e-POWERがもっと進化してしかも安くなる!  日産の「新世代の電動ユニット」が発表

2023.03.25 17:00
この記事をまとめると
■日産が新世代のパワーユニットを発表
■第3世代の「e-POWER」と新型の電動ユニットを2026年に販売する予定だ
■「軽量コンパクト」なのを武器に価格はガソリン車と同等になるよう開発を進めている
伝家の宝刀「e-POWER」は常に進化をし続ける
  いまから遡ること7年前の2016年。日産にとってこの年は大きな転換期となった。そう、「e-POWER」を搭載したノートがデビューした年だからだ。
  いまでこそノートは日産で1番売れている登録車として認知され、圧倒的なブランド力を持っているが、じつはこの「e-POWER」を搭載したモデルが登場するまでは、コンパクトカーの名手「マーチ」も存在していたので、爆発的にヒットしているクルマとは言い切れない部分があった。それが、「e-POWER」を搭載したモデルがこの年に登場したことによって、大ヒットするまでに至ったのだ。
  ではここで、大きく日産を動かした「e-POWER」についてちょっと触れてみよう。このシステムは、簡単に説明すると、「エンジンを発電機として利用し、その力でバッテリーを充電してモーターで走行する」といった、文字にするととても単純なシステム。なので、エンジンは直接走りに関係なく、100%電気で動く日産独自のシステムとなっているのだ。
  これから加速するであろうカーボンニュートラル実現へ向けた動きのなかで、「e-POWER」は非常に画期的なシステムで、年々その注目度は高まっている。事実、電気で動くといえど充電は不要で、いままでどおりガソリンを入れるだけで走れるので、ガソリン車に乗っていたユーザーがそのライフスタイルを変えることなく電動車に乗り換えられるのが強みだ。
  そんな「e-POWER」は、登場当初2016年時にはノートのみに採用されていたが、いまでは「ノート/ノートオーラ」「キックス」「エクストレイル」「セレナ」と、日産の売れっ子モデルの多くに採用されており、新車購入時に「e-POWER」が選ばれている率も高い。燃費が良くて環境対策もバッチリとなれば選ばない手はないだろう。いまの日産はもはや「e-POWER」なしには語れない。
  また、日産はプリンス自動車の前身である東京電気自動車時代に、「たま電気自動車」を戦後間もない1947年にすでに世に放っているので、じつは電気に関する歴史も長いメーカーであるのだ。
  その日産が「新世代のパワーユニット」を発表したので、詳しく見ていこう。
ガソリン車と同等の価格で電動車を手に入れられる日がやってくる
  3月上旬、日産は「新パワートレインの発表」とのことで、メディア向けに説明会を行った。そこで発表されたのが、いまや日産の看板である「e-POWER」の新型ユニットのお披露目であった。
  現段階でこのユニット名は「X-in-1」と命名されている。「in-1」の通り、さまざまなパーツがひとつのユニットにまとまっているのが大きな特徴だ。今回紹介されたのは「3-in-1」と「5-in-1」と呼ばれるふたつ。これらは2026年の実用化を目指して開発が進められているもので、写真のユニットはあくまでモックとなるが、製品版もほぼこの形状でこのサイズになるそうだ。
  内部はどういった構成になっているかというと、前者(写真奥)はEV専用モデルということでひとつのユニットに「モーター・インバーター・ギア(減速機)」の3つ入っているもの、後者(写真手前)は「e-POWER」用のユニットで「モーター・ジェネレーター・インバーター・ギア(減速機&増幅機)」の5つが入っている。
  このユニットは、多くのパーツがEVと同じもので構成されているのもメリットで、「e-POWER」と技術やパーツを共用できるのが強みとなっているとのこと。また、軽量コンパクトに仕上がっているところもこのユニットの大きな強みで、「軽量化」「高剛性化」「低振動化」「低コスト化」など、さまざまな好要素が加わることになる。また、クルマに多く使われているレアアースの使用量も、この新世代ユニットを使用することによって減らすことができるそうだ。たしかに、初代及び現行の「e-POWER」ユニットと比べると圧倒的にコンパクトなのは一目瞭然。
  メリットばかりなこの新ユニットの数値的な話をすると、日産は2026年までに2019年比でコストを30%削減するのが目標とのことで開発を進めており、この「X-in-1」は新たな日産を象徴する非常に先進的なユニットになるはずだ。
  ちなみに、この「コストを30%削減」というのは、電動車を今販売されているガソリン車と同じ価格帯にするという意味でもあるので、「ハイブリッドや電動車は高い」といった認識も打ち砕いてくれるはずだ。実際に日産も「ガソリン車と同価格帯でe-POWERを手に入れられるようにする」とこのとき宣言している。いま、日産では新車購入時の電動車選択率が52%とのことなので、あと3年後にはこの数値がより高くなるのではないだろうか。
  そしてこの「X-in-1」と呼ばれる新世代のパワーユニットは、「軽量コンパクトで低コスト」ということだけでなく、潜在的ストレスと呼ばれる「振動」や「騒音」「余計な動き」などを低減する効果も持ち合わせているというので、実用化されれば、電動化時代における「無敵のユニット」と言っても過言ではないのかもしれない。
  と、ここで話は少し逸れるが、この発表会当日には「e-POWER」の歴史を語る上で欠かせない記念碑的クルマが1台あるので少し触れておこう。それが初代リーフに「e-POWER」のユニットを搭載したというユニークな実験車だ。
  このクルマは、「リーフにe-POWERのユニットを載せたクルマを市販してはどうか?」といった実験を目的に作られたもので、実際に製品化されなかった1台だ。リーフであるのにも関わらずマフラーが装着されているところが非常に面白い。
  こういったさまざまなアプローチがあったからこそ、現在の「電気の日産」があったのかもしれない。そのほかに、当日は「e-POWER」のユニットを構成する部品の展示も行われていた。こちらは、同じ機能を持ちながらもサイズを小型化していく過程が見られる内容で、技術の進化スピードを間近に目にすることができる貴重なエリアであった。
  e-POWER第1号機であるノートe-POWER誕生から、2026年はちょうど10年目の節目となる。電動車市場にさらなる革命が起こるXデーはあと3年後だ!

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