竹原ピストル - 速報ライブレポート【 J-WAVE LIVE 】
antenna* × J-WAVE LIVE SUMMER JAM
2018.07.14 18:40
スポットライトの中に男ひとり。「今日は出演機会を本当にありがとうございます。精一杯歌います」。そんな誠実な挨拶から始まった竹原ピストルのライブである。ハープを吹き鳴らし、ギターを爪弾きながらの最初の曲は「オールドルーキー」。雰囲気や流行とは無縁の、誰しもが持つ魂に直接語りかけるような無造作でごまかしのきかない弾き語り。ここまでどストレートに歌われたら、観ているこっちも真正面から向き合うほかない……というのは竹原ピストルのライブを観るたびに強く思うことだが、今日はラインナップの中でも異色さが際立つぶん、余計にそう感じる。
Photo by Tsukasa Miyoshi (Showcase)
「なんかこう、泥臭いフォークソングしか歌えないからして、余計なお世話かもしれないけど、お嬢さんがた、座ってゆっくり観なさい」というピストルの言葉に大きな拍手が返ってくる。そして「LIVE IN 和歌山」へ。「生きろ」というメッセージが怒涛のように押し寄せるこの曲こそ、竹原ピストルというシンガーソングライターが歌い続ける意味だ。頭に巻いたタオル、無精髭、よれたTシャツ、ピックが当たって塗装がはがれたフォークギター、踏み鳴らされる足。すべてがまったく同じことを訴えている。そんな正直なパフォーマンスに、客席にいる誰もがじっと聴き入る。これだけ大きなイベントであれば曲間に話し声なんかが聞こえたりするものだが、それが一切聞こえない。みんな、ぶっ刺されているのだ。
ドラマのテーマ曲となった「Forever Young」を歌いきると客席からは拍手。「なんか、ありがたいことに、TVに出させていただく機会をいただいたりとか、我ながら俺もちょっと有名になってきたんじゃないかなって思いつつ、ちょっと前にとある楽器屋さんに立ち寄ったら、お若い女性の店員さんに、『あ、秦 基博と同じ事務所の人だ』って言われたんですよ。まだまだがんばらなきゃなって」というトークには笑い声が起きる。そして、万感の思いを込めた1曲「Amazing Grace」で再び盛大な拍手を受けて、「俺のアディダス〜人としての志〜」へ。この曲が彼にとっての恩人である松本人志への想いを込めたものであることは有名な話だが、その歌は個人に向けられていながらも、聴いているひとりひとりに自分ごととして届く。そこから「隠岐手紙」へ。これもまた、彼自身の記憶に強く結びつきながら、普遍的な響きをもった曲だ。
最後は「ドサ回り数え歌」、そしてポエトリーリーディングのような「狼煙」でフィニッシュ。ひとりで狼煙を上げ、それを自力で大きな炎へと育ててきた竹原ピストル。初めて観た人にも、もう何度も観ている人にも、今日も強烈なインパクトを残したことだろう。

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