最新シエンタを押さえてモデル末期のフリードが2022年トップ! シエンタの足を引っ張る「納期」の現状と「ドッチを買うか」問題

2023.02.17 18:30
この記事をまとめると
■ホンダ・フリードが2022年暦暦での年間販売台数においてミニバンで1位になった
■1位獲得の最大の理由はライバルよりも圧倒的短い納期を実現していたことにあった
■フリードはモデルチェンジを予定しており、早期に現行モデルの販売が終了するかもしれない
2022年に日本でもっとも売れたミニバンはホンダ・フリード
  ホンダ・フリードが最近ミニバン販売台数ナンバー1をアピールしている。日本自動車販売協会連合会(自販連)統計によると、2022暦年(2022年1~12月)締めでの年間販売台数において、フリードは7万9525台を販売しミニバンとしてナンバー1となっている。ちなみに2位のトヨタ・シエンタに約1万台差をつけての1位となっている。
  トヨタ・ノア&ヴォクシー、日産セレナ、ホンダ・ステップワゴン同様、フリードとシエンタもまさに宿敵といっていいライバル関係にある。そして今回、フリードがナンバー1になった最大の理由は「短い納期」であった。
  平時と異なり新車の需給状況はまだまだ異常事態となっており、人気モデルによっては納車までに1年以上待つことも発生している。フリードも2022年は年間を通じて決して安定して短い納期ではなかったものの、時期によっては契約月内に納車可能だったり、ほぼ通期で一部納期の早い車種を用意していたのは間違いない。
  一方のシエンタは、直近で登場したトヨタの新型車のなかでは比較的需給状況が良いとはいえ、HEV(ハイブリッド車)や一部オプションを選択すると、納車まで長期間待たされることも発生していた。
  フリードとシエンタがライバル関係にあるとはいえ、趣味というよりも日常生活の移動手段として割り切って乗る人も多いので、モデルチェンジの近いフリードは値引き額も余裕があり、さらに納車も早いということで、シエンタではなくフリードにお客が流れてきたということもフリードをトップにさせた理由としては大きいだろう。
  あるホンダカーズ(ホンダ系正規ディーラー)店のセールススタッフは、「いまはモデル末期ということもあり、納車も比較的早く値引きも余裕がありますが、新型になればいまよりも納車に時間がかかることは十分考えられますし、いまの社会情勢を考えると車両価格の際立った上昇、もしくは価格はそれほどアップしない代わりに値引きがかなり引き締められることも十分考えられるので売りにくくなりそうです」と話してくれた。
モデルチェンジを控えて早期販売終了もありうるフリード
  ところがここへきて、フリードに対し納期が決定的なアキレス腱となっていたシエンタの納期が急速に改善してきたのである。トヨタは2022年末あたりから国内向けモデルの生産能力増強をはかり、シエンタだけでなく多くのトヨタ車の納期が半年ほど前倒しとなっている。そのなかでもシエンタの納期は目に見えて改善している。
  調べてみると、シエンタでは標準タイプのETCがXを除いて標準装着されるのだが、これをETC2.0に変更するオプションを選ぶと(またはETC2.0と組み合わされるオプションを選択すると)、ガソリン、ハイブリッドともに納期が遅くなるようだ。さらにハイブリッドでは、トヨタチームメイト アドバンストパークも選択すると納期が遅くなるようである。
  前述したオプションを選択しない納車目途は、ガソリン車でうまくいけば2023年3月中には納車が間に合いそうである(本稿執筆時点)。また、ガソリン車でETC2.0を選択してもうまくいけば、2023年5月中には納車が間に合いそうだ(本稿執筆時点)。ハイブリッドでは前述したオプションを選択しないと2023年10月にはうまくいけば納車になりそうで、ETC2.0やトヨタチームメイトアドバンストを選択しても、頑張れば2023年中に納車が間に合いそうになっている(本稿執筆時点)。
  一方のホンダは本稿執筆時点では、「一部タイプ・カラーは1~2カ月程度で納車できる場合がある」としながら、ガソリン、ハイブリッドともに納車まで半年以上は待つことになるようだ。つまり、以前ほど決定的にシエンタの納期が長期化しているというわけでもないので、フリードとシエンタの間で今後は好勝負が期待できそうなのである。
  フリードはガソリンとハイブリッドでは納期に差がないので問題ないが、シエンタではガソリンとハイブリッドで納車までに6カ月の差(ハイブリッドのほうが納期がかかる)があるので、納期が短いのでガソリン車を選ぶのがいいのではと考える人もいるだろう。ただ気をつけたいのは、令和4年度ベースでみると、ハイブリッドが免税となる環境性能割について、ガソリン車はあるグレードでは6万円強計上されてしまうということ。
  令和5年度がどうなるのか、本稿執筆時点では経産省からの発表がなく正式に決まっていないが、環境性能割においてハイブリッドに対する免税がなくなる可能性は少ないので、令和5年度以降も諸費用面ではガソリン車のほうが支出は多くなるものと判断できる。半年ほどの納期差ならば、ハイブリッドを選ぶほうが賢い選択だと考えるがいかがだろうか。
  また、フリードの懸念材料は、そろそろオーダーストップのタイミングが気になってくることだろう。いまよりも半導体調達などで難儀していたころに新型へバトンタッチしたステップワゴンでは、かなり早く先代をオーダーストップさせて、先代で使う予定だった半導体などを新型にまわす措置をとったと聞く。
  当時より多少状況が改善しているとはいえ、フリードも早めにオーダーストップとなる可能性が高い。現状でオーダー車になると工場出荷目途が8月ごろになるとしている。このペースで工場出荷目途が続き、多くの情報で2023年中にフルモデルチェンジ予定となっていることを考慮すると、新年度(2023年4月)に入る前にオーダーストップになってもおかしくないともいえる。
  つまり、マゴマゴしているとこのクラスではしばらくシエンタ以外の選択が難しくなってしまう可能性も高い。可能ならば3月末まで展開される「年度末決算セール」期間中に、様子見もかねてディーラーを訪れて情報収集したほうがいいだろう。

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