シルバーで魅せる端正なクロノグラフ パネライ「ルミノール ルナ・ロッサ クロノ」

2026.09.10 07:00
イタリアの古都フィレンツェにルーツを持つ「パネライ」は、スポーツウォッチ、ダイバーズウォッチの世界で特別な存在だ。伝統に根ざした独自のデザインで、男性を中心に時計ファンを魅了し続けている。
1860年にジョヴァンニ・パネライが時計店兼時計工房として創業した同社は、優れた工作技術でイタリア海軍へコンパスや深水計などの軍用精密機器を納入する指定業者となった。そうした需要を背景に、1916年には、暗闇や水中での視認性を劇的に向上させる、ラジウムをベースとした自社特許の発光物質「ラジオミール」を開発した。そして1930年代半ばに、当時のイタリア海軍潜水特殊部隊から水中工作活動用のダイバーズウォッチの製作依頼を受け、1938年に初代「ラジオミール」を納入。ここから同社のダイバーズウォッチの歴史が始まった。
1940年代末には、より安全性の高いトリチウムベースの発光物質「ルミノール」を開発し特許を取得。さらに1950年代には、現在もパネライの象徴であるレバーロック機構付きのリューズプロテクターを備えた「ルミノール」が誕生した。ただし、これらの技術や時計はいずれも軍事機密扱いだったため、一般に知られる存在ではなかった。
そんなパネライが表舞台に登場したのは、ソ連の崩壊で東西冷戦が終結した1990年代。1993年に「ラジオミール」「ルミノール」の一般販売を開始した。転機となったのが1995年。映画『デイライト』の撮影でイタリアを訪れていたハリウッドスター、シルベスター・スタローンがパネライを“発見”したことだ。
軍用時計らしい無骨さと、シンプルな機能美に魅了されたスタローンは、自ら映画のなかで着用し、友人へのプレゼント用にも特別発注した。そしてもうひとつの転機が、1997年に現在のリシュモングループに買収されたことだった。時計フェアへの出展を通じ、知名度を高め、一躍世界的な人気ブランドへと成長した。
パネライは2019年から、ヨットレースの最高峰「アメリカズカップ」に参戦するイタリア唯一の常連チャレンジャー、ルナ・ロッサの公式スポンサーを務めている。正式名称は「ルナ・ロッサ・プラダ・ピレリ」。2021年の第36回大会(オークランド)では決勝に進出するなど、実績を持つ有力チームだ。これを機に、両者によるコラボレーションモデルの展開もスタートした。
その最新作が、2027年にナポリで開催される第38回アメリカズカップに向けて発表された2モデルのうちのひとつ。クロノグラフ仕様の「ルミノール ルナ・ロッサ クロノ PAM01768」だ。
大人の日常に取り入れるなら、このモデルのいちばんの魅力は、サテン仕上げを施した直径44mmのSSケースと、ロジウム調シルバーのサンブラッシュ仕上げ文字盤だ。ケースと文字盤をシルバーで統一した、端正な色遣いが印象的。ルナ・ロッサを象徴するレッドは、クロノグラフ秒針と3時位置の分積算計、「LUNA ROSSA」の文字が織り込まれたベルクロストラップのセンター部分にのみ配されている。
ヨットレースのコラボレーションモデルといえば、ヨット用のカウントダウンタイマーを搭載したものをイメージするかもしれない。だが、このモデルが文字盤外周のベゼルに採用したのは、平均時速を計測できる「タキメータースケール」だ。日常使いを考えれば、こちらのほうが汎用性は高く、賢明な選択といえるだろう。
改良されたベルクロストラップの装着感も快適。さらに汗や水に強い交換用のラバーストラップも付属する。ひと目でパネライと分かるリューズプロテクターを搭載しながら、ビジネスシーンにも取り入れやすい、落ち着いたスポーツウォッチに仕上げられている。
もうひとつのコラボモデル「ルミノール ルナ・ロッサ GMT」は、名前からも分かるように、海外旅行や海外とのビジネスにも適したGMT(デュアルタイム)モデルで、「ルナ・ロッサ」初のSSブレスレットを採用している。GMT機能を求める人はもちろん、ストラップよりブレスレットを好む人におすすめしたい1本だ。
PANERAI(パネライ)/ルミノール ルナ・ロッサ クロノ
価格:Ref.PAM01768 171万6000円(税込)ケース径:44mm
ムーブメント:自動巻き(Cal.P.9210)
パワーリザーブ:42時間
ケース&ブレスレット:SSケース
防水性能:100m
お問い合わせ先
オフィチーネ パネライ TEL:0120-18-7110
Text : Yasuhito Shibuya

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