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ピーコートに隠されたフランス女優のエロスとは?
FORZA STYLE
2017.11.30 07:00
大御所スタイリストの格好に刺激され、それに往年のフランス映画の女優の姿を重ね合わせて、さらに干場独自のエロスを投入。こうして完成したのが、このコーディネイトです。上質な素材感とネイビー×ブラックのカラーリングの組み合わせがキモです!
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アイテム

ピーコート/SANYO
セーター/クルチアーニ
パンツ/ニール・バレット
バックパック/ペッレ モルビダ
手に持ったメガネ/モスコット
ソックス/カルツェドニア
靴/WH
(すべて干場私物)
日本を代表するトップスタイリストの野口強さんは、僕にとって昔からカッコいいなぁと思っていた憧れの存在です。黒を基調とした強さん自身のスタイルも好きですし、作り出すビジュアルのセンスも本当にカッコいいものばかり。僕がまだ20歳で、編集者になりたての頃から、いろいろと仕事をしていただきました。強さんというと、シンプルで男っぽい、引き算のスタイルが真骨頂。「男は引き算。盛ってる男は格好悪いよ。引いた方がいいんだよ、引いたほうが……」。雑誌『OCEANS』のときにインタビューをしたときには、こんなことを言ってました。
そんなわけで、いろんな媒体に野口さんが登場するたびに、その格好をチェックしているんですが、4〜5年前に目にした10ボタンのピーコートを主役にしたスタイルがものすごくカッコよくて……。確か、そのピーコートは、メルトン素材の1920年代のヴィンテージもの。それに、Tシャツにブラックジーンズを合わせて、トレードマークである大きめのサングラスをしていたんですね。コート以外は、いつもの野口さんの格好なんですけど、ストイックな組み合わせで新鮮に思えたんです。
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で、単純ですけど、それでピーコートを着てみよう、と。もっと言うと、野口さんのスタイルを目にしたとき、なぜかフランス映画の『男と女』でアンヌ役を演じたアヌーク・エーメの姿が思い浮かんだんですよ。「サ〜ダバ、ダバダバダ〜♪ ダバダバダ〜♪」のメロディで知られるあの名画です。キャッチコピーは、“たちきれぬ過去の想い。それでも惹かれ合う男と女。”って、これだけでエロい!
あの映画、僕のなかではアヌーク・エーメがネイビー×ブラックのコーディネイトが印象的だった記憶があって、またまた女性のファッションを男性のスタイルに置き換えようと映画を見直したのですが……。あまりネイビー×ブラックのコーディネイトは出てきませんでした(失笑)。人間の記憶っていい加減なものですね。むしろ、相手役のジャン・ルイを演じたジャン=ルイ・トランティニャンのほうがそれに近い格好をしていたぐらいですから。
で、なにを言いたかったのかというと、起点はもちろん野口さん。だけど、そこに僕はフランス映画に通じるエスプリを感じてしまったわけです。野口さん本人には「こんな格好、俺はしねーよ」と言われそうですが、僕のなかでは完全に影響を受けまくっています。干場流の解釈で野口さんの格好を真似てみたと言えばいいんでしょうか。僕としては、やっぱりそこにエロを足したい。キモは“エロサバ”にありますからね。以前はネイビー×ブラックの組み合わせに懐疑的だったんですが、実際にやってみたら案外しっくりくることもわかったので。
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ちなみに、足元は「WH(ダブルエイチ)」。従来のものより丸みのあるトゥで、コバもソールも3mm厚くしている干場スペシャルバージョンです。
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さてと、今回のエロさの秘訣は、ピーコートの手触り。「RAIN WOOL」というカシミアにも匹敵する、繊維径がスーパー180’sの上質素材を使っているのがエロいんです。しかも、いまでは希少になってしまった超低速のションへル織機で織ったあとに、耐久撥水加工を施すなど、エロいくせに機能性まで兼ね備えている。言うなれば、ハンサムな上にやさしくて、しかも頭もいい! パーフェクトですよね。ピーコートって、ヘビーウェイトの分厚いメルトン製というのが一般的ですよね。それなのに、ふわふわしたカシミアタッチで、しかも軽い! 女性が腕を組んだ瞬間の驚く顔を想像してください。それぐらいイケているんです!
でも、これだけじゃあ、室内に入ってコートを脱いだら終わりですよね。そこは、二重三重に仕掛けを考えておくのが、“エロサバ”の極意。インナーには僕の大好きなクルチアーニのクルーネックセーターを仕込んでいます。もちろん、カシミアシルク製のハイゲージ。あまりに着ていて気持ちがいいので、僕も毎回気絶するほど。レストランで彼女の手が触れたとき、モーレツにエロい気持ちにさせてしまう、危険なセーターなんです……と、今日も、そんな妄想で1日が過ぎていきます。おやすみなさい。
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今回のスタイルのキモは……。● 見た目のヘビーさを裏切る、コートのふわふわな素材感。
● コートの前ボタンは留めてストイックな男らしさを演出。
● エロさを隠すブラック&ネイビーのカラーリング。
● エロスの仕掛けは二重三重に。
● 大きめのバックパックをアクセントに利用。
Photo: Ikuo Kubota(OWL)

Styling&Model:Yoshimasa Hoshiba


3冊目の書籍が発売になりました。今回は、難しいとされる大人のカジュアルスタイルについて書いています。読んでない方はぜひ!
干場義雅が教える

「究極の私服」
(日本文芸社)
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2冊目の書籍は、色気についてです。
普通に見えて、なぜか人を惹きつける男の共通点について書いています。読んでない方はぜひ!
一流に学ぶ

「色気と着こなし」
(宝島社)
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1冊目は、スーツの着こなし術から世界の一流品選びまで、基本的なことやお洒落の本質について書いています。読んでない方はぜひ!

世界のエリートなら誰でも知っている

「お洒落の本質」
(PHP出版)
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エロサバ-Hoshipedia

「エロサバ」とは、エロいコンサバの略で、干場の哲学により生まれた造語。シンプルでベーシック、コンサバティブな洋服を着ているのに、なぜかエロく見えるスタイルのこと。例えば喪服の女性。成熟した大人の女性が喪服を着ていて、メイクもナチュラルで抑制しているのに、不思議と色っぽく見えるスタイル。例えば、普通の白いシャツを着ているのにも関わらず、胸元のボタンの開け方や袖口のまくり方でSEXYに見えるスタイル。粗悪な素材でデザインが変わっているシャツでは駄目。上質な素材でベーシックなシャツだからこそ、崩して着こなしても上品さが保てるのです。男性で例えるなら、仕立てられたグレーの無地のスーツを着て、上質な白シャツに黒の無地のネクタイのような極めてコンサバティブなスタイルをしているのに、内側から大人の色気が香るスタイルのこと。
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『FORZA STYLE』編集長

干場義雅
尊敬する人は、ロロ・ピアーナの元会長セルジオ・ロロ・ピアーナさん、ピエール・ルイジ・ロロ・ピアーナさん、トッズの会長ディエゴ・デッラ・ヴァッレさん、格闘家のブルース・リーさん、初代タイガーマスクの佐山サトルさん。
スポーティでエレガントなイタリアンスタイルを愛し、趣味はクルーズ(船旅)と日焼けとカラオケ。お酒をある一定以上飲み過ぎると、なぜだか一人感無量状態になって男泣きする現在44歳の小誌編集長。東京生まれ。

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