この記事をまとめると
■ノアはトヨタのMクラスミニバン
■2022年のフルモデルチェンジで4代目となった
■トヨタ・ノアの現行モデルを徹底解説
2022年にフルモデルチェンジ!
箱型ミニバンの代名詞とも言えるトヨタ・ノア。2022年に4代目となる現行モデルが登場しましたが先代からどのような進化を果たしているのでしょうか。
今回は新型ノアについて特徴や価格など詳しく紹介していきます。
Mクラスミニバンにおいて高い人気を誇るノアが2022年にフルモデルチェンジを受け4代目がデビュー。姉妹車となるヴォクシーも同時にフルモデルチェンジされましたが、エスクァイアは廃止されました。
新型ノアには先代同様、標準モデルとエアロタイプを設定。ちなみにヴォクシーはエアロタイプのみが用意されています。
標準モデルとエアロタイプの違いは主にフロントマスクのデザイン。エアロモデルは大きなグリルとランプまわりをひとくくりにしたデザインを採用。標準モデルはグリルの開口部がエアロタイプと比べて小さくなるなど、シンプルなデザインを身につけました。
ファミリーカーとして人気のノアとは?
日産・セレナ、ホンダ・ステップワゴンとともにMクラスミニバン市場で高い人気を誇るノア。2001年に登場した初代はタウンエースの後継モデルとして開発され、初代ステップワゴンが切り開いた5ナンバーサイズのFFミニバン市場に投入されました。
その後、2007年に2代目、2014年に3代目がフルモデルチェンジを受けデビュー。初代から姉妹車にヴォクシーをラインアップし、ミニバン市場を牽引するモデルとして現在まで販売されています。
新型ノアはどこが変わったの?
先代と比べて新型ノアは全長こそ変わらないものの、全幅が全車1730mmの3ナンバーサイズとなったことが特徴です。
新型ノアのボディサイズは全長4695mm、全幅1730mm、全高1895〜1925mm。ホイールベース2850mm。先代モデルは全長4695mm(エアロ系は4795mm)、全幅1695mm(エアロ系は1735mm)、全高1825〜1870mmだったため、全幅以外に大きな変更はありません。
全幅を広げたことでは室内幅が拡大。Cピラー間は先代から75mm拡大しています。
ライバルとボディサイズを比較してみると日産セレナが全長4690mm、全幅1695mm、全高1870mmと5ナンバーサイズを維持。
もうひとつのライバル車となるホンダ・ステップワゴンは全長4800mm(スパーダ&プレミアムラインは4830mm)、全幅1750mm、全高1840〜1845mmと全幅のみならず、全長も5ナンバーサイズを超えているのが特徴です。
最新の安全システムが搭載されている
先代同様、新型ノアにはトヨタの先進安全技術「トヨタセーフティセンス」を装備。ただし最新仕様にアップデートされています。
衝突被害軽減ブレーキ「プリクラッシュセーフティ」は前方の車両や歩行者、自転車などの検知に加えて、交差点右折時の対向車や交差する二輪車を検知するなど運転支援を拡大。
スライドドアからの降車時にブラインドスポットモニターのセンサーを活用して後方からの接近車両を検知し、危険を判断した場合注意を促すほか、ドア操作をキャンセルする機能も新たに備わっています。
またX以外のグレードに装備される「トヨタチームメイト」には「アドバンストパーク」「アドバンストドライブ」と2つの新機能が追加。
「アドバンストパーク」は駐車したいスペースの横に停車後、開始スイッチを押すと周囲を監視しながら、ステアリング・アクセル・ブレーキ操作をアシストして駐車を完了する装備。
ハイブリッド車には、車外から専用スマートフォンアプリ「Remote Park」を操作することで、遠隔で駐車、出庫が可能となるリモート機能も備わっています。
「アドバンストドライブ」は高速道路などの走行時にナビゲーションで目的地を設定すると、ドライバー監視のもと、目的地に向かってインターチェンジの分岐まで運転をサポート。渋滞時の疲労軽減に寄与する装備です。
先代は安全装備でややライバルに劣るといわれていましたが、新型となり大きく進化を果たしました。
ハイブリッドシステムを一新
新型ノアに用意されるパワーユニットは2種類。2リッター直4ガソリンエンジンと1.8リッター直4エンジン+モーターのハイブリッド車。
ハイブリッドシステムは先代から電動モジュールを刷新した第5世代のTHS。昨年登場したプリウスより先に最新ユニットが搭載されました。
