バブル時代の「年中無休」はどこへやら! いま新車ディーラーに「完全週休2日制」の流れが加速しているワケ

2023.02.27 13:00
この記事をまとめると
■新車ディーラーの休日事情について解説
■バブル経済の時は週に1回休めればいいほうだった
■現在、定休日の連休化が目立ってきているという
セールスマンの労働環境は改善されている
  いまのような新車ディーラーの整備が始まったころは日曜日が定休日であった。そして、日本中がバブル経済と言われていたころになると、販売部門だけ休日出勤という形で日曜日に店を開けるようになった。セールスマンは平日に交代で休みを取り、店舗としては年中無休営業になったのもこの時期である。その後、内勤やメンテナンス部門も含め会社全体で日曜出勤にし、その代わり月曜日から水曜日の間の1日を全休日として設けるようになった。すでにセールスマンの間でも週休二日は当たり前だったので、全休日のほかに平日に交代で休み週休二日とするようになった。ただ、一般的なサラリーマンのように連休という形はセールスマン自身が取りたくないというケースも多かったようだ。
「連休にすると、交代休の時は会社が動いていますので、お客からの問い合わせなども溜まってしまうので、休み明けの業務が膨大になってしまうのが理由としてあったようです。そのため月曜日が全休日だったら、火曜日にいったん出勤して水曜日に再び休むといったこともあるようです」(事情通)。
  歴史上もっとも新車が売れていたバブル経済の時は週に1回休めればいいほうで、続けて1カ月働き続けることもザラ。当然有給休暇は消化できるはずもなく、いまでは信じられないが余った有給を会社が買い取るといったこともあったようだ。新車が売れすぎて出勤すればするほど、深夜まででも店を開け続けていれば、それだけ新車が売れた時代の話である。
  いまは政府も「休め、休め」といってくる時代。有給取得率の悪いセールスマンは、有給取得を半ば会社からの命令のように取らされることもあるようだ。まあ、子どもの運動会のためなどといって、土曜日や日曜日に有給休暇が取れ、出勤日でも夕方7時ごろまでには閉店となり帰宅も早くなっており(バブルのころは午後9時や10時まで働くのはザラ)、セールスマンの労働環境は飛躍的な改善を見せているのは間違いないだろう。
  そんなディーラーのお休み事情の新たなトレンドして、いま定休日の連休化が目立ってきている。
コロナウイルス感染拡大の影響もあり連休化が加速
  土曜・日曜は稼ぎ時なので店は開けるが、たとえば月曜日と火曜日を完全定休日にするといった、ディーラー完全週休連休化が定着しようとしている。それまでは、前述したとおり、1日を完全定休日とし、ほかの1日を交代で休み店舗定休日をできるだけ少なくしていたのだが、昨今の働き手不足に加え、新型コロナウイルスの感染拡大がディーラーの完全週二日定休実施を加速させているようだ。
「いまや配属されるセールスマンは1店舗あたり5名、6名ぐらいです。そのメンバーで半休出勤にすると、2名体制ということも珍しくありません。ただ、新型コロナウイルス感染拡大により、セールスマン本人が陽性になったり、濃厚接触者として出勤できなくなるケースが多くなり、半数出勤日にセールスマンがひとりしかいないといったことが多発しました。メカニックも半数出勤となりますので、それでは店を開けていても、効率が悪いということになり、『それなら完全週二日定休にしよう』ということになったようです」
  ただ、土曜や日曜に受注した分について、車庫証明を最短で申請できるのが水曜日になってしまうので、実務面では結構弊害も出てきそうなのだが、幸いと言うか現状では納期遅延が深刻化しており、短期間で納車できる在庫車はわずかなので現状では実務面では大きな問題もあまりないようだが、点検・整備についてはよりタイトに作業をこなすことになりそうだ(ただ長い目で見ればBEV[バッテリー電気自動車]が増えれば、1台あたりにかかる作業時間は短くなるだろうから、これも問題はなくなるのだろうか)。
  板金修理も自動ブレーキの普及などで飛躍的に減ってきているとも聞いている(コンパクトカーあたりはクラッシャブルボディ設計により、全損扱いになることも多くなった。また車両保険では一定以上のダメージになると全損扱いになる付帯特約も普及してきている)。
  店舗稼働日数が少ないと、それは新車販売台数にモロに影響が出る。1月や8月の新車販売台数が少なめになるのも、年末・年始やお盆の長期休暇による稼働日数不足が影響していることは間違いない。
  ただ、セールスマンひとりだけで店を開けても、電話応対や点検に来た管理ユーザーへの対応に忙殺されるだけになってしまうので、これからは新車ディーラーの定休日が週2日になるのが当たり前になっていきそうである。

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