デザイナーの腕時計愛とこだわりが炸裂! 「こだわりすぎた腕時計展」開催中

2026.03.17 20:00
普段何気なく見たり使ったりしている腕時計。その内側には、人間の叡智ともいうべき無数のこだわりが詰まっている。そんな腕時計に潜む「こだわり」をさらに深く掘り下げたら……? セイコーウオッチのデザイナーたちがそんなテーマで考えた腕時計が集まった展覧会が、東京・南青山で3月29日(日)まで開催中だ。
この「power design project 2026 こだわりすぎた腕時計展」は、セイコーウオッチ株式会社が腕時計の新たな可能性を育み、腕時計のさまざまな楽しさを体験できる活動「Seiko Seed(セイコーシード)」の一環として展開している「power design project」の展覧会。同プロジェクトが2022年に復活して以降、今回が4回目の開催となる。

これまでもさまざまなテーマでユニークな腕時計のアイデアを実際に形にしてきた「power design project」。今回のお題はずばり「腕時計への偏愛」だ。7人のデザイナーがそれぞれに腕時計に込められた独特の要素を抽出し、それを深掘り。腕時計の新たな魅力を見せてくれる、7つの超個性的なモデルが誕生した。
そこにこだわったか……偏愛ダダ漏れの愛すべき腕時計たち
今回、デザイナーたちが引き出した腕時計のこだわりポイントはどれも、腕時計を愛し、よく知らなければたどり着けない、とてもマニアックなものだ。しかしどれも、腕時計としての機能を損なわないばかりか、モノとしてもしっかりとかっこよかったり、かわいかったりする仕上がりになっているのはさすがである。
こだわりポイント① 切削痕
助田直也氏が手掛けたのは、腕時計の製造過程で生まれる「切削痕」に着目した1本。切削痕とは一般的に、何かを切ったり削ったりしたときに残る痕のこと。腕時計作りにおいても、金属の塊からパーツを削り出す際に、表面にこの切削痕が現れる。通常はきれいに整えられてしまうこの痕を、あえてデザインの一部として取り入れたらどうなるか――というのがこの腕時計だ。緻密にして豪胆な削りの痕跡が、腕時計に新たな表情を与えている。
こだわりポイント② 球面
石原悠氏による作品は「球面」がテーマ。腕時計ではケースの上面やダイヤルを覆うガラスに用いられることの多い球面を、腕時計全体に広げたら? そんな発想から、とてもおもしろい形状と質感をもった腕時計が誕生した。複数のパーツを組み合わせながら、全体で完璧な円弧を描くその造形美は、緻密なものづくりの奥深さも教えてくれる。
こだわりポイント③ 型打ち
松本卓也氏は「型打ち」と呼ばれる技術に注目。これは金属板の表面に型を押し当てることで微細な模様を表現する技法だ。模様の深さはおよそ100分の1mm単位でコントロールされ、小さな腕時計のダイヤルに豊かな表情をもたらす。デザイナーが「究極の立体芸術」と呼ぶこの「型打ち」を駆使して作られたダイヤルは、一見(もちろんルーペで)の価値ありだ。
こだわりポイント④ 手巻き
伊東絢人氏がこだわったのは、腕時計の原点ともいえる「手巻き」の機構。りゅうずを回してゼンマイを巻くことで、針を進める駆動力を生み出す「手巻き」を、デザイナーは「人と機械をつなぐ絆」と表現する。そんな腕時計との関係性を最大化したのがこのモデル。なんとりゅうずと回転ベゼルをギア化し、ベゼルを回すことでゼンマイが巻かれるという仕組みにたどり着いた。大きなベゼルを回すときの手応えがたまらない。
こだわりポイント⑤ 棒略字
棒? 略字? と、ここまで出てきたポイントのなかでも、おそらく最も分かる人が少ないであろう「棒略字」。これは腕時計のダイヤル上にある、針の位置を示す棒状の目盛りのことだ。その棒略字を盤面全体に埋め込んだのが、和田実穂氏による作品。エッジの立った棒略字がキラキラと光を反射する様子は、うっとりするほど美しい。
こだわりポイント⑥ 曜日表示
腕時計が日付や曜日を教えてくれるようになって、どれほどの年月が経ったのだろう。針と一体となって文字が巡っていくその不思議な機構は、時間の流れがじっくりと積み重なっていくさまを感じさせる。そんなノスタルジックな曜日表示に思いを馳せながら作られたのは、一見するととてもシンプルな腕時計。しかしそこには、進んでいく時間をポジティブに捉えたいというデザイナー・長谷川明弘氏の願いが込められている。
こだわりポイント⑦ 手針
最後に紹介するのは、大森由紀氏による、ネコがかわいい腕時計。針がネコの手になっていて、時間が進むとともにぐるぐると回る。このようにキャラクターの腕や手の形になった針のことを「手針」と呼ぶそうだ。立体感を出すために角度がつけられたデザインは、真上から見るとまるでそこに小さなネコがいるようで、見飽きることがない。
以上7つ、実際に間近で見ると、ここには書ききれなかった魅力にも出会えるはず。腕時計についてより深く知ることのできる展覧会となっているので、ぜひ会場に足を運び、デザイナーたちの思いを体感してほしい。
【開催概要】
会場:LIGHT BOX STUDIO(東京都港区南青山5丁目16-7)
会期:2026年3月14日(土)~2026年3月29日(日) 11:00~20:00
※入場は19:45まで/会期中無休

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