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毎日の食生活を『めし・汁・漬物』だけに変えて辿り着いた『いちばん幸せな食卓』。
ブリアサヴァランの食卓
2018.10.19 17:55
antenna*提供「食」を堪能する新感覚グルメ・ラジオ番組!
放送作家 小山薫堂がお届けする「antenna* ブリアサヴァランの食卓」。

今週は、ジャーナリスト・稲垣えみ子さんとともに『食べることの幸せ』について考えてみました。稲垣さんの著書「もうレシピ本はいらない 人生を救う最強の食卓」は『2018年料理レシピ本大賞料理部門エッセイ賞』を受賞されました。この本に書かれている『いちばん幸せの食卓』とは?!
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小山「初めまして。本日はよろしくお願いします!稲垣さんは朝日新聞で記者をされていましたよね?僕は初めて稲垣さんを見たのは、稲垣さんが書かれた『アフロヘアにしてから人生が変わった』という内容の記事でした。それがもう、印象的で……!そんな稲垣さんは50歳を機に、朝日新聞を退社されたそうですね?」
稲垣「退社の理由を話すと長くなってしまうので、2016年に一冊の本にまとめ出版しました。(笑)本の名前は『魂の退社』です。50歳を機に会社を辞めることは前々から決めており、それをそのタイミングで実行に移しました。」
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小山「料理界の巨匠、故ジョエルロブション氏も50歳のときに、飲食店を辞められたんですよね。辞めたけれども……ライバルの料理人の活躍が気になり、また料理界に復活し……それまで以上の功績を残したことで有名ですよね。」
稲垣「辞めたからこそ、きっとそのあとの功績に繋がったんでしょうね。その決断が大事だったんだと思います。方丈記を書いた鴨長明も同じく、50歳を機に官職辞めて隠居生活を始めたそうですね。」
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小山「そんな稲垣さんが、料理関連の書で初めてお書きになられた『もうレシピ本はいらない 人生を救う最強の食卓』が『2018年料理レシピ本大賞料理部門エッセイ賞』を受賞したそうですね。レシピ本はいらないというタイトルですが、レシピ本大賞部門エッセイ賞を受賞……なんとも面白いことになりましたね。(笑)」
稲垣「この本を書いたのは、2011年の大震災以降、私が節電生活をし始めたことがきっかけです。その後その節電生活がエスカレートしまして……冷蔵庫を使うのをやめました。冷蔵庫をやめたときに、どうやって食卓を成り立たせるかを考えました。そのとき、江戸時代の時代劇を参考に食卓を再現しました。そこに並ぶのは、基本的に『めし・汁・漬物』なんですよね。これだったら冷蔵庫がなくても、味噌汁さえ作れば全て作り置きでできる!と考えました。いざ食生活を『めし・汁・漬物』に変えたときに、美味しい!と心から食事を楽しめるようになりました。」
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小山「その食生活、『たまに』だからこそ美味しいと思えるのでは?」
稲垣「必ずそう思われるのですが……実は全く逆で『めし・汁・漬物』は毎日食べても飽きないのだと気が付きました。これが豪華なものを毎日食べ続けると、飽きがきてしまうと思うんですよね。食生活を変えた途端に、仕事が終わって走って帰って、早くそれが食べたい!と強く思うようになりました(笑)」
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小山「ちなみにお味噌汁は、毎日具材が変わるのですか?」
稲垣「買って帰るものが違うので、毎日必然的に中身は変わってきます。」
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小山「毎日の食生活=自身の背骨が変わった生活をし続けると……他にどんな気付きがありましたか?」
稲垣「まず会社辞めたこととも関係するのですが、『生きていく』ことに再発見が沢山ありました。食費も時間もかからず、今日ご飯何にしよう?と考える時間がなくなりました。そうすると、莫大な時間が生まれました。これまでは食べることに情熱を注いできたのですが、反面思考もそこに対してお金もエネルギーも注いでいたんだな、と気が付きました。人生の残り時間が莫大に残っているワケではないので……新たな時間が生まれたことに嬉しさを感じています。」
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小山「今日は稲垣さんの著書『もうレシピ本はいらない 人生を救う最強の食卓』を参考に、稲垣さんが考える幸せな昼食をスタッフが再現してみました。メニューは、玄米ご飯、えのきとわかめの味噌汁、茄子ときゅうりのぬか漬け、大根おろしです。」
稲垣「これは素晴らしいですね。小山さん普段こういったものを食べる機会はありますか?」
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小山「僕は、もしこれが食卓に並んだら……えっ?これだけ?とおかずが少ないと思ってしまうと思います(笑)」
稲垣「小山さん、見てください、おかずは『味噌汁、ぬか漬け、大根おろし』。三種類もありますよ!(笑)だいぶ盛りだくさんの食事です。幸せな食卓です。」
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小山「師匠・稲垣さんの食べ方として……まずどれから食べるといいですか?」
稲垣「まずは、玄米ご飯を食べて咀嚼をする……今日のお米は少し固めですね。よく噛んでいると、少しずつ甘みが感じられて、味に変化が訪れます。この甘みを味わったあとに、お味噌汁にいきます。そのあと、ぬか漬け、大根おろしを食べてみてください。」
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稲垣「この大根おろし、ちょっと変わっていて……干し大根を使った大根おろしなんです。」
小山「ちょっと粗めにおろしていると思ったのですが……絞ってあるから水分が飛んで、旨味が凝縮されているということですね。これは大根をどのくらい干すと、このようになるのですか?」
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稲垣「1日干すだけでも、しっかり水分が飛びます。大根をカットして干すと、さらに上手な干し大根が完成します。」
小山「大根の辛味がしっかり出ていて、美味しいですね。いい蕎麦屋にいったときに食べる、大根おろしの味ですね。1日干しただけでここまで味が出るのは素晴らしいですね。」
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稲垣「ここにお酢を入れます。」
小山「あっ、お酢いいですね〜。僕昨日お酢のミュージアムに行ったばっかりなのでお酢にはうるさいですよ(笑)お酢の大手メーカー、ミツカン創業者はもともと酒屋さんだったそうです。酒で作ると書いて、お酢と書きますからね。酒粕を作っていたときに『これからの時代、お酒はどこの会社も手をつけるから』ということでお酢を作り始めたみたいです。そのとき江戸ではお寿司が流行し出しました。江戸に行った際に、華屋与兵衛という鮨職人に出会い、彼にお酢を卸したことをきっかけに、お酢が江戸前鮨とともに広まっていったそうです。」
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小山「ん!お酢かけたら……すごくさらに美味しくなりますね!玄米ご飯のポテンシャルを軸に考えると、他のおかずが引き立って見えますね。」
稲垣「そうなんです、美味しいものはキリがなくて、もっとさらに濃いものや旨味を求めてしまいがちですが……どうしてもその魅力が強烈なので、ご馳走自体のハードルが上がりさらに上を欲してしまいますよね。ずっとわたしもそうだったので、こういった素朴な美味しさに目を向けられていませんでした。この奥へ奥へ、下に潜り込んでいく果てしない無限の世界に気付いていませんでした。」
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小山「それこそが、稲垣さんが求めたどり着いた幸せの極致ということですね。」
稲垣「キリが無い世界から切り離されたときの安心を手に入れた気がしています。」
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小山「それを踏まえて最近出版された稲垣さんの著書『レシピがいらない! アフロえみ子の四季の食卓』。これはレシピ本ではないですか?」
稲垣「レシピ本はもう出さないと言ってしまいましたので、レシピ本ではないんです!(笑)炒める焼くなどの調理法を記載してます!」
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小山「最後稲垣さんに確認しておきたいのが、例え一汁一菜のシンプルな食事だからということで料理をしないことを勧めているワケではないんですよね?」
稲垣「はい、そうです。この本を書いた理由のひとつが……いま家庭の主婦が大変になっていると思うんですよね。そしてもう手軽に買って済ませてしまおう、と思う方が増えてきています。それは料理の概念自体が、大変になり過ぎてきているから、その風潮が生まれてくるのだと感じています。料理はやっぱり自分のためにした方がいいと思っています。自分の土台となる食を作り、美味しさを実感することで、あらゆる自由を手に入れられると感じています。」
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✏︎人生100年時代と言われる今日この頃。料理をするということは、健康寿命にも大きく関係してきます。IOG 東京大学高齢社会総合研究機構・特任講師の村山洋史さんにお話を伺いました。

