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上品で滑らかな舌触りの松浦漬とかぶら骨のコリコリとした歯触り「松浦漬」
ippin
2019.01.31 19:15
昨年末から明けて今年の正月は、我が故郷九州の地で久しぶりにゆっくりと過ごすことが出来ました。
山あり海ありの自然の中で幼少時期を過ごし高校まで暮らした場所のたくさんの思い出は、今でも自分の心の中に刻まれ、染み込んでいます。時代は、変われど匂いも空気も昔と変わらず。心と同様カラダもしっかり覚えているのがわかります。
帰るたびに自分自身に向き合うことが出来る我が故郷、そんな時間が今は何より大切だと思う今日この頃です。

たくさんの思い出の中には、味の記憶も甦ってきます。
皆さんに今年最初にご紹介したい逸品が、まさに郷土の料理と言っても過言でない幼い頃から食卓にあがっていた、こちらの伝統伝承の味、「松浦漬」……。
小さい頃は、甘い酒粕の匂いに酔ってしまいそうな感がありましたが、今じゃ日本酒の肴には欠かせない、この味この美味しさ。
つい先日佐賀のお酒に合わせてみました。酒器、小皿、箸置きまですべて唐津焼、酒器までこだわるとお酒まで美味しくなります。
>> なんと言っても肴の松浦漬がさらにお酒の美味しさを引き立ててくれます。まさに、このつまみあっての、酒肴万歳!なり。
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松浦漬は、昔から製法は変わらず鯨の上あごの軟骨、かぶら骨を細く刻み水にさらし油抜きをして甘く調味した酒粕に漬け込みます。今じゃ大好きな酒粕、考えれば日本酒に合うに決まっています。
上品で滑らかな舌触りの松浦漬とかぶら骨のコリコリとした歯触りがなんとも言えず美味なり、日本珍味五種のひとつにも数えられています。

明治25年創業の松浦漬本舗、九州の北西部に位置する唐津市呼子町。
大陸に向かうこの港町は、天然の良港を持ち栄えてきました。かつて太閤秀吉が朝鮮出兵を行った時代に始まり、戦後間もない頃までこの地域の発展を支えてきた産業、それが捕鯨でした。特に江戸時代から明治初期にかけて、呼子の捕鯨は国内有数の捕鯨基地としての勇名を施せていました。日本ならではの、もりを突いてしとめる勇壮な網取り式漁法の様子は、今も絵巻物となって記録に残されています。

松浦漬は缶詰で、昨今の缶詰ブームもあってか、何か缶に対して新しさを感じてしまいます。昔は缶切りを使ってましたが、今は、昔なかった瓶詰めもあると知って喜んでいます。缶は容器に移しかえますが、瓶詰めは保存を考えると何かと重宝します。
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わたしが知ってる昭和の時代のあの缶詰のレトロ感なくなって変わってしまいましたが、新しくなった松浦漬の缶に不思議に楽しさを感じるのは何故でしょう?
酒に合うつまみで美味しいものは、必ずご飯にも合います!昔はそのままあたたかいご飯に乗せていただくのが定番でしたが、厚切りした蒲鉾の真ん中に切り込みを入れ、挟んで食べるのもオススメです。あと、クリームチーズと合わせて大皿にカナッペスタイルで出しても喜ばれます。
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これまでippinにも我が故郷の味を紹介してきましたが、わたしにとっては懐かしき故郷の味はわたしの心の味でもあります。
ご飯と合わせることが多い松浦漬、おにぎりにシソと合わせて中身にしたことがありますが、記事を書いてて表面に塗って焼おにぎりにしても美味しそうと閃きました。早速試してみようと思います。
長く受け継がれた味には食の力が宿っています。
その味を守り抜いてきた人たち、そこには想像を絶する日々の努力、情熱と熱い魂があったからこそだと思います。
わたしにとっては、わすれてはならない味のひとつの松浦漬を、皆さんに是非とも味わっていただきたいと心から願っています。
松浦漬
松浦漬本舗
フードスタイリスト マロン

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