ギヤトレーンやデフユニットを小型化したことが特徴です。最高出力98馬力の1.8リッター直4エンジンに2つのモーターを組み合わせてWLTCモード燃費は23.4km/L(WLTCモード/ハイブリッドX)と、先代の19.8km/hから大きく向上。また、ハイブリッド車に4WDが追加されたことも新型の特徴です。
ガソリンエンジンは先代同様、2リッター直4ですがハリアーなどに搭載されているM02-FKSエンジンに変更。最高出力170馬力を発揮するこのエンジンは燃費性能も優秀で15.1km/L(WLTCモード)を実現しました。
超ロングスライドを可能とした2列目シート
新型ノアは室内幅が拡大(Cピラー間の距離が75mm拡大)したことで、全車に2列目シートのロングスライド機構(前後705〜745mmスライド)を装備。先代までできなかった8人乗り2列目のベンチシートもロングスライドを可能としました。
7人乗りの2列目シートはキャプテンシートを採用していますが、先代まで横にスライドしないとできなかったロングスライドがそのままスライドできるよう改良されています。
超ロングスライドを可能にしたのはプラットフォームの変更だけでなく3列目シート格納時(跳ね上げ時)シートを薄くしたことも大きく貢献。2列目シートの骨格最適化などさまざまな工夫がなされました。
ボディ剛性を強化するプラットフォームを採用
新型ノアにはカローラクロスなどに使用されている軽量&高剛性ボディを実現しているGA-Cプラットフォームを採用。先代よりホイールベースを延長してフロントサスペンションはストラット式、リヤサスペンションはトーションビームを装着したことで、室内空間とラゲッジスペースが拡大しました。
またボディ各所に防音材などを配置したことで静粛性も向上。防音材だけでなくピラー形状を最適化することや高遮音性ガラスを採用(ハイブリッド車)したことも車内に入り込むノイズの軽減に貢献しています。
新型ノアの色は?
ノアに用意されたボディーカラーは現在6色。
ホワイトパールクリスタルシャイン、メタルストリームメタリック、アティチュードブラックマイカ、レッドマイカメタリックに加えて、メーカーオプション(33,000円)となるスパークリングブラックパールクリスタルシャイン、グリッターブラックガラスフレークが選択可能です。
ただデビュー時に設定されていたスティールブロンドメタリックは現在、選択することができません。
新型ノアのグレードと価格
ノアのグレードは以下の表の通り。ガソリン、ハイブリッドともに5グレードが用意され、それぞれFFと4WDを選択可能です。
すべてのグレードにプリクラッシュセーフティやレーントレーシングアシスト、レーダークルーズコントロールなどトヨタセーフティセンスの主要機能が備わっていますが、エントリーグレードのXにはアドバンスパーク+パーキングサポートブレーキは未装備。ハンドルがX以外のグレードが本革巻きになるところXはウレタンになるなど、装備が簡略化されているため注意が必要。
最上級グレードのS-ZやZはシート表皮が合成皮革+ファブリック、フロントドアアームレストがソフトレザー+ステッチとインテリア装備に上質な素材が用いられるほか、ハイブリッド車に非常時給電システム付きアクセサリーコンセントが備わります。
またS-Zはガソリン&ハイブリッドのFF車に他のグレードには装着されない17インチタイヤと切削光輝+ブラック塗装のアルミホイールが備わるところが異なるポイント。
新型ノアの8人乗りを選ぶ場合はS-G、G、Xから選択が必要となります(ただしハイブリッド車の4WDは7人乗りのみを設定)。
新型ノアの内装を紹介!
新型となったノアはメタル素材とソフトパッドを組み合わせて歴代モデルよりひとつ上の上質さを狙ったインテリアが特徴です。
ブラック色のみが設定されたヴォクシーとは異なり、ノアはグレードによりますがブラック、ダークブラウン、フロマージュ、ダークグレーを用意。使いやすさと上質さを両立しました。
ラゲッジルームの床下スーパーアンダーボックスは先代から引き続き継承。またリヤハッチはワンプッシュすることで任意の位置でドア角度を保持してくれるフリーストップバックドアを採用したことも先代と異なるポイントです。
まとめ
初代から居住性やユーティリティ性能を重視した箱型ミニバンとして販売されているノア。ただ、モデルチェンジを繰り返すことで進化を遂げています。
新型となったノアもウィークポイントと言われた安全技術をはじめ多くの機能がアップデート。自慢のハイブリッドユニットはプリウスより早く最新バージョンが与えられました。
セレナやステップワゴンといったライバル車も進化を遂げているなか、姉妹車のヴォクシーとともにノアと2車との人気や販売台数が、今後どうなるか興味深いところです。