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大人気の『DAVID BOWIE is』。交渉担当者が明かす開催秘話!
JK RADIO TOKYO UNITED
2017.01.20 10:50
現在開催中の『DAVID BOWIE is』
この展覧会を日本へ招聘したのは、
レコード会社、ソニー・ミュージックエンタテインメントです。
レコード会社が展覧会、それもこんなに大規模なものというのは
聞いたことがありません。
はたして、どうやってイギリスのヴィクトリア&アルバート・ミュージアムに
最初のアプローチをしたのでしょうか?
今回のプロジェクトの中心人物、
小沢暁子さんにその始まりを教えていただきました。

「『DAVID BOWIE is』はそもそも2013年にロンドンで始まりました。出張の時に見に行てったんですが、余りにも素晴らしくて何回も通ったんですよ。最終的に5回通って、これは日本に持って行くべきだと。なので、当時の上司に『日本に持ってきたい、交渉していいですか?』と聞くと、『おう行ってこい!』みたいな。だいたい適当なんですよね、そういうの。(笑)やったことないからできわけないじゃないですか。行けるところまで行ってこい、みたいな。うちの会社、そういうところがあって。でもどういう風にやったらいいのか分からなかったので、知り合いのツテをたどり、ボウイのパブリシスト、アラン・エドワーズさんという方のツテで、『ヴィクトリア&アルバートの担当者を紹介するよ。』ということになって、いきなり行ったんです。ノックノック、『こんにちは、ソニーミュージックです。日本に持ってきたいんですが。』『へ?』みたいな(笑)。」

ヴィクトリア&アルバート・ミュージアム。
“ミュージアム”ですから
通常は、交渉する相手もミュージアム、美術館ですよね
そこに突然現れた、日本のレコード会社のスタッフ。
どうやって交渉を進めたんでしょうか?

「『日本には行きたいと思っているんですよ。』と言いながら、海のものとも山のものとも知れないので『いやいやいや、すぐにウンとは言えないよ。』と。いい方たちなんですけど、やっぱり探りますよね。『どうやってやるんですか?美術館はお持ちではないですよね?』『はい、持っていません。』みたいな。(笑)そのときに、ちょっとはったりみたいな感じですけど、『実は、デヴィッド・ボウイがソニーに移籍したときの担当ディレクターだったんです。』みたいなそのときの逸話を話し、『デヴィッド・ボウイさんにも会ったことがあるんです!』と言うと、『ええ?!僕たちも会ったことがないのに!』となって、ちょっと和むみたいな。(笑)」

展覧会からはちょっと離れますが、
デヴィッド・ボウイに会ったときのエピソード、教えていただきましょう。

「“ヒーザン”っていうアルバムで移籍してきたんですけど、いやもう、こんな日があるかと。これは取材をやらなければいけないという話になったんですが、当然、取材はできないんです。スーパースターなので。時間もその当時からとってなくて、インタビューもやらないし、写真を撮りたい、というような普通のメニューをリクエストしても、ダメですと。『世界で時間がありません、日本は時間がありません。』と言われてくじけていましたが、そうだ、いいこと思いついた。もしかしたらアルバム“Heroes”などの写真を手がけた写真家の鋤田さんでフォトセッションをリクエストしたらいけるんじゃないかと。1ヶ月くらいずっとNGだったんですけど、ある日言ってみたんです。『Masayoshi Sukitaでフォトセッションをやりたいんだけど、どうだろう?』そしたら翌日『いいよ』って来て。『えー??!』って。そのときはまだ鋤田さんにお願いをしていなかったので、大至急、鋤田さんに、『鋤田さん、あのですね、こうこうこういうことで写真撮影ができるかもしれないんですが、ニューヨークに飛んでいただけますでしょうか?』と。そしたら『スケジュールがあえばいいですよ。』なんて言っていただいて。ようやく、『あ〜よかった。』って、冷や汗で。最初にお願いしておけばよかったわーと思いながら。それで、日本だけ時間がとれて、そのときに写真だけ撮らせていただくところこじ開けて、コメント録りなんかもして。」


展覧会『DAVID BOWIE is』
そもそも、レコード会社ソニーは展覧会を仕切った経験がありません。
そのあたりは、どんなふうに乗り切ったんでしょうか?

