ライト兄弟の飛行時間を計測した伝説ブランドが復活 ギャレ「フライング オフィサー」

2026.10.22 07:00
1990年代、スイスから始まり、日本をはじめ世界に広がった機械式時計ブーム。2000年代に入ると、当初はコレクターやメカ好きが中心だったブームが、ジュエリーウォッチも含む高級時計ブームへと発展し、現在に至っている。
このブームの背景には、1980年代末から2000年代初頭にかけて進んだスイス時計業界の再編があった。当時、スイスにはクォーツ革命で勢いを失った伝説的な時計ブランドが数多く存在した。そうしたブランドを受け継いだ人々や企業が、時計を単なる“時を知る道具”でなく、“自分のセンスやライフスタイルを表現するプレミアムなファッションアイテム”として捉え直し、その魅力を受け継ぐ新たなモデルを続々と世に送り出した。現在につながる高級時計ブームは、ここから始まった。
一方、時計愛好家の間で復活を望む声がありながら、ブランドがさまざまな企業の手に渡り、再始動のチャンスを逃してきた例もある。今回紹介する「ギャレ(GALLET)」もその一つだ。1950、60年代には、クロノグラフやストップウォッチの名門としてアメリカ市場で絶大な支持を集め、アンティークウォッチの世界でも根強い人気を誇る。
ギャレは1826年、創業者のジュリアン・ギャレがスイス時計産業の中心地ラ・ショー・ド・フォンに「Gallet & Co.」として創業した。1856年にはアメリカ市場に進出し、航空やモータースポーツ、工業分野で用いられるクロノグラフやストップウォッチを手掛け、確固たる地位を築いた。今年創業200周年を迎える歴史あるブランドだ。
ライト兄弟が「ライトフライヤー号」で人類初の有人動力飛行に成功した1903年12月17日。飛行時間12秒を記録したのは、ギャレのストップウォッチだった。また、1918年から数十年にわたり、アメリカで最も有名な自動車レース「インディ500」の公式計時を担当したのもギャレである。
1939年に誕生した「フライング オフィサー」は、文字盤外周の都市名リングと回転ベゼルによって複数のタイムゾーンの時刻を確認できる、世界初の腕時計型クロノグラフとして知られる。アメリカ大統領のハリー・S・トルーマンや、第二次世界大戦中に米軍パイロットたちに愛用されたことでも、その名を知られるようになった。
ブランド復活の第1弾として登場したのは、「フライング オフィサー」「マルチクロン パイロット」「マルチクロン スポーツ」と、創業200周年を記念した手巻きモデル「ギャレ クラシックス」の計4コレクション。
おすすめは、ブランドのフラッグシップを担う「フライング オフィサー」だ。3針のオートマチックモデルも用意されているが、注目したいのはやはりクロノグラフ。クラシックなポンプ型プッシュボタンを備え、文字盤はスカイブルーとブラックの2色を展開する。
ロザンジュ(菱形)針を採用し、9時位置にスモールセコンド(小秒針)、3時位置にクロノグラフの30分積算計を配した、クラシックなツーインダイヤルスタイルも魅力だ。文字盤外周には世界24都市を記したホワイトリングを備え、12時間スケールの回転ベゼルと組み合わせることで、時差の簡易的な計算もできる。
また、ムーブメントのパワーリザーブは約65時間を確保。工具を使わずにブレスレットやストラップが交換できる「クイックリリース ストラップシステム」を採用するなど、使い勝手は現代的で、ディテールの仕上げも素晴らしい。60万円台前後という価格も魅力的。機械式クロノグラフの購入を近々考えているなら、ぜひ実機に触れてほしい1本だ。
GALLET(ギャレ)/フライング オフィサー クロノグラフ 40
Ref. AG2301131C1W1、価格:58万9600円(税込)ケース径:40mm
ムーブメント:自動巻き(Cal.Gallet 23)
パワーリザーブ:約65時間
ケース:SS
ブレスレット:ファブリック、レザー、ラバー
防水性能:10気圧(100m)
※SSモブレスレットモデル: 62万2600円(税込)
お問い合わせ先
ハウス・オブ・ブランズ ジャパン TEL:0120-105-707
Text : Yasuhito Shibuya

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