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都市サイズに詰め込まれた“ジープらしさ” ジープ「アベンジャー4xeハイブリッド」
BRUDER
2026.03.13 07:00
これまでBEV(電気自動車)のみで展開していたジープの最小モデル「アベンジャー」に48Vのマイルドハイブリッド(MHEV)モデル「アベンジャー4xeハイブリッド」が追加された。前輪駆動だったBEVに対し、こちらはジープらしいAWDモデルとなる。
BEVでおなじみのスタイリングは、すっきりとした直線基調。ジープファミリーの中では「ラングラー」というより「グランドチェロキー」や「コンパス」の延長線上にあるデザインだ。BEVとの違いはバンパー形状やルーフレールなどの装備、さらにグッドイヤーのオールシーズンタイヤを標準装備している点などに見て取れる。プラットフォーム的にはアルファロメオ「ジュニア」やフィアット「600ハイブリッド」と兄弟関係にあり、ボンネットの下には1.2リッターの3気筒ターボエンジンと駆動用モーター、そして6速DCTを組み合わせたパワートレーンが収まる。兄弟車と異なるのはAWDの仕組みで、リアに駆動用モーターを搭載することで四輪駆動を実現している。
ボディサイズはトヨタ「ヤリスクロス」やレクサス「LBX」に近い。ちなみに、これまでジープの末っ子だった「レネゲード」より全長は約15cm短い。まさに都市生活にフィットするサイズ感といえるだろう。
室内のデザインも直線基調のダッシュパネルで機能的にまとめられている。ざっくりとした質感のファブリックと合皮で仕立てられたシートは4xe専用で、なんと水をかけて丸洗いすることもできるという。ジープ最小モデルとはいえ、一般的なSUVとは違う“アウトドアギアとしての本気度”を感じさせる作り込みだ。
スタートボタンを押してもエンジンは目を覚まさない。静寂のままクルマはスタンバイする。アクセルをそっと踏み込むと、アベンジャーはスッと静かに動き出す。
一般的なMHEVはモーターのみでの走行ができない場合が多いが、このステランティスのシステムは時速30kmまでモーターのみで走行可能。街中ではまるでBEVのような静けさでスルスルと進む。そこへエンジンが加わる瞬間も驚くほど自然で、加速はあくまで滑らかだ。BEV版より約90kg軽い車重も、この軽快なドライブフィールに貢献しているのだろう。信号の多い市街地を走っていても、コンパクトなボディと電動アシストの軽やかさが相まって、思わず遠回りしたくなるほど気持ちいい。
走行中にメーターパネルの駆動表示を確認していると、街中では前輪駆動で走る場面が多かった。だが今回の試乗ではオフロードも体験することができた。ジープ独自の走行モード切替「セレクテレイン」でサンド&マッドを選択すると、クルマの性格は一変する。リアモーターが主体となり、後輪から力強く路面を蹴り出す。タイヤが空転しそうになると、瞬時に前輪の駆動が加わり、クルマ全体が安定したトラクションを確保する。前後の駆動系が機械的に直結していない電動AWDだからこそ、状況に応じた効率的なパワー配分が可能なのだろう。
滑らかで賢いパワートレーンと同じくらい印象的だったのが、車体のカッチリとした剛性感と乗り心地、そして静粛性だ。コンパクトSUVの枠を超えた骨太な感触があり、思わず「小さな高級車」という言葉が浮かぶ。アベンジャー4xeハイブリッドは、フランスのプジョー・シトロエンが中心となって開発したCMP2プラットフォームに、ジープの設計思想を組み合わせて完成したモデルだ。そのグローバルなコラボレーションが、両者の長所を際立たせていると感じる。
フロントもリアも空間には余裕があり、ヘッドクリアランスも十分。フロントのセンターコンソールには大きな収納スペースが設けられ、使い勝手もよさそうだ。リアのラゲッジスペースは車格相応だが、シートバックを倒せばキャディバッグも縦方向に積載できる。ファミリーカーとしても効率よく使えるし、普段使いのセカンドカーとしても頼れる存在になるだろう。都市部でも突然の降雪が珍しくなくなった今、「頼れるジープ」がそばにいる安心感は大きい。コンパクトなボディの中に、ジープらしい機能性と走破性をぎゅっと詰め込んだ一台だ。
ジープ アベンジャー4xeハイブリッド 車両本体価格 499万円(税込)ボディサイズ | 全長 4120 X 全幅 1775 X 全高 1600 mmホイールベース | 2560 mm車両重量 | 1480 kgエンジン | 直3気筒 ターボ排気量 | 1199 cc最高出力 | 136 ps(100 kW)最大トルク | 230 N・mフロントモーター最大出力 | 9 ps(6.3 kW)リアモーター最大出力 | 29 ps(21 kW)変速機 | 6速 DCTお問い合わせ先www.jeep-japan.com
Text : Takuo Yoshida
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