The 絶景花火シリーズ『Mt.Fuji 2023』の見どころを語る “最高の花火大会”にするための布陣

2023.03.27 12:00
昨年4月23日、まさに夢のような花火大会の第1回目が開催された——“絶景な場所”から、“絶景な演出”で花火本来の美しさ、壮大さをぜひ体験、堪能してほしい——そんな願いを込めて立ち上がったのが「The絶景花火@Mt.FUJI」だ。
舞台は世界遺産富士山の一合目に位置するふじてんリゾート。そんな特別な場所で、紅屋青木煙火店、磯谷煙火店、齊木煙火本店、菊屋小幡花火店、いずれも100年以上の歴史を持つ日本を代表する花火師BIG4が競演。花火師のオールスターが技巧の限りを尽くした美しい花火と富士山のコラボは、他の花火大会では体験できない、一夜の夢のような花火大会になった。そんな「The絶景花火」がグレードアップされ、今年も4月22日に開催される。開催を前に、花火師BIG4の一社、齊木煙火本店代表取締役社長・齊木克司氏、この大会の立ち上げにも参加し、様々な花火大会の発起人や実行委員を務める花火鑑賞士の石井孝子氏、そしてこの大会の実行委員が集結。「The絶景花火」をなぜ立ち上げたのか、そして第1回目を終えて感じたこと、今年の見どころを語ってもらった。


――最初に「The絶景花火」のコンセプトを聞いた時はどう思われましたか?


齊木:それまでの花火大会は、各地域と密着した花火大会が多い中で、あくまで花火を主体に組み立てる企画に感銘を受けました。しかも富士山でということで、声を掛けていただけて嬉しかったです。


石井:私は企画の立ち上げから参加させていただいて、まず最初にどの花火会社さんにお願いをするかという話になった時、ラグジュアリーがコンセプトで、花火師さんも超一流でなければいけないので、今までできなかった組み合わせにチャレンジしようと。この業界は日本煙火協会と日本煙火芸術協会という二つの団体があって、企画当時、前者の会長は磯谷煙火店の磯谷尚孝さん、後者が紅屋青木煙火店の青木昭夫さんで、このお二人が花火業界のトップ。これまで双方とお付き合いがあり、信頼関係があったこともあって、この大会の趣旨に賛同してくださり、参加が実現し、業界の方達は「山が動いた」とおっしゃっていました。この2社に加え老舗の菊屋小幡花火店さんと齊木煙火本店さんも参加していただけることとなり、今までできなかった組み合わせが実現しました。“最高の花火大会”にするためにはこれ以上の布陣は考えられないと思います。


実行委員:日本を代表する絶景ポイントで、最高の花火を、というコンセプトなので、日本を代表する最高の花火師さんを、と無茶なリクエストをしました(笑)。
――会場を見た時はどんな印象を持ちました?僕は昨年会場に一歩足を踏み入れた瞬間、富士山に圧倒され、ここに花火があがるんだと思うとワクワク感が止まりませんでした。


齊木:山梨は我々の地元でもあるのですが、会場はスキー場ということもあって、最初はお客さんが見る位置と花火を上げる位置の配置が難しいなと思いました。でもこれだけの規模の花火を地元で、しかも富士山の麓で堂々と打てるという非常にやりがいのある仕事だと思いました。


石井:最初に訪れたのは雪の時期でした。スキー場での花火大会は、新潟とかでもあって見慣れてはいるのですが、やっぱり富士山が目の前にドーンとそびえているのはインパクトがありました。静岡側の候補地は木や障害物越しの富士山だったのですが、ふじてんスキー場は目の前が富士山なので、富士山との距離感というか見え方が全然違いました。


――今年も5万円の「VIPカメラマン席」が用意されているように、写真を撮りに来る人にとっては、たまらない構図が目の前に広がっています。


石井:やっぱり敷地内で10号玉が上がるので、撮る方も難しいと思いますが、堪らない瞬間だと思います。10号玉が上がる花火大会は他にもありますが、この大会は特別な10号玉というか、皆さん10号玉の競技会で優勝経験がある花火会社さんばかりなので、一発だけで全ての人を虜にできる花火を持っているのがすごいところです。もちろん5号玉も美しくて、とにかく“玉の力”がある花火会社さんが揃っているのが、カメラマンにも魅力的だと思います。中には「美しすぎてもったいから撮るのやめて、途中から見入ってしまった」という人もいました。花火マニアの方の中には、たった一発でもすごい10号玉が上がるのであれば、全国どこにでも行くという人もいます。
――観客数も絞って、広い会場でゆっくり見るというコンセプトの、ラグジュアリーな大会だけに、その価格設定も他と一線を画しています。


齊木:やっぱり普通の花火大会よりは高いです。でも逆に花火の価値を認めていただいてるということなので、きちんとお応えしなければいけないという気持ちが強いです。


石井:花火師さんの価値を、これだけ高めようと思ってくださる主催者は初めてです。「花火師さんにもランクがあってもいいのでは」と言われた時に、すごく感動しました。今までそんなことを言ってくださる主催者はいませんでした。やはり演出を含めて花火会社によってその差は歴然です。それが認知されるといいなと思いました。だからこの花火大会は“BIG4”なんです。


