スタートアップの聖地ベルリン
いまやスタートアップの聖地となった都市、ドイツ・ベルリン。スタートアップへの投資額では欧州1位の座に輝き、日々新たな企業が生まれている。コワーキングスペースやイノベーションハブも充実し、欧州のみならず世界中の若き起業家がベルリンを目指していると言われるほどだ。
2017年8月、そんなベルリンにイノベーティブなショップ「Startup Guide Store」がオープンした。欧州各地のスタートアップ情報をまとめる企業、Startup GuideがクラウドファンディングプラットフォームのKickstarterと提携しつくり出したこの店舗には、注目のガジェットやベルリンならではの飲食品が数多く並んでいる。
空中に浮かぶプランターやハッキング防止のため生まれたスマホツールなど、気になるアイテムを紹介する。
2017年8月、そんなベルリンにイノベーティブなショップ「Startup Guide Store」がオープンした。欧州各地のスタートアップ情報をまとめる企業、Startup GuideがクラウドファンディングプラットフォームのKickstarterと提携しつくり出したこの店舗には、注目のガジェットやベルリンならではの飲食品が数多く並んでいる。
空中に浮かぶプランターやハッキング防止のため生まれたスマホツールなど、気になるアイテムを紹介する。
100%オーガニックなスーパーフード──Berlin Organics
Berlin Organicsはその名のとおりベルリン生まれの「スーパーフード」を製造するオーガニックブランドだ。ベルリンは世界有数のヘルスコンシャスな都市であり、人口の10%がベジタリアンやヴィーガンなど菜食主義の人々だといわれている。Berlin Organicsは、モリンガ、バオバブ、マカなどさまざまな素材からつくられたパウダーを製造しており、スムージーやシリアルなどに混ぜるだけで簡単に栄養を摂取できるのだという。
空中で回転し続けるプランター──Lyfe Planter
Lyfeは宙に浮かぶプランターだ。シリコンからつくられたプランターとオーク製の土台には強力な電気磁石が埋め込まれており、絶妙なバランスで磁力が反発しあうことでプランターが宙に浮くようになっている。力を加えることでプランターをくるくる回転させ続けることも可能。視覚的に面白いのはもちろんのこと、回転することで空気の流れが生まれ、植物の育成にとってもメリットがあるのだという。
シンプルにして奥深いデジタル時計──LaMetricTime
ロンドン生まれのLaMetricTimeは、8×8ピクセルと29×8ピクセルの液晶画面から時計が構成されており、普通のデジタル時計として使えるほか、天気予報を表示させたり、ラジオを再生させたりすることもできる。WEBサービス同士を繋げるツール「IFTTT」やAmazonのスマートスピーカー「Amazon Echo」とも連携可能なため、工夫次第でその使いみちは無限大に広がるといえるだろう。
電子回路を描く魔法のペン──Bare Conductive
Bare Conductiveは、導電性インクの入ったペンを使って自由に回路図を描けるキットを販売している。紙の上に引いた線には電気が通るようになり、例えばそこにLEDと電池をつなげば、まるで電線で繋がっているかのようにきちんと光るのだ。紙を使ってランプをつくるキットや、描いた絵をタッチセンサー化することでシンセサイザーをつくれるキットなど多くの製品が開発されており、ユーザーの創造性に応じた開発の自由度はかなり高そうだ。
デジタル監視社会に抵抗するために──Soomz
Soomzから発売されたWebcam coversは、iPhoneのインカメラに貼り付ける可動式のスライドカバー。インターネットを通じたカメラのハッキングは「camfecting」とも呼ばれ、ハッキングによるプライバシー侵害が近年深刻な問題となりつつある。Webcam coversはインカメラにカバーを貼ることでプライバシー流出を防ぐシンプルにして強力なツールだ。さまざまな色のモデルが用意されているので、アクセサリー感覚で導入するのもいいだろう。
ゲームを自作できるゲーム機──Pocket C.H.I.P.
Pocket C.H.I.P.は、タッチ液晶とキーボードを備えた携帯ゲーム機風の超小型コンピューターだ。「ゲーム機風」とはいえ実際に1,000本ものインディゲームがプリインストールされているのでゲーム機として楽しめるほか、ゲーム開発キットもインストールされているのでそのままオリジナルのゲームを開発することも可能。ほかのユーザーがつくったゲームをインストールすることもできるので、無限に遊んでいられそうだ。
置くだけで再生できるスマートなスピーカー──Trippy
ストックホルム発のスピーカー、Trippyは、なんとペアリング不要。「Place and play」と名付けられたテクノロジーにより、ケーブルやBluetoothを使わず磁気誘導によってスマートフォンとスピーカーを接続できる。スマートフォンを置くだけですぐに再生できるため、接続不良でイライラすることはない。竹を使った温もりの感じられるボディは、さまざまなシチュエーションに馴染みそうだ。
ベルリン発の新潮流ポップコーン──Knalle
スタートアップといわれるとつい最新のテックを採用した商品を想像しがちだが、Knalleはベルリン・フリードリヒスハイン地区で生まれたハンドメイドのポップコーン。すべての商品が丹精に手作りされているのだ。かつては有名レストランで働いていた経験をもつふたりの料理人が「ポップコーン・エディター」を名乗り、日夜新たなレシピの開発に勤しんでいる。チョコレートなどの定番ものから、ラベンダーやタイカレーのような変わり種までフレーバーもさまざまあって選ぶのも楽しい。
「スマートシティエキスポ2017」に見る、
未来型都市の青写真
前編