こんな楽しい乗りものを日本人が知らないままなのはもったいない! カワサキモータースジャパン桐野英子社長が「ニッチなオフロード4輪」の日本販売に踏み切った情熱

2023.01.31 18:00
この記事をまとめると
■カワサキモータースジャパンの桐野栄子代表取締役社長にインタビュー
■カワサキのオフロード四輪の魅力を多くの人に知ってもらいたいというのが導入のきっかけ
■ゼロエミッション社会を見据えた活動も行なっている
社長に聞く「オフロード四輪を国内に持ち込んだ理由」
 先の試乗記でお伝えしたように、主に北米で売れているカワサキのオフロード四輪車を、カワサキモータースジャパンが正規輸入・販売する。アメリカでは年間で万単位の販売実績があり、かなり大きな市場を形成しているのは事実だが、いまのところ日本ではニッチなカテゴリーのモビリティとなる。はたして、カワサキが正規販売する狙いとは? カワサキモータースジャパンの桐野英子代表取締役社長に話をうかがった。
  カワサキモータースジャパンの管轄するオフロード四輪車の正規販売店は、ひとまず日本全国で8店舗、初年度の販売目標は20台だという。無礼は承知で「けっして儲かるわけではないオフロード四輪車を日本導入するのはなぜですか」とストレートな質問を投げかけると、桐野社長は「こんなにも素晴らしい、イイ乗りものがあることを知ってほしいし、多くの人に安心して乗ってほしいから」と答えてくれた。
  そのように考えるキッカケとなったのは、少し前の話になる。桐野さんがフランスの現地法人に在籍していた際、アルプスの山中で開催されたイベントにおいて、オフロード四輪車を運転する機会があったという。そのときの印象は「こんな楽しい乗りものを自分たちカワサキが開発しているなんて!」というものだったという。
  ご存じのようにサイド・バイ・サイドなどと呼ばれるオフロード四輪車の市場は、グローバルに見ても大半が北米で、ついでオーストラリア、その他のエリアは本当に小さな市場しかない。日本においては正規導入されているのは、ポラリス社の製品くらいで、そもそも市場が成立しているかどうかもわからないという状況にある。バイクやジェットスキーでは高い認知度を誇るカワサキ・ブランドではあるが、この手のオフロード四輪車を製造していることを知っているのは日本でもごくごく一部の人たちだろう。
「カワサキが作っているオフロード四輪車を、日本の人が知らないままなのはもったいない」。だからこそカワサキモータースジャパンが正規に導入する意義があるというのが桐野さんの考えだ。
ゼロエミッションも見据えた活動も
  カワサキのオフロード四輪車は、専用エンジンと遠心クラッチCVTというパワートレインを基本としている。そのため運転自体は非常に簡単だ。操作においてもバイクのように体重移動などを身につける必要はなく、丸いハンドルを切って、ABペダルを操作するだけ。悪路走破をレジャーとして捉えると、オフロードバイクよりずっとハードルは低く、怪我の心配も少ない。
  だからといって、無茶な運転をすると横転してしまうこともあるのがオフロード走行。カワサキモータースジャパンが正規販売するということは、安全な運転方法を啓蒙していくことが前提だ。もちろん、メーカー直系であるカワサキモータースジャパンの販売であるから、修理に必要なパーツ供給についても安心できる。当然ながら売りっぱなしになるはずもなく、メンテナンスについてのしっかりとしたフォローも準備しているという。
  カワサキのオフロード四輪車はATとはいえシフトポジションにP(パーキング)はなく、駐車時にはN(ニュートラル)が基本ポジションで、走行する際にはL(ローギヤ)とH(ハイギヤ)をシーンに合わせて適切に選ぶ必要がある。こうした部分のレクチャーをきちんとすることが安全にオフロード四輪車を走らせるためには必須。コクピットドリルについてもわかりやすいマニュアルを作るなどしているのはさすがだ。
  あらためて筆者が試乗した感想をまとめれば、カワサキのオフロード四輪車はエンジンを感じるモビリティであり、走りはダイレクトかつリニアリティ感にあふれるもの。つまり乗っていることが単純に楽しく、何とも似ていないファンビークルだった。オフロードバイクを四輪にして安定させたわけではなく、クロカン4WDの廉価版というわけでもない。
「オフロード四輪車」という、まったく異なる個性を持ったモビリティであった。
  特殊な例を除いて、ナンバーをつけることができず、クローズドコース限定の乗りものとなってしまうためオーナーを選ぶが、お金に超絶余裕があればコースを整備してドライビングを楽しみたいと心底思わせる魅力があるのも事実。桐野さんが「ぜひ日本の皆様に乗ってほしい」と願う気持ちは十分に理解できる。
  そうした強い思いをマーケットが受け止め、日本でもオフロード四輪車の市場は成立することを期待したい。
  ちなみに、トヨタやデンソー技術協力のもと、TERYXの水素エンジンバージョンも製作されている。ゼロエミッション時代にも趣味の乗りものとしてカワサキのオフロード四輪車は生き残ることだろう。

