美しすぎるハードル選手・木村文子に密着、東京五輪で目指す「日本人初の決勝進出」

2018.09.21 15:00
元プロビーチバレー選手の浅尾美和さんがMCを務め、ゲストの「生き方」「人間性」にフォーカスし、そこにある真の「美しさ」を解き明かす、スポーツグラフィックマガジン「Number」と企画協力したドキュメンタリー&インタビュー番組『SHISEIDO presents 才色健美 ~強く、そして美しく~ with Number』(BS朝日、毎週金曜22:00~22:24)。9月21日の放送では、2017年世界選手権日本女子初の準決勝に進出した100mハードルの第一人者であり、美人アスリートとしても注目を集める木村文子さんが登場。日本人女子初の12秒台を目指して競技に取り組んでいる現在の心境、自分を信じてサポートしてくれている人たちへの思いについて語った。
■アリゾナで学んだONとOFFの切り替え方
広島県のグラウンドで練習中の木村さんは、リラックスした様子でチームメイトと談笑していた。「以前はグラウンドに入ったときに、ONモードに切り替えて練習に取り組んでいました。けれど、12秒台の壁を越えて世界レベルで活躍したいと思い、アメリカ・アリゾナ州のフェニックスで練習をしていたら、どの選手もONとOFFの切り替えが上手なんです」と話した。それまでは、自分を追い詰めれば追い詰めるほどにタイムも伸びると信じてやってきた。しかし、アリゾナにいた選手は、OFFのときは陽気にしゃべり、踊っていたのに、ONになった瞬間に顔つきが変わる。自分の世界に入り込み、周囲の人たちがその雰囲気に引き込まれ圧倒されるほどの集中力を発揮した。それを目の当たりにした木村さんは、「自分のスタイルを確立し、周りを引き込むくらいの力がないと世界では勝負していけないのかもしれない」と肌で感じ、以来、スタートポジションに入ってスターティングブロックを蹴る“カーン”という金属音がした瞬間にONのスイッチを入れるように。その結果、成績が安定し、2017年の世界選手権では、日本女子初の準決勝進出を果たした。
■ハードルなら世界トップ選手とも対等に
木村さんの自己ベストは、13秒03。「納得のいく走りではなかった。レースにも集中できていなくて、思うような走りができてないなと思っていたら、自己ベストだった」と当時を振り返り、今度は自分の納得のいく走りで、日本人女子初の12秒台を目指したいと語る。競技では、「ロスなく綺麗で美しく、自分が求めるハードリングをすること」に集中し、トレーニングではハードルを跳ぶときに遅れた足を前に素早く取り戻すための練習を取り入れている。「フォームの美しさにこだわるのは日本人特有に感じるが、それができれば世界にも並べるかもしれない。やっぱり海外の選手とレースして勝ったときが嬉しい」。短距離走ではフィジカル面で海外の選手には及ばないが、「ハードルだったら勝てるかもしれない」という思いで、トップ選手と対等に渡り合えるところまで上り詰めようとしている。
■みんなで作る100mハードルという作品
アシスタントコーチの松尾紗也可さん、チームメイトの中村有希さんは、木村さんに関して、口を揃えて「他人に厳しいけれど、自分に一番厳しい人」と、その人柄を表現。加えて、松尾さんが「人を巻き込むのが上手」と発言すると、木村さんは、「(他人に厳しいのは)自分に関わった人に成長してほしいから。(人を巻き込むのは)楽しんでいる姿を見るのが自分のモチベーションにもつながるから」とコメント。「陸上競技はひとりで勝利を勝ち取るというイメージがあるが、自分ひとりで勝負して勝てるわけではない。練習相手やコーチ、マネージャーやトレーナーといった、自分の競技に関わる人たちみんなで私の100mハードルの作品を作っている」と、自分を支えてくれている人たちに感謝した。スタートラインに立つときもひとりという感覚はなく、「みんなと練習を積み重ねてきたから大丈夫」と心強くなるのだという。
また、“美人アスリート”としても度々話題になる木村さん。月に一度通う美容院では、スタイリスト・美容師の藤澤隆さんから、“走り終わった直後のインタビューでも決まっている髪型”を提案された。木村さん自身、あまり髪型にこだわりはないとしながらも、「アスリートだけどオシャレを楽しみ、綺麗にしてもらえるのは嬉しい。自分が憧れの存在になり、ハードルをもっと広めたい」と、身だしなみにも気を配っていると語った。
■「自分らしく」日本人初の決勝進出へ
「ハードルを辞めたいと思ったことは何回もある」と素直な気持ちを口にした木村さんが、特に引退を強く意識したのが、2016年のリオ五輪に落選したときだった。2012年のロンドン五輪出場では、成績がふるわず予選敗退。4年後のリオでのリベンジを賭けて練習に取り組んでいただけに、「出られないなら辞めた方がいいのではないか」と悩んだ。しかし、周囲はいつも通りに接し、次の大会に向けての練習メニューを考案してくれた。木村さんは、「自分の能力を自分以上に周りの人たちが信じてくれた。信じてくれる人たちが身近にたくさんいることが自分の強みだ」と改めて気づくことができたという。「もう少し続けてみよう」と気持ちを切り替えて練習を積み重ねた結果、ロンドンで行われた2017年世界陸上で、日本人初の準決勝進出という偉業につながった。
最後に、女子100mハードル先駆者として、その足跡を振り返った木村さん。「惑わされることは、アスリートをやっている以上は何度もあります。このやり方で合っているのか、自分の能力に合っているのかと迷う中でも、自分を信じて進んでいくことで、今に至っているのだと思います」。2019年の世界選手権、2020年の東京オリンピックでは「自分らしく」というテーマを掲げて、日本人初の決勝進出を目指す、と力強く前を向く。木村さん、そして彼女を支える人たちによって、新たな“作品”が完成する日は近い。
番組の途中では、スポーツオケージョンにおける"美"をサポートする、プロならではのテクニックとノウハウを紹介。今回は、「紫外線対策」基礎編と題し、日焼け止めの使い分けと塗り方を解説。
■「紫外線対策」基礎編
タイプ別、日焼け対策を教えてくれたのは、資生堂HAIR&MAKE UP ARTIST 石田美紀さん。

なめらかな感触が好みの人は、乳液タイプがおすすめ。
乳液タイプの日焼け止めは、1円玉硬貨大を目安に使用すると良い。

みずみずしい感触が好みの人は、ジェルタイプがおすすめ。
ジェルタイプの日焼け止めは、パール粒1個分を目安に使用すると良い。

スプレータイプなら、より簡単に塗り直しができるので便利。
顔から10~15㎝離して全体にスプレーし、手のひらでなじませる。
スプレータイプは、日焼けしやすい頭皮や髪にも使い勝手が良い。

今回使用した商品の詳細は以下のサイトで。
次回、9月28日の放送は、9月のマンスリースペシャルと題し、競泳・平泳ぎ選手の鈴木聡美さん、元バレーボール日本代表の狩野舞子さん、陸上・100mハードル選手の木村文子さんのエピソードをプレーバック。未公開映像も放送される。