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雪解け水だけで作ったお米も!?絶品トラ男米の秘密。
JK RADIO TOKYO UNITED
2016.03.04 10:50
若手のお米農家、しかも男前が作ったお米を販売しているのが
「トラ男」です。《トラクターに乗る男前集団》。略して“トラ男”。
プロデューサーは、秋田県出身の武田昌大さん。
まずは、トラ男を結成することになったその道のりをたどります。
武田さんは大学卒業後、当時の夢だったゲーム会社に就職。
このころまでは、地元への特別な想いはありませんでした。
20代の半ば、転機が訪れます。

「たまたま25歳くらいのときに正月、実家に帰省するタイミングがあって。朝見た風景が、人も全然いないしシャッター街になっていて。元気がないということにショックを受けたんです。それで、自分が生まれ育った場所、地元を元気にできるようなことをしたいなと思ったのが最初のきっかけで、じゃあ何をやろうかと。
いろいろ調べるなかで農業に出会うんですね。秋田県は食料自給率が2位。北海道が1位で、この東京は1%で最下位なんですけど、秋田県は2位で174%あると。それくらい秋田県は農業が強みなんだけれども、高齢化も日本一進んでいて。その強みであるお米を作っている農家さん自体、70%が65歳以上、つまりほとんどお年寄りになっていて、10年20年先を考えたときに、作り手がいなくなってしまう。じゃあ自分は農業から秋田を活性化していくことがしたいなと思って、農業に入ってきました。」

しかし、武田さんの実家は農家ではありませんでした。
まずは、農業を知ろう。月曜から金曜までは東京でゲーム会社に勤務。
週末を利用して帰省し、農家さんをめぐる日々が始まります。

「土日で秋田に帰って、アポなしでその辺の畑とか田んぼで働いている人を見かけたら、『すいません、東京から来たんですけど農業を教えてください』という感じで話を聞きにいく、という。そんな感じで3ヶ月かけて100人の農家のもとを回ったんです。100人に聞くなかで、ここが問題だな、というのが2つあって、ひとつ目がまったく稼げない。じゃあなんでそんなにもらえないんだと見て行ったときに、ふたつ目の問題が流通で。100人それぞれ、あきたこまちを作っていても、作っている人とか作っている田んぼとか作り方が全然違うんですね。ほんとは100通りのあきたこまちがあるんですけど、全部混ぜられて一つのあきたこまちとして販売されてしまうんです。」

農業をめぐる厳しい状況を目の当たりにした武田さん。
こんなことを考えました。
直接お客さんにお米を届け、お客さんの声を聞けるような仕組みを作ろう。
次に取り組んだのは、一緒にプロジェクトを進める若手のメンバー集めでした。

「100人に触れ合ったときに出会った3人がメンバーになりました。
ひとりが、燃える愛菜家TAKUMI。
彼の田んぼは2つの川が合流する地点で、ピンポイントで土壌がいいんです。肥沃な土壌だということで、すごくもっちりとした、冷めても甘みのある、お弁当とかおむすびにもぴったりなTAKUMI米がひとつ。
ふたり目、金色の山男YUTAKAは、東京タワーよりも高い山の上でお米を作っていて、100年続く棚田ですね。そこは水にもこだわっていて、となりに1500メートルくらいの森吉山という山があるんですけど、その山から水路を8キロ、手作業で掘っていて、雪解け水しか田んぼにひかないという。先々代が手作業で作った水路なんだそうです。その脇には、山わさびがはえちゃうくらい水がきれいなのが特徴です。
最後のひとりは、水田の貴公子TAKAO。世界自然遺産の白神山地が秋田県にあるんですけど、1年の半分は雪に閉ざされていて。8000年間、開発の手が入っていないという原生林が保たれているのが白神山地で、ミネラル豊富な水をひいている、というのが特徴のTAKAO米の3種類です。
同世代でやる気もあって専業農家で、なおかつ男前っていう農家を3人集めました。」