あわせて読みたい

静かでスムーズな走行&メンテナンスの手間も削減!新世代電動アシスト自転車「COOZY Light」
IGNITE[トレンド]
日本車王国のインドネシアにも忍び寄る中華BEVの影! 「インドネシア国際モーターショー2024」の主役は中国BYDだった
WEB CARTOP
日本に上陸したこのトロフィーは一体? 歴史あるヨットレース「アメリカズカップ」を知ろう
antenna*
日本車第三勢力、マツダとスバルの「生きる道」…とは?【短期集中連載:第六回 クルマ界はどこへ向かうのか】
ベストカーWeb
カワサキ プラザ 【LIMITED SALE】開催
PR TIMES
にんじん本来の味わいを詰め込んだ「カゴメにんじんジュース 高β―カロテン」のおいしさを体験!
antenna
これからのモビリティのハズがたった3年半で消滅! トヨタC+Podが成功しなかった理由
WEB CARTOP
池内博之が今話題の“乗り物”を試乗レビュー!EVミニジープ、ワンボード、e-バイクetc.
OCEANS
"木育"で自然の素朴さと温かさを感じ創造力が鍛えられる2in1木製三輪車 発売
PR TIMES Topics
お…おおお…これカッコいいぞ…新型エクスパンダークロスに待望の新開発HV追加!! タイで発表、日本でも売ってよーー!!
ベストカーWeb
第778回:クルマの開発者が語る、四輪と二輪の「近くて遠いテクノロジー」[エディターから一言]
webCG
【NEW ERA®✕ANEICA】コラボ第二弾!キャップとTシャツ発売開始
PR TIMES Topics
【カワサキ】野外で映えるグリーン!「JETPILOT」コラボのジェットスキーウェア
MADURO ONLINE
【茨城県・栃木県】免許不要の最新電動バイクSS1を販売するSun Emperor正規販売店が茨城県と栃木県に拡大
STRAIGHT PRESS
5つのあそびが詰まった木製の知育玩具「あそびたっぷり フルーツアクティビティボックス」発売
PR TIMES Topics
大自然で楽しむ、オーナー限定イベント! 「レクサス オーバートレイル キャンプ 2024」開催
CARSMEET WEB
考えてみればけっこう死活問題!? 超小型モビリティのドアに窓がないのはナゼ?
ベストカーWeb
昭和レトロな「アデリアレトロ」とコラボした「アデリアレトロ シーリングスタンプ」販売!
PR TIMES Topics
「レクサスGX」の国内販売スタート まずは100台限定の「GX550“オーバートレイル+”」を抽選販売
webCG
ナビ、ドラレコ、空気圧監視など至れり尽くせりなバイク用スマートモニター
&GP
日本に上陸したこのトロフィーは一体? 歴史あるヨットレース「アメリカズカップ」を知ろう
antenna*