スニーカーが好きな人なら、このビジュアルを見ただけで、ワクワクせずにはいられないだろう。これまで見たことがない細かな格子状のミッドソールが目を引くこのシューズは、アディダスの「ALPHAEDGE 4D (アルファエッジ フォーディー)」。まったく新しいミッドソールテクノロジー「ADIDAS 4D(アディダス フォーディー)」を搭載したランニングシューズだ。
アディダス「ALPHAEDGE 4D (アルファエッジ フォーディー)」2018年11月17日(土)発売予定。¥38,000+TAX
従来の一般的なミッドソールとは見た目からして明らかに異なる「ADIDAS 4D」。それはどういったテクノロジーで、どのようにつくられているのだろうか。
アディダスの公式リリースには次のような記述がある。
“「ADIDAS 4D」は、アディダスが17年にわたり蓄積したアスリートデータの分析結果を基に、Digital Light Synthesis(デジタルライト合成)テクノロジーを活用して開発され、光と酸素で作り上げられた異次元構造の革新的ミッドソールです。このデジタルライト合成により、次世代の3Dプリントともいうべき製造工程が可能になり、マイクロメーター単位でミッドソールをデジタル設計しています”
一読しただけではなんのことやらサッパリわからないが、噛み砕くと、このミッドソールのキモは「最先端の3Dプリント技術を用いてつくられている」ということになるだろうか。3Dプリントもしくは3Dプリンタと聞けば、多くの人がピンとくるだろう。3次元のデータをもとに立体物をつくり出す機器のことだ。2010年あたりから急速に普及し、主にサンプルやモックアップといった試作品の製作のために製造業を中心に利用されている。
従来のスニーカーのミッドソールは一般的にフォーム素材、すなわち金型などで素材を成型することでつくられてきた。最初に金型を設計、製造し、そこに素材を流し込み、固めて、ようやくミッドソールができあがる。しかし3Dプリントの場合、諸々のプロセスをすっ飛ばして、コンピュータでミッドソールの仕様を設計してしまえば、いきなり製造に移ることができる。しかも「ADIDAS 4D」は従来の3Dプリントを大幅に進化させたものであり、スピードも桁違い。ミッドソール1枚をプリントするのに必要な時間はわずか数十分程度。それも新しい機材の開発によりさらに短縮される見込みだという。