ハンドボール選手・宮﨑大輔、37歳になった今も「東京五輪はあきらめない」

2018.06.08 15:00
元プロビーチバレー選手の浅尾美和さんがMCを務め、ゲストの「生き方」「人間性」にフォーカスし、そこにある真の「美しさ」を解き明かす、スポーツグラフィックマガジン「Number」と企画協力したドキュメンタリー&インタビュー番組『SHISEIDO presents 才色健美 ~強く、そして美しく~ with Number』(BS朝日、毎週金曜22:00~22:24)。6月8日の放送では、日本一有名なハンドボール選手・宮﨑大輔さんが登場。174㎝と小柄ながら規格外の身体能力で日本人初の海外プロ契約を結び、現在も日本代表で活躍するハンドボール界のスーパースターが、どのような美学を持ち競技に打ち込んでいるのか、その胸中を語った。
■オリンピック出場は諦められない夢
日本リーグ歴代最多930ゴール、日本ハンドボール界の絶対的エースとして活躍してきた宮﨑さんは、代表入りしたアテネオリンピック予選から4大会連続アジア予選で敗北を喫し、出場を逃してきた。そのため、「あきらめられない夢の大会」として、2020年東京オリンピック出場を目指していると語った。
これまで日本代表のエースとして活躍し、日本人としては初めてスペイン1部リーグにも所属した経験を持つ、名実共にハンドボール界をリードしてきた宮﨑さんだが、昨年、36歳のときに、司令塔であるセンターポジションからサイドポジションへの変更が言い渡された。「センターとサイドではシュートの打ち方や飛び方といた技術面はもちろん、攻撃や守備の仕方など全てが異なる」。36才でのポジション変更に戸惑いながらも、「自分で限界を作ったらそこで成長は止まる。素直に受け止めてやってみよう」と思い直したという。
■圧倒的上昇志向!理想の自分に近づくための努力
37歳になったばかりという宮﨑さん。普段の食事では、「亜麻仁油(あまにゆ)やMCTオイルを摂取し、体をコントロールしている」と、体の免疫力を高める努力をしている。それでも、怪我をしやすくなった、体のバランスが悪いなど、「以前のように無茶ができない」と感じたことをきっかけに、ヨガ&ピラティスを始めた。すると、身体能力ではアスリートの中でもトップクラスの宮﨑さんだが、体が硬く、柔軟性が乏しいという弱点が明らかに。
コンディショニングトレーナー・本橋恵美さんの指導でトレーニングを行う中、思うように体が動かなかったり、キープできなかったりと、何度もめげそうになる宮﨑さんの姿が。「自分の弱さを感じる」と心境を吐露する一方、「弱さを感じて強くなりたいという気持ちが増す」、「こういう気持ちこそハンドボールには絶対に必要」と語気を強め、「体が小さい分、スピードやジャンプ力といった自分のポテンシャルは落としたくない」ときっぱり。
年齢的に、「今のポテンシャルをいつまで継続させられるか」がテーマとなるが、柔軟性を高めることで、「怪我の予防だけでなく、プレーにも生かせる」と語った宮﨑さん。現状維持だけが目的ではなく、飽くなき向上心でその先を見据えている。「妥協は誰でもできる」、「辛いときこそ一歩二歩先に行くことが自分を強くする」、「自分の中の理想をどれだけ追い求められるか」を常に意識しているからこそ、辛いトレーニングでも乗り越えることができるのだ。
■宮﨑さんを支えている言葉と、人生を変えた言葉
現在、宮﨑さんがハンドボール以外で夢中になっているのは、ロードバイクだ。目的地を決めて自転車を走らせ、ゴールに辿り着いたときの達成感を、「楽しさがないと続かない」、「自分で目標を設定して、できて良かったという気持ちになると、さらに前を目指そうとするし、飽きもこない」と表現した。そんな風に、物事を前向きに、穏やかに考えられるようになったのは、当時5歳だった娘さんの一言がきっかけ。案外、気が短いところもあった宮﨑さんに対し、娘さんが「パパ、“いいのいいの”って思うの」と優しく諭したことがあった。以後、宮﨑さんは怒りたくなる感情を抱くと、いつも「いいのいいの」という娘さんの言葉を思い出して気持ちを切り替えている。それは、「心は熱く、頭は冷静にいたい」というアスリートとして必須の要素に通じている。
もう一つ、宮﨑さんの人生を変えた言葉がある。スペイン1部リーグで、なかなか起用してもらえなかったときのこと。パスをまわしながらシュートチャンスを狙う宮﨑さんのやり方に、首脳陣は「それは日本でやってきたプレーだ。体の小さいお前を獲得した理由は、スピードと高いジャンプがあるということ。なぜ、すべてのプレーで持ち味を出さないのか。ボールを持った瞬間に高くジャンプすれば、相手は怖くて仕方がないはずだ」と指摘。そして「お前の能力を使わないと出さないよ。120%で出してくれ」と。日本では絶対的なエースだったからこそ当たり前のようにやってきたプレーは、他の選手の働きがあってこそ。宮﨑さんは、「個人個人の役割を果たすことでチームができる」ことに気づき、「自分だからできることを考えてプレーできるようになった」と語った。
■一生、ハンドボールに関わって生きる覚悟
宮﨑さんの美学は、「ハンドボールは面白い」と思ってもらうために、「凄いと思ってもらえるようなプレーを心がけている」ということ。初めてハンドボールの講習会を行った際に、ハンドボールの縫い目から中のゴムがはみ出ていて、どこにバウンドするかわからないボールを使用して、一生懸命ゴールに向かってシュートを打つ小学生の姿を目にし、「絶対にハンドボールを満足にできる環境を与えたい」という思いが芽生えた。そのために、宮﨑は、様々な苦難を乗り越えながら、今もハンドボール界を背負って奮闘している。
最後に、「一生、ハンドボールに関わっていたい。プロの引退はあっても、ハンドボールの引退はない」と述べた宮﨑さん。永遠にハンドボーラーとして生きると決めている男の熱い思いがこもった、覚悟の言葉だった。
番組の途中では、スポーツオケージョンにおける"美"をサポートする、プロならではのテクニックとノウハウを紹介。今回は、「夏の紫外線対策」スプレー編と題し、男性でも取り入れやすい日焼け止めの塗り方を解説。
■「夏の紫外線対策」スプレー編
簡単に日焼け止めを使用したい場合は、スプレータイプがおすすめ。男性でも簡単なスプレータイプでの日焼け対策を教えてくれたのは、資生堂HAIR&MAKE UP ARTIST 石田美紀さん。

顔から10~15㎝離した距離から顔全体に振りかける。スプレーした後は、手のひらで全体になじませる。次に、頭皮にも同じように噴射。日焼けしやすい頭皮・髪にもスプレータイプは活躍してくれる。

さらにワンポイントとして、スプレーを逆さに向けて、首や背中など、手では届きにくい場所にも噴射して日焼け対策を行う。

今回使用した商品の詳細は以下のサイトで。
次回、6月15日の放送では、元マラソン選手の有森裕子さんが登場。マラソンへの思いと、そこにある強さと美しさに迫る。