ももを鍛えることです。おすすめなのはスクワット。家の中でも簡単にできるので、ぜひ習慣にしてください。
足は肩幅よりこぶし2個分ほど大きく広げ、腕を前に上げる。つま先はやや外側に向ける。腕は胸の前で組んだり、頭の上にのせてもOK。
背筋を伸ばして、ゆっくりと腰を下ろす。このときひざがつま先よりも前に出ないように注意。太ももが床と水平になったら一度止め、元に戻す。
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