IT会社取締役と現役選手の二足のわらじで話題 女子サッカー界のレジェンド・安藤梢の現在

2018.08.17 15:00
元プロビーチバレー選手の浅尾美和さんがMCを務め、ゲストの「生き方」「人間性」にフォーカスし、そこにある真の「美しさ」を解き明かす、スポーツグラフィックマガジン「Number」と企画協力したドキュメンタリー&インタビュー番組『SHISEIDO presents 才色健美 ~強く、そして美しく~ with Number』(BS朝日、毎週金曜22:00~22:24)。8月17日の放送は、女子サッカー選手の安藤梢さんが登場。16歳で日本代表に選ばれ、オリンピックに3大会連続で出場。2011年にはFIFA女子ワールドカップで優勝し、2015年にはUEFA女子チャンピオンリーグでの優勝にも貢献。輝かしい実績を残しながら、36歳になった今も新たな挑戦を続けている安藤さんが、現在の胸中を語った。
■世界一のプライドと自信
安藤さんは3歳の時からサッカーを始め、サッカー日本女子代表(なでしこジャパン)の中心選手として、2011年のFIFA女子ワールドカップでは全6試合に出場して優勝に貢献。また、アテネ・北京・ロンドンとオリンピックに3大会連続出場し、2012年のロンドンオリンピックでは銀メダルを獲得。2009年から所属したドイツ・ブンデスリーガでは、2015年にUEFA女子チャンピオンリーグでの優勝を経験した。2011年のFIFA女子ワールドカップの優勝時の心境を、こう振り返る。「優勝したことによって、世界一を獲ったチームであるという自信と、プライドが持てた出来事だった。それまでのチャレンジャーとしての気持ちを忘れてはいけないけれど、アメリカやドイツといった強豪チームが相手でも、負けちゃいけないと思えた」。自身にとっても、チームにとっても大きく意識が変わる大会だった。
■ドイツでの学びと変わらぬ志
昨年まで7年半にわたって所属していたブンデスリーガについて、安藤さんは、「ドイツはすごくアピールする国なので、隠れた努力など必要なく、“自分はこれだけ自主練したんだから試合で使ってほしい!”と伝えなければ試合には出られなかった」と語る。そのとき、これまでは100%を出してプレーしていなかったと気付いた。「日本でプレーしていたときは、いいパスやいいシュート、味方とのコンビネーションなど、キレイなサッカーをしていた。けれど、ドイツではチームメートでも個人と個人の戦い。味方のサポートを待つとかじゃなくて、自分で切り開いていくといった個の能力を求められた。だから、自分はこれだけやっていい選手なんだとアピールした」。安藤さんは、このドイツでの経験を糧に、物事に動じなくなり、色々なことにタフになったという。
ドイツから帰国し、7年半ぶりに古巣の浦和レッズレディースに復帰した現在は、自分よりも18歳年下のチームメートと一緒にプレーをしている。安藤さんは、「10代や20代前半の若い選手とサッカーができるのは楽しいし、一緒にやれていることが力になっている」と話す一方で、「若い選手に負けないぞという気持ちでやっているけれど、若い選手はどんどん成長していく。だから、そういういいものを持っている選手からは、逆にどんどん盗んでやると思っているし、まだまだ若い選手に譲る気はない」とコメント。「年齢を重ねたことで、確かに色々と見えてきて選択肢も広がっているが、ベテランとして周りの選手を使う、ミスをしないというプレーは自分らしさが出ないので、若い選手と同じように、自分の技術をもっともっと磨いて積極的なプレーでお客さんを魅了したい」と語るその志は、36歳の今も、10代の頃から変わらぬ情熱で支えられている。
■サッカー人生での挫折と周囲の励まし
