■ 考察
唾液中の免疫成分「IgA抗体」は、インフルエンザウイルスと口腔内細菌の両方に反応すると報告されています(※6)。歯みがき行動前のように、口腔内細菌が多い口腔環境では、多くの「IgA抗体」は口腔内細菌に反応してしまうと考えられます。今回の結果から、増えた口腔内細菌を歯みがき行動によって取り除くことで、唾液中の「IgA抗体」が口腔内細菌ではなく、外部から侵入してきたインフルエンザウイルスに反応しやすくなったと考えられます(図3)。
さらに、先行研究で確認された唾液による細胞への感染防御の結果とあわせると、歯みがき行動後の口腔内では口腔内細菌が少なくなり、インフルエンザウイルスを不活化できる「IgA抗体」濃度が増えるため、細胞への感染が防御されたと考えています(図4)。
(※6)Malamud D et al. Antiviral activities in human saliva. : Adv Dent Res. 2011;23:34-7.