「展覧会をやったことないので、練習しなくちゃいけないぞと。私たちはレコード会社なので、専門用語から何から分からないわけです。2013年にデヴィッド・ボウイの展覧会を見に行ったんですが、たしかそのときノエル・ギャラガーの仕事をしてたのかな。オアシスの事務所に行って、社長に『ちょっとあなたたちも展覧会やったら?』と話したんですよ。そしたら、『いや、知ってるじゃん。僕たち展示するものないからさ。』って。(笑)『そうだよね、面白くないもんね、きったない服だしね。』みたいに笑ってたんですけど、その翌年に写真展をやってて。『お、写真展をやってる。これは練習台になるぞ。』と。そこでいろいろ専門用語を習うんです。そっか、クレートを開けるときはセキュリティのカメラを置いたほうがいいんだなとか。商品チェックじゃないけど、開けて閉めるみたいなところも、こういう手続きが必要なのねとか。
そのクレートというのは展示品を入れている大きな木箱なんですが、オアシスの展覧会の展示品を入れているクレートは10個はなかったですが一ケタ台あって、その扱いなども勉強して。その2年後くらいに、じゃあいよいよデヴィッド・ボウイだと。何個いれるんだ、というと、『300個!』みたいな。『え〜〜〜!そんなちょっと待ってください、それどうしたらいいんでしょう?どこに置けばいいんでしょう?』みたいな。練習になったような、なっていないような。(笑)」

オアシスの写真展で“練習”!
でも、結局、木箱の数が、オアシスは10個未満、デヴィッド・ボウイは300。
練習にはなりませんでした!
     
最後にエピソードをもうひとつ。
鋤田正義さんとフォトセッションをおこなった際、
日本のテレビ番組用にデヴィッド・ボウイのメッセージを収録できたそうです。
それが今回の展覧会、『DAVID BOWIE is』の最後に、
日本オリジナルのコンテンツとして流されています。 

「デヴィッド・ボウイのメッセージが最後にあって、これはちょっとしたおまけ。
“ヒーザン”の取材のときに、日本のファンへメッセージをくださいってお願いしたら、このメッセージがきたんです。普通だったら、『日本のみなさん、いつも応援してくれてありがとう。』となるんですけど、ちょっと考えたんです。それからいきなり、『お誕生日おめでとう。デイヴおじさんから、お誕生日おめでとうだよ。』みたいなことを言い出して。『これを毎日流してごらん。いつか君の誕生日にあたるよ。デイヴおじさん、君の誕生日当てちゃった。』というような、すごくふざけたメッセージをくれたんです。今回の展覧会が彼の誕生日から始まるということで、これをここに来る方に見せてあげられたらいいなと思って。開催期間が1月8日から4月9日ですけど、その間にお誕生日の方はこちらにいらっしゃるとデヴィッド・ボウイが『お誕生日おめでとう』って言ってくれるのでスペシャルな誕生日になるかもしれません。これは日本だけです。」

レコード会社のひとりのスタッフの情熱をきかっけに
日本での開催が決まった『DAVID BOWIE is』。
最後のメッセージは、その情熱が呼んだ素敵な“おまけ”。
音楽、芸術を愛するすべての人へ、
デイヴおじさん こと デヴィッド・ボウイからの 祝福の言葉です。


● 『DAVID BOWIE is』
会期:2017年1月8日(日)〜4月9日(日)
休館日:毎週月曜(ただし、1月9日、3月20日、3月27日、4月3日は開館)
開催時間:
 火・水・木・土・日・祝・・・10:00〜20:00(最終入場19:00)
 金・・・10:00〜21:00(最終入場20:00)
 ※3月29日(水)のみ17:00閉館
会場:寺田倉庫G1ビル(天王洲)
住所:東京都品川区東品川二丁目6番10号
アクセス:東京モノレール『天王洲アイル駅』から徒歩約5分
     東京臨海高速鉄道 りんかい線『天王洲アイル駅』から徒歩約4分
その他の情報やチケットについては下記の公式ウェブサイトをご確認ください。
http://davidbowieis.jp/tickets/

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