村山「料理をしないと、食生活が乱れるという結果が出ています。日本の研究では、婚姻状況と将来の死亡率を調べています。その結果から話すと、女性は既婚者・離婚者・死別者で死亡率にあまり変わりはありませんでした。それに対し、男性は既婚者に比べて、離別者と死別者は死亡率が高い結果が出ました。男性は、奥さまと別れてしまうと健康状態が悪化し死亡率が上がるということです。その原因として生活規則が考えられます。いまの年代の中高年は、自分で料理を作れるひとが少なく、奥さまと別れてしまうと簡易的な食事になりがちです。その結果、健康状態が悪化します。そして料理は一度にあらゆる工程を踏まえて調理をします。これを注意分割機能といい、料理をしないことで認知機能が低下してしまいます。認知症を防ぐためにも、料理は大切なのです。」
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小山「稲垣さんが食べた、最近一番に美味しかった外食はなんですか?」
稲垣「近所の居酒屋で食べたマカロニサラダですね。ひさしぶりに食べたマヨネーズに感動しましたよ(笑)」
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【番組概要】
・番組名: antenna* ブリアサヴァランの食卓
・放送日時: 毎週金曜17:30〜17:55放送
・放送局: TOKYO FM
・出演者: 小山薫堂

番組を聴き逃した、もう一度聴きたいという方は『radiko.jp』で聴くことができます。
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