ある意味商用車の怪物! 軽やワンボックスが全盛でワゴンが下火のなか「プロボックス」が売れ続ける理由とは

2023.03.07 13:00
この記事をまとめると
■いまライトバンは車種を大幅に減らしている
■それでもトヨタ・プロボックスが人気の理由を解説
■パーソナルユース需要も少なくないという
20%前後はビジネスではなくパーソナルユース!
  馴染みのある商用車でもっとも販売が好調なカテゴリーは、軽商用車のバンとトラックだ。2022年の新車販売総数は約41万台だから、国内で売られた商用車の55%が軽商用車であった。
  この次がワンボックスタイプの商用バンで、このカテゴリーは、1年間に約10万台が新車として販売されている。登録台数はハイエースが圧倒的に多く、ワンボックスバン全体の80%を占めた。
  逆にボンネットを備えた小型/普通車のバン(ライトバン)は、かつて人気が高かったが、今は車種の数を大幅に減らしている。トヨタ・プロボックスと日産AD、そのOEM車のみだ。今は前述の軽商用バンが積載性などの商品力を高めて売れ行きも伸ばしており、ボンネットバンが影響を受けた。
  それでもプロボックスは、1年間に4万台程度を販売して、根強い需要に支えられている。人気の理由をトヨタの販売店に尋ねると、以下のように返答された。「プロボックスはハイエースに比べて運転感覚が乗用車に近い。初心者ドライバーが運転する営業所などに選ばれている。背が低いから立体駐車場も使いやすく、横風に強いから高速道路の長距離移動も安心だ。たくさん販売されるのは荷室の広いハイエースだが、プロボックスも堅調だ」
  納期はどうか。「プロボックスはダイハツに生産を委託しており、ダイハツが作る乗用車のルーミーやパッソと同じく、納期が短い。2〜3カ月で納車できるから、今のトヨタ車では最短で、これも人気の理由になっている」
  そのほかに売れる理由はあるか。「最近はプロボックスを購入して、ドレスアップを楽しむお客様も増えた。実用的なワゴンとしてのニーズもあり、プロボックス全体の20%前後は、ビジネスではなくパーソナルユースになる」
走行距離が長い人にはハイブリッドがおすすめ
  プロボックスは2018年にハイブリッドを加えた。この売れ行きはどうか。「プロボックスは商用車だから、走行距離が伸びるお客様も多い。1年間に2万km以上を走る車両も珍しくない。そのためにハイブリッドの売れ行きも堅調で、プロボックス全体の40%くらいを占める」
  1.5リッターノーマルエンジンを搭載するプロボックスFの価格は173万9000円で、ハイブリッドFは201万4000円だ。ノーマルエンジンとハイブリッドの価格差を27万5000円に抑えた。トヨタの乗用車には、価格差を35万円に設定した車種が多く、プロボックスではハイブリッドが割安だ。他社の商品でも、マイルドハイブリッドを除くと、ノーマルエンジンとの価格差が30万円以下の車種は少数に限られる。
  プロボックスハイブリッドのWLTCモード燃費は22.6km/L、ノーマルエンジンは17.2km/Lだ。レギュラーガソリン価格が1リッター当たり160円であれば、27万5000円の価格差を燃料代の節約で取り戻せるのは、12〜13万kmを走ったころになる。
  プロボックスの場合、ハイブリッドの燃費数値があまり良くないため、取り戻せる距離が伸びた。それでも商用車とあって、1年間に2万kmを走れば約6年に収まる。走る距離が短いユーザーには、ノーマルエンジンが推奨されるが、フルに稼働させて走行距離が長くなる場合はハイブリッドを検討したい。

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