熊本地震からい草産業の技術を守る。日本の畳を未来へつなぐ木村整経所の挑戦

2026.08.27 10:44
度重なる災害で心が折れかけても、3代続く木村整経所を諦めたくない。国産畳の98%を支える熊本県八代市で、工場を再建し、畳づくりに欠かせない「整経」の技術を守ります工場を再建し、3代の技術と畳文化の未来をつなぐ
熊本地震によって被災した木村整経所の工場を修繕し、畳づくりに欠かせない『畳の糸(経糸:たていと)』をつくる技術を次の世代へ残すこと。そして、危機に瀕している熊本・八代のい草産業を足元から支えていくことが、このクラウドファンディングの目的です。
木村整経所の工場外観

畳づくりに欠かせない「整経所(せいけいじょ)」とは
「整経」とは、い草を織り上げて畳表(たたみおもて)をつくる際に必要な「経糸(たていと)」を均一な張り・本数で準備し、専用のビーム(糸巻き)に整然と巻き取る非常に繊細な工程のことです。
整経所が作るこの糸の準備があって初めて、い草農家さんは織機で美しい畳を織ることができます。まさに、畳の品質と生産を根底から支える裏方であり、決して欠かすことのできない重要な存在です。
畳の経糸を巻く整経機

被災した工場を修繕し、ものづくりを守る
工場は単なる建物ではありません。これまで培ってきた技術を守り、畳産業を支え、次の世代へ仕事をつないでいくための大切な場所です。いただいたご支援の一部を工場の修理・整備費用に充て、これからも安心してものづくりを続けられる環境を整えたいと考えています。
震災後の工場2Fの様子
震災後の工場1Fの様子
震災後、倒れた整経機
震災後の工場横、倉庫の様子国産い草シェア98%を誇る八代市を襲った、激震と危機
熊本県八代市は、畳の原料である「い草」の日本一の産地であり、全国の国産シェア98%を誇っています。かつて平成元年には約7,000件あったい草農家も、時代の変化とともに現在は約200件にまで減少していました。
そこへ追い打ちをかけたのが、今回の熊本地震です。
地震によって農家さんは納屋や織機が破壊され、田んぼには亀裂が入って水がたまらない状態になりました。さらに用水路の損壊により水が行き届かず、「い草を栽培したくてもできない」状態が数年も続く農家さんが出ています。この影響により、現在200件ある農家が100件〜150件にまで激減してしまう可能性が懸念されているのです。
農家さんだけではありません。八代市内に6件あった「整経所」も、地震の被害によって半分にまで減ってしまうと予想されています。
もし整経所がなくなり、い草農家さんがいなくなってしまえば、日本の伝統である「国産の畳」そのものが手に入らなくなってしまう――。今、八代のい草産業はまさに存続の危機に立たされています。
い草農家さんのい草を織る織機の写真
震災後、い草農家さんのい草を織る為の建物の様子
震災後、い草農家さんのい草を織る為の建物の様子

諦めかけた、けれど、もう一度前を向く決意
正直に言うと、もう続けることを諦めかけていました。度重なる災害によって工場が大きな被害を受けたとき、『また一から立て直さなければならないのか』と、これまで持ち続けてきた気持ちが折れそうになったのです。『ここで終わりにしてもいいのではないか』そんな思いが頭をよぎったことも事実です。
しかし、心に残ったのは3代にわたって続いてきた木村整経所の存在でした。長い年月をかけて受け継いできた技術、八代の畳づくりを支えてきた仕事、そしてこの地に息づくい草の文化。自分たちの代でその灯を消してしまえば、ただでなく減少している八代の整経所がさらに減り、地元のい草農家さんや畳産業全体にも大きなダメージを与えてしまう。
『自分たちが踏みとどまり、もう一度挑戦する意味がある』そう思えたのです。

技術を守り、世界へつなぐ
工場を直すことは、過去の状態に戻すことだけが目的ではありません。今回の復旧を、木村整経所が次の時代へ進むための新しいスタートにしたいのです。技術を守り、使われずに残る素材に新しい価値をつくり、そして熊本・八代から世界へ届ける。伝統産業を『守る』だけではなく、今の時代に合った形へ変化させながら、新しい仕事や市場を生み出していく。
在りし日の2代目と3代目
木村整経所を営む夫婦被災した工場を修繕し、地域の産業と技術を守る
工場は単なる建物ではありません。これまで培ってきた技術を守り、八代のい草農家さんを支え、次の世代へ仕事をつないでいくための大切な拠点です。
いただいたご支援は、被災した工場の修理・整備費用に充てさせていただき、これからも安心して「畳の糸」を作り続けられる環境を整えます。私たちが整経を続けることで、い草農家さんが安心して畳を織り続けられる未来を守りたいと考えています。

技術を守り、日本の畳の未来へつなぐ
工場を直すことは、ただ過去の状態に戻すことだけが目的ではありません。今回の復旧を、木村整経所が、そして八代のい草産業が次の時代へ進むための新しいスタートにしたいのです。
どんなに困難な状況であっても、3代続いてきた技術を、次の世代へ、そして日本の畳文化の未来へつなぎたいという想いは変わりません。皆さんの温かいご支援が、八代のい草産業を守る大きな第一歩になります。どうか力をお貸しください。
【復興スケジュール】
R8年9月上旬: 補修工事開始
R8年9月:クラウドファンディング終了
R8年10月下旬: リターン発送 
R8年12月中旬: 補修工事完了

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