みんなホントにSUVじゃなきゃダメ? なぜ世界的にSUVブームが巻き起こったのか考えてみた

WEB CARTOP
2023.03.03 17:20
この記事をまとめると
■現在、世界的なSUVブームが巻き起こっている
■とくに比較的ライトでファミリーカーとしても使えるようなモデルが人気
■SUVブーム到来の理由や売れ筋モデルの特徴について解説する
パイオニアは初代RAV4!
  今、世界的なSUVブームだ。国内外の自動車メーカーはこぞってSUVの新車を登場させ、人気を得ている。なにしろポルシェなどのスポーツカーメーカー、ベントレー、ジャガーなどの超高級車メーカーでさえ、SUVを揃えているほどだ。
  ところで、SUV=スポ―ツ・ユーティリティ・ビークルは遊び、たとえばアウトドアやキャンプ、釣り、スノー&サーフスポーツにうってつけのクルマとしても認知されているが、ランドローバー・レンジローバー、ディフェンダー、ジープ・ラングラー、スズキ・ジムニーといった本格的な悪路に対応する硬派と、前輪駆動車のプラットフォームやパワーユニットを用いた比較的ライトで普段使いの乗用車、ファミリーカーとしても使える車種に分けられる。
  現在のブームの主役は後者であり、そのパイオニアは1994年に登場した初代トヨタRAV4だろう。乗用車系プラットフォーム、パワーユニットを使い、コンパクトなSUVに仕立てたわけだが、これが世界的に大ヒット。続く1997年には同じくトヨタがプレミアムなSUVとしてハリアー(北米ではレクサス)がデビュー。この2台が世界のSUVブームの火付け役となり、他社が追従していったことはまず間違いないところである。もちろん、海外でもポルシェ・カイエン(2002年~)、その共同開発車だったVWトゥアレグ、さらにあのミニまでもがSUV風のクロスオーバーグレードを登場させ、世界的なSUVブームを後押しする。
  以来、日本でもトヨタRAV4、ハリアーはもちろん、日産ジューク、エクストレイル、ホンダ・ヴェゼル、マツダCX-5などの人気が高まり、まず悪路を走る冒険に出かけるようなことをしないユーザーにも、SUVは支持されていくことになる。クロスカントリー方向に舵を切った現行RAV4のようなSUVがある一方、スタイリッシュなデザインで選べるトヨタC-HR、ヴェゼルのようなSUVがあるのも選択のしやすさとなっているはずだ。とくにコンパクトカーが愛される欧州ではコンパクトなSUVの人気が高く、VWもポロベースのコンパクトSUV、T-CROSSを登場させ、日本の国内輸入SUVの販売台数No.1を獲得したほどである。
  では、SUV人気の理由はどこにあるのだろうか。その前にSUVのメリットを紹介すると、堂々感、存在感あるスタイル、堅牢感、最低地上高と全高の高さによる“意外にも”乗り降りしやすい乗降性(シート位置が低すぎない)、高く見晴らし感覚の爽快な視界、それに伴う扱いやすさ、ワゴンに準じる荷物の積載性の高さ、そしてもちろん、最低地上高の余裕と4WDの組み合わせ(ベースはFFでも)による走破性の高さが、極悪路を走らないような人にとっても「なんとなく安心できる」となるわけだ。
悪路を走らなくてもSUVは万能なクルマ
  日本においては、90年代のミニバンブーム後、ミニバンの高い着座位置、視界に慣れてしまった自動車ユーザーが、家族構成の変化などで3列シートのミニバンが不要になったタイミングで、しかし背が低く、視界も低いクルマに乗り換えるのを躊躇した際、格好の選択肢として流行り始めのSUVに目が向いた……のも当時の印象であった。セダンでも、ワゴンでも、クーペでも、ミニバンでもない、ちょっと先をいく選択肢だったわけだ。だから流行に敏感なオシャレさんも飛びつくことになる。
  乗用車ベースのSUVの魅力は、トヨタ・ハリアーなどに象徴されるように、立派な体躯、最低地上高の余裕と4WDによる走破性の高さ、ワゴン並みの荷物の積載性を持ちながら、乗って走り出せば、高級サルーンに匹敵する快適感を味わうことができるところにもある。マツダCX-3、トヨタ・ヤリスクロスのようなコンパクトなSUVなら、まるで扱いやすさ抜群のコンパクトカーを操る感覚で乗りこなすことができるのだ。今ではHVやPHEV、BEVの電動SUVが続々と登場し、SUVは大きく重く燃費が悪い……というかつてのネガティブイメージも払拭されつつある。
  デメリットとしては立体駐車場に入りにくいことだが、都心でも新しい駐車場は平面置きが少なくなく、また、ミニバン経験者にとっては百も承知なデメリットと言っていい。
  そして決定的だったのが、コロナ禍だ。リフレッシュしたい人たちは宿泊施設ではなく、人との接触が避けやすいアウトドア、キャンプに注目。その足としてもSUVはアウトドアフィールド、キャンプフィールドに似合う(ファッションとしても)格好のクルマなのである。
  今ではこれから発売される三菱デリカミニ、スズキ・スペーシア ギア、スペーシア ベースといった軽自動車のSUVからFRベース、直6エンジン搭載のマツダCX-60、国産ハイエンドのレクサスLX、電気自動車のマツダMX-30、悪路にもめっぽう強いPHEVの三菱アウトランダーなど、国産SUVだけでも選び放題。
  国産車では選択肢が限られてしまったセダン、ワゴンとは逆に、そんな、価格、サイズ、電動車を含むパワーユニット、デザイン性などを含む選択肢の多さもまた、SUVが支持され、人気が爆発している大きな理由になっているはずだ。くどいようだが、電動SUVを選べば、SUV=燃費が悪い……というSUVにまず思い浮かぶデメリットも感じずに済むのである。この時代にある意味、万能なクルマがSUVということだ。

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