――この4社がやるからこそのこの価格設定という見方もできます。


石井:そうですね。これまでは2社でとか、色々な組み合わせはありますが、この4社でやるのは「The絶景花火」が初めてということも大きいと思います。


実行委員:去年感動したのは、ラストのBIG4合同のプログラムでした。想像を遥かに超えた美しさでした。


石井:花火の色も形も各社それぞれ特徴があるので、同じものがひとつとして上がらないところが凄いです。逆にいうと、もったいないと思うくらいすごい花火がたくさん上がりました。普通は各社プログラムが割り当てられてるので、当日までそれぞれが何をやるかわからないというパターンがほとんどです。でもこの大会に限って言えば、各社打ち上げる部分を合同で玉を出して、演出も合同で相談して、本番もたっぷりと見せ場を作って、お客さんに喜んでいただけました。その後、早速同じような構成で見せる花火大会が出てきましたが、この4社だからこそできるワザなので、マネできません。
――この大会は五感で感じる『完全感覚花火』ということも謳っていますが、確かに反響音が肚と胸に響いてきました。


実行委員:富士山が近くて、会場にロッジがあって反響するので、反響音が凄くきれいだと思います。打ち上げ場所から観客席まで遮るものがなくて、ダイレクトに花火の衝撃波を感じることができます。花火大会というと海や川、湖での開催が多いので、花火が水平に上がるのが当たり前でした。でもこの大会はスキー場で斜面になっているので、花火が降ってくる感じがしますが、山の花火では火事に細心の注意を払っています。消火用のドローンをいち早く導入しました。


――去年第1回目を終えた直後の感想を覚えていらっしゃいますか?


石井:最初の花火が始まってしばらくして薄暗くなっても、富士山が結構見えたことが収穫でした。富士山と花火の構図が抜群によくて、富士山が遠すぎず、近すぎずという感じで、これは富士山好きには堪らないはずだと思いました。日本人が富士山を好きな理由が改めてわかった気がします。日本人も海外の人も憧れる富士山で、日本一の花火師さんが美しい花火を上げてくれるこの花火大会に、一度は行ってみたいねって言ってもらえるようになるといいなと思いました。


齊木:長い間この世界でやってきて、違うところをくすぐられたというか、やっぱりこの4社でやった花火を見終えて「これ、いいもんだな」って改めてプロとして感じました。それから実行委員会の皆さんが、花火師をすごく大切にしてくださっていると感じました。例えばお弁当ひとつとっても、すごく豪華で美味しくて、職人、特に若手はこれでモチベーションがあがります(笑)。


実行委員:花火師さん、職人さんたちはアーティストですから。去年終演後、磯谷煙火店の磯谷さんがおっしゃっていた言葉が印象的で、長年やってこられたけど「音楽がない花火を改めて一生懸命考えて、新たに勉強することができた」と。「昔は音楽がないのが当たり前だったのに、今また音楽なしで魅せる玉を考えるのが楽しい」とおっしゃっていて。業界のトップを走っている方にそういう言葉をいただけると、やってよかったなって思いました。


齊木:最初音楽なしで、と聞いた時は“間”がどうかなという心配が少しありました。ただ花火のみで勝負というコンセプトは、逆に今面白いと思いました。


石井:音楽がないと花火のよさもはっきり出て、花火だけで勝負できるので自信がなければ音楽なしではできません。


実行委員:それから春に富士山と花火と桜を観ることができるのも、この大会のウリのひとつで、会場へと続く道の両側に桜が咲いていて、桜を使ったゲートも作りました。それを撮っている方が多かったです。


石井:ゲートが綺麗で、ゲートがある花火大会も他にないと思います。
――逆に気になる部分はありましたか?


石井:まだ1回目なので花火師さん、運営サイド、色々と思うところ、感じるところはあったと思いますが、私は自分が開催している花火大会の時も花火師さんと相談する時、あまりマニア向けの内容にしたくないと言っています。もちろんマニアの方にも見たい、来たいと思ってもらうことは大切です。それと同じくらいやはり一般の人に、今年は必ず行ってみたいと思ってもらえるように、もしくは毎年来たいよねと思ってもらえるような花火大会になって欲しいです。

×


――今年はチケットの種類が増えて「富士山天空チケット」という気になるネーミングのチケットがあります。


実行委員:これはロマンスリフト頂上に設置した特別席で日本で一番高いところにある観覧席です。ここから下を見ると他の観客席と街並みが見渡せます。


――さらに今年から始まる、VIP席専用の“絶品美食サービス”というのはどんな内容なんでしょうか?


実行委員:富士山と花火と桜という、まさに“メイド・イン・ジャパン”といえるのがこの「The絶景花火」です。海外の方にもたくさん来場していただきたいので、食事も日本らしいものがあった方がいいと思いました。それでマグロの解体ショーをやります。加えてお寿司と天ぷらと焼き鳥とたこ焼きという、日本のフィンガーフード用意しました。山梨県は酒蔵も多いので、今後は山梨の日本酒を出したいと思っています。


――昨年会場に伺って感じたのは、バリアフリーと環境への心配りが徹底されていることでした。


実行委員:車椅子で来場されたり、足の悪い方が来場されても、駐車場から客席までがフラットで、数分で行くことができます。花火大会って身障者の方が行きづらいイメージがあるかもしれませんが、この大会は身障者用のトイレも完備している他、受け入れ態勢は整っています。それから入場時に椅子をお配りしていますが、この椅子も段ボール製でSDGsを考えたもので、折りたたんで持ち帰っていただくと普段使いもできるし、ゴミも出ないというメリットがあります。


――今後の展望を教えて下さい。


実行委員:どんどん新しいことをやり続けつつ、伝統の花火という肝の部分は守っていきたいです。3~4年後には、世界的に有名なフランス、東南アジア、UAEの花火師さんも招聘して、BIG4とWBCのような花火のオリンピックを開催したいです。世界中からたくさんの人が集まってくれるはずです。
【お問合せ先】
 ・The 絶景花火実行委員会 MAIL.info@the-zekkeihanabi.com

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