カジュアルなフラッグシップ ジープ・グランドチェロキー・リミテッドの真価

2023.03.01 00:00
公開 : 2023.2.17
ジープ・グランドチェロキーの中でも、最もスタンダードなリミテッドに、雪山/林道で試乗しました。
出揃った注目のフラッグシップ
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フルモデルチェンジを果たした5代目「ジープ・グランドチェロキー」。先に導入されたロングホイールベース版グランドチェロキーLに加え、昨年10月末にスタンダードホイールベース版も追加されたことで、ジープファミリーの注目の1台となっている。
新型グランドチェロキーのボディはホイールベースの長短があり、それぞれシート配列が2列と3列になるという違いある。

それ以外にも3種類のパワートレイン(直4ターボ、PHEVの4xe、自然吸気V6)、そしてベーシックなリミテッドと上級のサミットリザーブという2種類のグレード分けも存在している。

これらのスペック的な違いを含みつつ、現在は5種類のモデルがラインナップされている。

今回はその中からスタンダードモデルとも言うべき「グランドチェロキー・リミテッド」(ガソリン/2列シート)にスポットを当て、ジープのフラッグシップであるグランドチェロキーの魅力について考えてみた。
グランドチェロキー・リミテッドは272psを発生する2Lの直4ターボと8速AT、そしてオンデマンド方式のAWDシステムを備えている。

サスペンションに関しては、クォドラリフト・エアサスペンションを装備するサミットリザーブに対し、リミテッドはコイルスプリングの仕様となっている。
グランドチェロキーのボディカラーは4種類。今回の試乗車のダイヤモンドブラッククリスタルP/C以外に、ブライトホワイトC/C、バルティックグレーメタリックC/C、ヴェルヴェットレッドP/Cがある。

またサミットリザーブの場合、全てのカラーでルーフがブラック仕上げになるという違いも存在している。
画像 どんな場所でも軽快/上質 グランドチェロキー・リミテッド【走破!】全27枚
軽快かつ盤石の走破性を備える
グランドチェロキーのスタンダードモデルであるグランドチェロキー・リミテッド。その走りを一言で表現するならば「軽快」という言葉が当てはまると思う。
エアサスを装備するサミットリザーブの懐の深い乗り心地は、ヨーロッパのライバルと肩を並べるようなプレミアム感につながっている。

一方、コイルスプリングを備えるリミテッドの軽快なハンドリングからはジープ一族らしいカジュアルさが伝わってくる。
ロングモデルとの125mmというホイールベースの違いも、取り回しのしやすさとリニアなハンドリングに繋がっているのである。

パワートレインも同様で、直列4気筒ならではの鼻先の物理的な軽さが高速道路でもワインディングでも確かなメリットになっている。
この4気筒ターボ・ユニットは軽いだけでなく、はっきりとしたパワーの高まりによってドライバーを楽しませてくれるエンターテイナーである点も忘れてはならないだろう。

リミテッドのクォドラトラックI 4✕4システムは普段はリア寄りの駆動配分により軽快なドライブフィールに貢献しているが、いざという時の安心感も高い。

今回の試乗では期せずして雪が降りはじめたため、セレクテレインシステムでSNOWモードを選び、雪のない幹線道路まで脱出しなければならないというシーンがあった。
すると軽快だったグランドチェロキー・リミテッドはジープ一族らしい盤石のオフローダーへと変身し、高い走破性を披露してくれたのである。
オフロード生まれ 充実の装備
今回の試乗では少しだけ寄り道をして、林道や大きな石が転がる河原でもドライブを楽しむことができた。

カメラマンの要望に応えてちょっとした段差に前輪を乗せた時に、これまでにないグランドチェロキーの真価を実感した。
サスペンションをフルストロトークさせる際の軋み音とは無縁のモノコックボディにまず感心させられたし、対角線上のタイヤが浮く寸前になっている様子も車体を通してつぶさに感じられる。

また、その際の車輛全周を映し出すカメラも実用的で、ボディの大きさや死角を感じさせなかった。

高速道路でドライブモードをAUTOに設定し、ACC(アダプティブクルーズコントロール)で楽ちんなドライブを楽しんでいる限り、グランドチェロキー・リミテッドは最新の普通車のように振舞っている。
だが状況が変わるとクルマ自体が的確に反応し、オフロード生まれのタフなDNAが顔を覗かせるのだ。
また、リミテッドはグランドチェロキーのスタンダードモデルという位置づけであるにもかかわらず、ADASをはじめとする安全装備も見劣りしない点も感心させられた。

確かにサミットリザーブや4xeといった上級モデルは相応のプレミアムな世界観を提供してくれる。

でもだからと言ってスタンダードモデルであるリミテッドが様々な装備を省略した廉価版というわけではない。
それはカジュアルなジープの最高峰と呼ぶべき魅力的な1台だったのである。
記事に関わった人々
執筆:吉田拓生
1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。BMW 318iコンパクト(E46)/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。

撮影:神村聖
1967年生まれ。大阪写真専門学校卒業後、都内のスタジオや個人写真事務所のアシスタントを経て、1994年に独立してフリーランスに。以後、自動車専門誌を中心に活躍中。走るのが大好きで、愛車はトヨタMR2(SW20)/スバル・レヴォーグ2.0GT。趣味はスノーボードと全国のお城を巡る旅をしている。

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