16歳で日本代表入りを果たし、実力を認められてきた安藤さんのサッカー人生に訪れた一番の挫折は、大学生のときに代表から外れたことだった。「サッカーが楽しくてずっとやってきたのに、そのときは苦しかった」と、気持ちを整理できない時期が続いた。そんなとき、友人から、「プレーしているときが一番輝いているよ」という手紙をもらった。実は安藤さんは、落ち込むと周囲からそう励まされることが多く、元日本代表の澤穂希さんからも「サッカーやっているときのあんち(安藤さんの愛称)が一番カッコいいよ」というメッセージと、安藤さんがプレーをしている写真が送られてきたこともある。安藤さんは、「支えてくれる人がいるから頑張れる」と、周囲の人たちへの感謝を口にした。
また、サッカーから学んだことの一つに、「嫌なことやうまくいかないときに、いかにポジティブな気持ちにもっていくか」を挙げ、ネガティブな気持ちに陥ったときは、ポジティブな言い回しに変換して前向きな話し方をしたり、全てを肯定的に捉える“ポジティブ日記”を書いたりすることで発想の仕方が変わり、今では自然とポジティブに物事を考えられるようになっている。
■日本女子サッカー界のレジェンドが語る美学とこれから
2018年7月より、現役選手を続けながらも、ITによるヘルスケア事業を展開するCF Partners株式会社の取締役に就任した安藤さん。自身のこれまでのコンディショニング管理の経験が活かせる新たな仕事にやりがいを感じており、「自分が取り組むことによって、女子サッカー選手の新しい道も開けるかもしれない」と目を輝かせた。
日本女子サッカー界のレジェンドとして活躍する安藤さんのサッカー美学は、「目標に向かう中で努力した経験や、出会った人が財産」。ワールドカップでの優勝やチャンピオンリーグでの優勝は、あくまでも過去のこと。選手としては次の大会、次のシーズンと先々に目を向けており、「サッカーを続けていると、もっとこうなりたいという理想が次々に出てくるので、全然“満足”していない」とコメント。そういう意味では、2019年のFIFA女子ワールドカップ、2020年の東京オリンピックの代表入りも狙っていると明かし、「厳しい状況であることはわかっているが、毎試合アピールし続けて、1年1年自分で勝負していく気持ちで取り組んだ先に可能性が出てくるかもしれない」と前を向いた。
そんな安藤さんを強く美しくする言葉は、“挑戦”。「今までずっとそうやってサッカーを続けてきて、自分が強くなれるのも、頑張れるのも、チャレンジするものがあるからだと思う。これからも難しいことや新しいことにも挑戦して、成長することを楽しみたい」と、さまざまな経験を経た今だからこそ重みがあり、今も挑戦し続けているからこそ価値があるシンプルな言葉で、36歳の胸の内を語った。
番組の途中では、スポーツオケージョンにおける"美"をサポートする、プロならではのテクニックとノウハウを紹介。今回は、「夏の紫外線対策」基礎編Part5と題し、日焼け止めの使い分けを解説。
■「夏の紫外線対策」基礎編Part5
タイプの異なる日焼け止めを、種類別に紹介。自分の好みに合う日焼け止めはどれ?
日焼け止めの使い分けと種類について教えてくれたのは、資生堂HAIR&MAKE UP ARTIST 石田美紀さん。

なめらかな感触が好みの方は、乳液タイプがおすすめ。
乳液タイプの顔への使用量は、1円玉硬貨大を目安に。

よりみずみずしい感触が好みの方は、ジェルタイプがおすすめ。
ジェルタイプの顔への使用量は、パール粒1個分を目安に。

簡単に使いたい方には、塗り直しにも便利なスプレータイプがおすすめ。
顔から10~15cm離して全体に振りかけてから、手のひらを使ってなじませると良い。
スプレータイプなら、日焼けしやすい頭皮・髪にもおすすめだ。

今回使用した商品の詳細は以下のサイトで。
次回、8月24日の放送では、ランニングアドバイザーの福内櫻子さんが登場。走る楽しさを教え、ランニング文化の定着を目指す活動に取り組む福内さんの思いと夢に迫る。