ついに軽クロスオーバーそろい踏み! デリカミニ・スペーシアギア・タントファンクロスは「どれが買い」か徹底比較した

2023.05.08 17:20
この記事をまとめると
■三菱デリカミニが正式デビュー
■スーパーハイト系軽自動車のクロスオーバーモデル3台が出揃った
■デリカミニ、スペーシアギア、タントファンクロスを徹底比較
軽クロスオーバーモデル3台を比較
  空前のアウトドアブームの今、ついに手軽にアウトドアを楽しめ、走破性にもこだわった三菱の軽クロスオーバーモデル、あのデリカの車名を引き継ぐ、ekクロススペースをベースに仕立てられたデリカミニが正式デビューした。これで、スーパーハイト系軽自動車のクロスオーバーモデル、つまり、デリカミニ、スペーシアギア、タントファンクロスの3台が出揃ったことになる。
  ここではそんな3台の走行性能、パッケージを比較してみた。アウトドアに連れていくなら、悪路の走破性や荷物の積載性も気になるところ。
  まず、3車のルックスだが、顔つきはどれもワイルドで、アウトドアに似合いすぎるほど似合う、ゴツさあるデザインが与えられている。デリカミニはもちろん、兄貴のデリカD:5を思わせる、しかしどこか犬顔にも見えるデザイン。スペーシアギアは意外に下半身のドッシリ感が強調された、ギア感と安定感を強調した顔つき。タントファンクロスはワイルドさと下半身の力強さをアピールする面構えが頼もしい。
  そして大いに気になる走破性にかかわるスペックだが、その実態は”ミニバンの皮をかぶった本格SUV”であるデリカの車名が与えられたデリカミニはもちろん、NA、ターボエンジン、FFと4WDの駆動方式を用意するが、駆動方式の本命は受注比率約60%とも言われる4WDのほうだろう。何しろ、最低地上高はFFの155mmに対して160mmと5mmUP。デビュー前の期待値では180mmぐらいを予想していたので、ちょっと肩透かしをくらった感じだが、4WDは専用サスが奢られ、走破性にそこそここだわったデリカミニと表現することができそうだ(未試乗)。
  このカテゴリーの先駆者とも言えるスーパーハイト系軽自動車のクロスオーバーモデルがスペーシアギア。エンジンはNA、ターボともにマイルドハイブリッドを採用し、駆動方式はFFと4WD。最低地上高は全車150mmと、標準スペーシアと同一。つまり、なんちゃってクロスオーバーモデルと言えるかも知れない。
  つい最近、クロスオーバーモデルのバリエーションが追加されたのが、ミラクルオープンドアでも有名なタントのファンクロス。NA、ターボエンジン、FF、4WDの用意があり、最低地上高は標準型タントでもFFの150mmに対して4WDは165mmと、元々、4WDには余裕ある最低地上高を与えていたモデルである。ファンクロスはタントのデザインをクロスオーバー風に仕立てたモデルゆえ、ファンクロスの最低地上高も標準車に準じたFF150mm、4WD165mmとなる。つまり、悪路、雪道の走破性にかかわる4WD基準での最低地上高の余裕ではタントファンクロス→デリカミニ→スペーシアギアの順になる。
  坂道に対応する機能では、デリカミニにはグリップコントロール、ヒルディセントコントロールが駆動方式にかかわらず用意され、滑りやすい路面の発進、急坂での車速制御(約4-20km/h)をコントロールしてくれるから安心である。このあたり、さすがデリカを名乗るだけのことはある。
  また、デリカミニはタイヤもFFと4WDではサイズが異なり、FFは155/65R14または165/55R15なのに対して、4WDは165/60R15サイズの大径タイヤが、4WD専用サスペンションとともに奢られているのである。ここまででも、デリカミニの本格さが伝わってくるではないか(スペーシアギアとタントファンクロスにはヒルホールド機能あり)。
  もちろん、3車ともに撥水シート生地が用意され、SURF & SNOWスポーツやアウトドアライフでの使いやすさは文句なし。さらに荷室の使い勝手を比較してみると、開口部地上高は全車590~620mmの範囲。世界のステーションワゴンの平均値が620mmだから、どれも重い荷物の出し入れ性に優れていると言っていい。
もっとも商品力が高いのはデリカミニ!
  肝心の荷物の積載性にかかわるスペースは、デリカミニが奥行290~675mm、最小幅885mm、高さ1070mm~。スペーシアギアは奥行240~480mm最小、幅960mm、高さ1155mm~。タントファンクロスは奥行260~460mm、最小幅875mm、高さ1040mm~(奥行の数値は後席スライド位置による)。つまり、荷物の積載性に大きくかかわる奥行では、後席スライド量が320mmもある(スペーシアギア210mm、タントファンクロス240mm)デリカミニが圧勝。
  さらに、3車ともに荷室フロアは汚れや水気に強い素材を使用し、後席を倒した際の後席の背面も同様の素材だから、後席格納時でも荷物をガンガン積み込むことができる。大型犬などペットを乗せるにも適していると言っていい。
  ところで、それぞれの車種のベースとなったスーパーハイト系軽自動車は両側スライドドアからの乗降性の良さ、後席のMクラスボックス型ミニバンに迫る室内空間の広さも大きな魅力。しかも、デリカミニは軽自動車にして贅沢なハンズフリーオートスライドドアを採用。両手に荷物を持っている、荷物を持ちつつ愛犬を引いている……ような状態でも、スライドドア下に足を出し入れすることでスライドドアを開閉できて超便利。
  デリカミニのプレミアムグレードとスペーシアギア全グレードには天井にサーキュレーターが完備され、大容量の室内空間で後席エアコン吹き出し口がなくても、後席の空調環境はより快適になるのである。ちなみに寒い時期にありがたい前席シートヒーターはデリカミニとタントファンクロスに装備されている。
  こうした軽クロスオーバーモデルは、アウトドアやキャンプ、SURF & SNOWスポーツを楽しむため、遠出する機会も多いはずで、ターボモデルを選べばかなり快適な移動が可能になる。その際、高速道路を使うことにもなるのだが、そこで威力を発揮してくれるのがACC(アダプティブクルーズコントロール)。3台ともに全車速域対応とあるのだが、やはり電子パーキングブレーキとオートブレーキホールド機能が付くデリカミニとタントファンクロスが有利なのは言うまでもない。ちなみに渋滞時に有効な停止保持時間はデリカミニが約3秒、タントファンクロスはなんと約3分(トヨタ基準でもある)と、使い勝手がよりいい。スペーシアギアは約2秒である。
  もちろん、デリカミニとタントファンクロスはオートブレーキホールド機能が付いているため、日常での一時停止などでブレーキペダルを踏み続ける必要がなくなり、右足の負担を大きく提言してくれるのだ。
  というわけで、オールラウンダーとしての商品力は、デリカミニ→タントファンクロス→スペーシアギアの順になると考えていいだろう。とくにデリカミニの先進運転支援機能、MIパイロット(日産でいうプロパイロット)を含む装備の充実度からすれば、最上級グレードのTプレミアム4WD(ターボ)の223.85万円でもかなりリーズナブルに思えてくるほどだ。なお、オールラウンダーとしての実力をいかんなく発揮してくれるターボ×4WDのWLTC燃費性能はデリカミニが17.5km/L、マイルドハイブリッドのスペーシアギアが19.2km/L、タントファンクロスが19.6km/Lとなる。

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