“ソフトボール界のイチロー”山田恵理、亡き父に捧げる東京五輪の金メダル

2018.10.12 22:30
元プロビーチバレー選手の浅尾美和さんがMCを務め、ゲストの「生き方」「人間性」にフォーカスし、そこにある真の「美しさ」を解き明かす、スポーツグラフィックマガジン「Number」と企画協力したドキュメンタリー&インタビュー番組『SHISEIDO presents 才色健美 ~強く、そして美しく~ with Number』(BS朝日、毎週金曜22:00~22:24)。10月12日の放送は、2008年北京五輪で金メダルを獲得した、ソフトボール日本代表の山田恵理さんが登場。人生の半分以上をソフトボールにかけてきた、山田さんの現在の思いに迫った。
■山田さんがソフトボールを続ける理由
卓越したバッティングセンスを持ち、“ソフトボール界のイチロー”とも称される山田さんは、日本が誇る打のレジェンドとして、34歳になった現在も日の丸を背負って活躍している。中でも、人々の記憶に残る2008年北京五輪の決勝・アメリカ戦では、追加点となるホームランを放ち、初の金メダル獲得の原動力に。当時、山田さんは、24歳で主将という大役を担った。「うまくいかないことの方が多くて、自分を見失ってしまったときもあった。けれど、先輩方に、“自分らしくやることがキャプテンとしてやるべきこと”と言われ、自分の結果を出すことがチームをまとめ、引っ張ることになると学んだ。自分ができないことは誰かが成し、誰かができないことは自分が成す。そうやってお互いを思いやり、助け合えるのがソフトボールの魅力だと再確認できました」と振り返る。まさに、チーム一丸となって勝ち取った金メダルだった。
しかし、北京五輪で悲願を達成したのも束の間、ソフトボールが五輪競技から除外されてしまう。それを機に辞めていった選手を何人も見送り、山田さん自身も次の目標が定まらず、なかなかモチベーションが上がらない時期を過ごした。それでもソフトボールを辞めなかったのは、「五輪に関係なく、競技を続けている小中高生がたくさんいる。私も、日本リーグやいろいろな大会を通して周りの人に支えられてきて今の自分がいる」から。「私がしっかりとソフトボールの未来を担う後輩たちに繋げていくことで、周りの人を笑顔にしたり、感謝の気持ちを伝えたり、恩返しができるのではないか」。山田さんは、改めて「自分にできることはソフトボールしかない」と、気持ちを新たにしたのだという。
そんな中、ソフトボール界に追い風が吹く。2016年に五輪競技復帰が決定、2020年東京五輪で正式競技として復活することとなった。「聞いたときはものすごく安心したのと同時に、危機感を覚えました。次にもう一度、アメリカと戦ったときに勝てるのかと考えたときに、自分の技術も、日本チームのレベルとしてもそこまで高くないので、正直プレッシャーの方が大きいです。でも、だからこそ自分を高めていかなければいけないと思うので、マイナスではなく、プラスのプレッシャーだと考えています」と語る山田さんは、すでに次の大舞台に向けた準備に入っている。
■山田恵理は結果を出すのが当たり前の選手
山田さんは自身の性格を「ポジティブというより負けず嫌い」と表現し、「だけど私生活では負けてもいい」と続けた。ソフトボール以外の場面ではなるべく運を使わないようにして過ごし、さらに、縁起をかつぐため細かいルーティンをいくつも決めているという。打席は左足から、守備に行くときは右足から、スパイクは座った状態では履かない。試合の時、普通の人なら5分で済む準備時間も、山田さんの場合は20分。「一つやらないと、ここから全てがズレていく気がする。山田恵理という選手は結果を出すのが当たり前なので、これをやめたら結果が出なくなる……そう思ってルーティンも毎日続けています」と、トップアスリートならではの自信とプライド、それと表裏一体にあるデリケートな一面を明かした。
また、山田さんは、あえて他人からの視線を気にしないようにすることで、集中力を高めている。「人の為に成したいという思いはあるが、打席でも気にしてしまうときは絶対に打てない。それが2018年8月に行われた世界選手でのアメリカ戦の敗退につながってしまった。あのときの悔しさは、東京五輪で結果が出るまでは引きずる思い」と語る。一方で「あれはもう、東京五輪で金メダルを獲る為に起きたこと」と割り切り、反省を糧にポジティブな思考に結びつけるようにしている。
■東京五輪と亡き父を結ぶ数奇なめぐり合わせ
山田さんには東京五輪を目指すべき理由がもう一つある。それは、2014年に急逝した父・良彦さんの存在だ。「東京五輪の開会式の日(7月24日)が父の命日で、聖火リレーが始まる3月26日は、父の誕生日。なんだか、“がんばれよ”って言われている気がしています」。この数奇なめぐり合わせが、東京五輪に出場して金メダルを獲得するという目標に向けて、山田さんを突き動かす一つの要因となっている。
また、父親を失ったことで、周りの人の大切さや「当たり前なことは何一つない」ことに気づかされたという山田さん。「母親のためにももっと頑張らなければならないし、出会った全ての人たちに対しても、自分にできることはしたいと強く思った」と、改めて決意。そして「本当に周りの人たちに支えられて、応援してもらえて今の山田恵理がある。感謝する気持ちは、普段の力以上のものを出してくれる」と力強く語った。
30歳を過ぎて怪我が増えているという山田さん。現在は、特に食生活にも気を付けて、パフォーマンスを発揮できる体作りに気を配る毎日だ。「今はソフトボールを楽しんでやっているという感じではない。終わってみたら楽しかったと思えるのかな。本当にソフトボールしかできないので、これでしか自分を活かせないし、周りに恩返しもできない。ソフトボールは、自分の人生そのものです」。北京五輪で掴んだ栄光。その後、競技を続けるモチベーションを失いかけたこと。父との別れ。あらゆることを経験しながらも、“ソフトボール界のイチロー”としてプロフェッショナルであり続けた山田さんだからこそ、東京五輪に出場し、金メダルを獲得したいという思いは、人一倍強い。まるで、競技者としての純度を高め、自らを鼓舞するかのように「ソフトボールしかできない」と何度も口にした山田さんは、2020年東京の暑い夏が終わったあとで、一体何を思い、何を語るのだろうか。
番組の途中では、スポーツオケージョンにおける"美"をサポートする、プロならではのテクニックとノウハウを紹介。今回は「本格的な美白ケア」応用編と題し、夏に浴びた紫外線ダメージをケアする方法を解説。
■「本格的な美白ケア」応用編
美白ケアと乾燥ケアのお手入れについて教えてくれたのは、資生堂HAIR&MAKE UP ARTIST 齋藤有希子さん。

美白化粧品の使用量の目安は2プッシュ。
気になる部分を中心に、顔全体にていねいになじませる。
紫外線の影響を受けやすい頬骨の上などは、シミリスクが高いので、重ねづけしてあげるのもおすすめ。
頬骨の上を優しくマッサージするのも、シミ予防に効果的。

さらに乾燥が気になるときは、美白オイルを重ねると良い。
お手入れの最後に、使用量の目安の2プッシュ分を、顔全体にていねいになじませる。

今回使用した商品の詳細は以下のサイトで。
次回、10月19日の放送では、人気トレーナーのAYAさんが登場する。