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副業のせいでヘトヘトに? 自分が無理をしているかを知る方法
Forbes JAPAN
2018.10.10 12:30
大きな成功につながりそうな新たなアイデアが次から次へと頭の中に湧いてくるなら、ぜひ実現に向けて挑戦すべきだ。ただ同時に、手を引くべきタイミングをきちんと知る必要もある。

私はこの2年の間、自分が手掛けるポッドキャスト配信にとても楽しく取り組んできたが、それを止めざるを得なかった。続ける意義がなくなったのだ。

ブログやポッドキャストは自分の好奇心を満たし、第二のオプラ・ウィンフリーになりたいというはかない夢も見させてくれると同時に、私の副業であり、パーソナルブランドを構築する方法でもあった。収入は本業と比べれば取るに足らない金額だったが、それでも家計の足しにはなり、さらにそれを埋め合わせるだけの満足感は得られていた。

また、人脈作りのためのイベント参加が嫌いな内向的人間である自分にとってデジタルコンテンツの製作はとても価値の高いネットワーキングツールとなり、家を出ることなく、見込み客や刺激的な人たちとの”出会い”を実現してくれた。

私がポッドキャストを止めざるを得なかった理由は、コストが利益を上回り始めたことにある。本業も忙しくなった。生活費のほとんどを稼いでいるのが本業であることを考えると、喜ばしいことだ。本業のクライアントにかける時間が増加することで、副業の優先度は常に最後となった。

毎週のポッドキャストのために準備や録音をする時間を捻出するためには、本業のクライアントに割く時間や自分の子どもたちと過ごす時間を削る必要があった。私は現実を直視しなければならなかった。自分のポッドキャストを次のレベル(有料スポンサーを募れるまでリスナーの数を増やすこと)へと上げるには壁が高過ぎた。

私は自分を理解しているし、自分の限界も心得ている。ポッドキャストを続けるために睡眠時間を削ったり、新たに人を雇ったりすれば、自分の設定した一線を越えてしまう。プロのポッドキャスターには絶対になれないし、捻出しなければいけない生活費はたくさんある。

以下に、自分が今している仕事全てが理に適っているのかどうかを確認する方法を紹介する。

動機と目標が明確なこと
自分の周りの誰もがインフルエンサーやアントレプレナーであるかのように思える「起業家精神ポルノ」の時代である今、9時5時の仕事を続けるのは難しい。しかし、自分だけが取り残される恐怖感に駆られてプロジェクトをスタートさせるのは良くない。副業を始める理由として悪いものはないが、自分の動機が何であるかは明確にしておくことは重要だ。以下に、動機となり得るものをいくつか挙げる。

・名声(雑誌の表紙を飾りたい!)
・イノベーション(自分の考え方はユニークであり、自分の計画していることは他の誰にも実現できない)
・金(目標とする貯金額があり、この副業はそれを実現する方法として理に適っている)
・楽しみ(自分には刺激が必要で、本業でそれは得られない)
・自分の分野で突出した存在になりたい/次のレベルに達したい(自分の成果を仲間に認められることは重要で、周囲よりも先を行きたい。突出したパーソナルブランドを築く必要があり、そのためにはこのプロジェクトを立ち上げなければいけない)

スタートする理由は何でもよい。重要なのは自分の動機と、期待する成果を明確にしておくことだ。

目標のためなら何を諦められるかを考えておくこと
私は以前、食に関するブログを読んでは「楽しく料理しながら生計を立てられるなんて、どんなに楽な生活だろう」と思っていたが、私の考えは完全に間違っていた。平均的な料理のレシピ投稿を準備するには、1週間かかることもある。22分のポッドキャストを製作するには、約8時間かかる。競合する人々の数は膨大であり、求められる水準は高い。あなたには、きちんと時間を費やし、求められる専門性を会得する心構えはあるか?

時間は捻出できるか
つまるところは「時は金なり」。情熱を込めたプロジェクトにかける時間が家計の大きな負担とはならず、現在の収入の最大化を阻むものではないと確認することが重要だ。まずはお試し期間を設けることをお勧めする。プロジェクトの試行のため、6カ月でも1年でも好きな長さの期間を設定する。その期間が終わっても副業から計測可能な成果を得られない場合、手を引くことを考えよう。

パーソナルブランドの価値は、世に出ることで増加する
自分の名前を冠した製品を世に出すことは、注目を浴びるための非常に有効な手段となり得る。もちろん、自分の成果物に初めて注目が集まった時はとてもうれしいものだ。そうした露出は、自分のキャリアにとってどの程度の価値があるのだろう? コンテンツを増やしたり、さらなる時間を費やしたりすることで、自分が既に持つデジタルフットプリントや名声に価値は加わるだろうか?

夢を追いかけなければ後悔する
説明はいらないだろう。行動あるのみだ。

スティーブ・ジョブズが残した名言に、「イノベーションとは、1000のものに”ノー”と言うことだ」というものがある。彼が言わんとしていたこととは違う意味かもしれないが、私はこの言葉に賛同する。

スティーブ・ジョブズのような億万長者の天才が”ノー”というのは簡単だが、私たちが同じことをするのは難しい。それは、私たちが文化的メッセージとして、成功は”イエス”と言うことであると教え込まれているからだ。”副業”と”パーソナルブランド”は今、成功の秘策としてホットな話題となっているが、自分の情熱プロジェクトによってやつれ切ってしまうこともあり得る。

このデジタル時代の最大のメリットの一つは、気軽にクリエイティブな表現ができ、小遣い稼ぎをしながら、新たな世界へ飛び込める点だ。私は2005年にブログを始めた当時は、秘密を解き明かしたような気分だった。自由に意見を発信でき、自分の言葉が世界の一部になっていった。

ブログで発信したい新しいアイデアを思いつくたびに私はドキドキし、そのアイデアを言葉に書きとめようと急いだものだった。現時点で私のグーグル・ドライブには、167本の書きかけ記事がある。

私はこれまで、”イエス”と言ったことや、何かを最後までやり通せなかったことを後悔しながら何年も過ごしてきたが、今では自分を理解できている。”イエス”とばかり言っていると、心身の健康だけでなく、自分の時間や家計をも害してしまう。認めるのが嫌だったとしても、自分の限界をきちんと尊重すること。そうすればきっと、私はまた情熱を傾けられる新たなプロジェクトに取り組めることだろう。これが私の自分らしさなのだ。
編集=遠藤宗生

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