インパクトのある“トラ男”という名前。
これは、どうやって決まったのかというと…

「ノートを使って、左側に農業系のワードを書いていくんです。“田んぼ”とか“長靴”とか書いていって、右側に男系のワード、“王子”とか“ボーイ”とか書いていって、ひたすら組み合わせるという日々を送ったんです。そのなかで“トラ男”、《トラクターにのる男前》っていうのと、《田んぼ×ボーイ》で“田んボーイ”。この2つが候補としてあがったんです。僕は『男』っていう字に結構こだわりを持っていて、『田んぼに力』と書いて『男』なんですよね。」

秋田県の若手お米農家集団、“トラ男”。
2010年にウェブサイトを立ち上げて、お米の販売をスタート。
その後、武田昌大さんは会社を設立。
トラ男の活動を加速させていきました。
さらに、武田さんはトラ男を続けるなかでもうひとつ、
秋田を活性化するプロジェクトを始めました。

「地域活性って2つ方法があって、ひとつは地域のものを外に出して、売ってお金をもらうパターン。もうひとつは地域に人を連れてきてお金を落とすパターン。この2つなんですけど、トラ男はものを売ってお金だけ入ってくるパターン。つまり人は賑わわないんです。だから最初に感じた“人がいない”ってことは、トラ男ではクリアできないんですね。これは外貨を稼ぐパターンではあるけれど、人は増えないっていうことに気づいて、いまShare Villageという別の仕事をやってるんですけど、古民家を交流拠点として外から人を呼び込むという仕組みを作っています。
築133年の茅葺きの古民家をリノベーションして宿泊できる仕組みにして。茅葺き屋根って維持費にすごくお金がかかるので、年間の維持費を多くの人でシェアするっていう仕組みにしたんです。それを年会費として1年に一回払ってくださいと。年会費を年貢と呼んで、年貢3000円収めたら誰でも村民になれます、というShare Villageという仕組みを作ったんです。」

2015年5月にスタートした『シェア・ヴィレッジ』によって、
すでに3組の移住者が生まれました。
そして、秋にはグッドデザイン賞も受賞。
武田さんのアクションに、日本全国から注目が集まっているのです。

「秋田県は課題先進県というか、人口減少も日本一だし少子高齢化も日本一。どの県も向かって行く先は秋田なんです。そういったモデルになっているというか、トラ男にしてもそうだし、Share Villageもそうですが、みんなの共通の課題を解決していきそうなモデルだから、みんな注目しているんだと思います。
トラ男に関していうと、より多くの若手の農家とチームが組めたら、というのは思っています。若手の農業を盛り上げていきたいというのがあるので、どうしたものかなとずっと考えてはいるんです。そして農家を増やした先には、今度は農業をやりたい人を巻き込める。新規就農したいっていう人たちも巻き込めるモデルにしたいんです。だから今いる若手の農家たちがしっかり農業できる仕組みができて、基盤ができて。そして、その人たちのところに教わりに来るというか、農業やりたいんですっていう人たちとここをつなげる、というのが今後の未来かなと思っていて。」

さまざまな町から武田さんのもとに、講演の依頼が殺到しています。
日本の未来に待ち受ける課題を解決するヒントとして、人々が耳を傾けているのです。

ひとりの 故郷を愛する青年の情熱に。
その情熱が呼んだ、いくつもの情熱に。


● 毎週日曜日に、都内でもトラ男のお米が食べられるカフェがオープン!!
トラ男のCAFE & BAL
日時:毎週日曜日 お昼12時〜23時
場所:HATCH (浅草駅より徒歩7分)
住所:東京都江東区浅草6-1-16 HATCHビル


~このストーリーは、FMラジオ局J-WAVEの番組JK RADIO TOKYO UNITED
(ナビゲーター:ジョン・カビラ)でも紹介されました。毎週金曜朝10時40分からさまざまなプロジェクトのHidden Storyをご紹介中。スマートフォンやパソコンでも聴くことができます。番組サイトは「さらに見る」からチェックしてください~ 

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