EVでもやっぱりスバルのAWDは圧巻! ソルテラで雪道を走ったらもの凄い走破性に驚いた

2023.01.28 08:00
ソルテラをスバルが得意とするステージに連れ出してみた
  EVって実用性があるの? EVは冬が苦手って聞くけれど、大丈夫? 巷にだいぶEVが浸透してきたとはいえ、まだEVの性能に不安を覚える人も少なくない。というわけで、ソルテラで冬山に走り出て、その性能を実際に体験してみることにした。
  で、まずは東京の神田にある編集部から首都高に乗り、東北道に向けて走り出す。当たり前の話だが、クルマが滑らかに走り出し、振動もノイズもない。内燃機関とEVが混在する現在、やはりEVに乗る度にその静かさ、滑らかさを強く実感する。しかも、モーターはアクセル操作に敏感に反応してくれるから、微細なアクセル操作に対しても応答が良く、ストレスがない。
  ついでに言うと、モーターはその特性上、走り出しのその瞬間から最大トルクを発揮するので、とても力強いのだ。もちろんトルクの出し方はメーカーの味付け次第で、過敏にもダル(鈍く)にもできる。
  今回試乗したソルテラはAWDのET-HS。前後に80kW(=109馬力)/169Nmのモーターを搭載したツインモーターのAWD。
  パワー感は力強いがトルクの出方は程よい印象。ドライブモードセレクトでパワー、ノーマル、エコが選べ、パワーにするとちょっと敏感、エコだと穏やか。人を乗せてギクシャクさせずに走るのならノーマルが良い。発進や強めの加速をするときのトルクの出方がフワッと膨らむ感じで、加速の加減をコントロールしやすい。
  高速道路での電費は、100km/h巡航で5km/kWhくらい。80km/h巡航にすると5.5~6km/kWhほど。ただ、バッテリー容量が71.5kWhあるので、不安なく250~300kmをイッキに走ることができる。バッテリー容量の大きなEVならではの安心感だ。ついでに言うと、バッテリー容量が大きいと、次の給電場所を選ぶ際の選択肢が広がるので、ドライブプランに余裕ができるのもメリットと言っていいだろう。
  高速道路でもソルテラは快適だった。シャシーがカチッとしていて剛性も高い感じ。4隅に配置したタイヤが路面をしっかり捉えてくれる。このプラットフォームはトヨタとスバルが共同開発したもので、トヨタではe-TNGA、スバルではe-SPG(スバル・グローバル・プラットフォーム)と呼ばれるEV専用に開発されたもので、4690mmの全長ながらホイールベースを2850mmと長くとり、リヤシートの足もとスペース拡大に大きく貢献、ゆったりした居住スペースを確保している。
  最低地上高が210mmと高いのもソルテラの特徴。姉妹車のトヨタbZ4Xの180mmと比べて30mm高くなっている。もちろん210mmの車高も高速道路ではネガティブはなく、直進性も操安性も優秀だった。
EVとAWDそして雪道の相性のよさを再認識
  雪道に足を踏み入れると、もうそこはソルテラの独壇場。何しろ前後のモーター駆動バランス(制御)が絶妙で、ふわっとトルクが膨らむように力強さを発揮し巧みに雪道をとらえてくれ、感覚的にはちょっとだけリヤの駆動が強めな感触を伴いながらグイグイ加速していってくれる。
  カーブでもフロントだけが滑ったりリヤだけが滑ったりするような場面がない。トラクションコントロールをオフにして強めにアクセルを踏み込んだ際も、適度にリヤを滑らせながらフロントがぐいぐい引っ張って行ってくれる理想的な旋回性を見せてくれた。
  X-MODEも用意されている。スイッチの切り替えで、ノーマル、スノー/ダート、ディープスノー/マッドが選べる。スノー/ダートはタイヤの空転をある程度許容するセッティングで、派手なアクションが可能。ディープスノー/マッドは、タイヤの空転は許容するが、空転率を50%程度に抑えている。これによって悪路での走破性を高めているのだろう。
  もうひとつ感心したのは、前後のモーターの連動感がきっちりとれていることだ。単に前後にモーターを配置して駆動しただけでは、滑りやすい雪道などを走らせると4つのタイヤがバラバラにまわろうとして安定性が損なわれる場面が少なからず起こる。ソルテラはそれが一切感じられなかった。そのあたりの制御もAWDのパイオニアであるスバルならではのノウハウが詰められているのだろう。
  よく言われていることだが、モーター駆動は横滑り防止装置の相性がいい。今回のような雪道ドライブではACTIVE制御しているのか⁉ と思えるほど滑る瞬間をとらえて素早くブレーキ、あるいは駆動力制御してくれるので、半凍結のスキー場へ向かう上り坂でも路面のグリップが見た目よりずっといいのではないか、と思えるほど安心して走ることができた。改めてEVと雪道の相性の良さに感心した。
  ひとつ気になったのは、充電時間の問題。急速充電器の1回30分縛りでは充電量がややもどかしい。バッテリー容量が大きいぶんもっと効率よくたくさん充電したくなる。
  今、高速道路に普及している急速充電器は40kWのものが多く、1回の充電で約100~150km程度の走行距離が見込める。現在はつぎ足しながらドライブを続けるというやり方が一般的なようだが、90kW級やソルテラが対応している150kW級が普及すると、90kW級で40kWの約2倍、150kW級だと約3倍強の充電が可能になる。150kW級の急速充電器がトヨタやスバルのディーラーに設置されると、さらにソルテラでの行動範囲が広く自由になる。ぜひ高性能な急速充電器の設置をお願いしたい。
  現在のEVを取り巻く環境は、走り出したばかりといった状況にある。卵が先か鶏が先かということだが、そろそろ充電インフラの本格的な充実が求められる時期に入ったのではないだろうか。ソルテラの走る楽しさやパフォーマンスの高さを実感したことで、より強くそう思うようになった。

あわせて読みたい

話題のクルマを品定め!モデチェン前が狙い目!? 〈スバル〉フォレスター
Safari Online
BMW iX2 xDrive30(4WD)/X2 M35i xDrive(4WD/7AT)【海外試乗記】
webCG
「北海道の旅×フォトウェディング」期間限定のウェディングフォトスタジオ
PR TIMES Topics
アウディeトロン・スポーツバック50クワトロ(4WD)脱・ミーハー宣言
RESENSE
【FIRST PICTURE】航続距離は600km以上、ターボモデルの最大トルクは1100Nm超え!フル電動マカン、降臨!「ポルシェ・新型マカン」
CARSMEET WEB
水と音楽が織りなす夏のエンターテイメント「WATERBOMB JAPAN」が2024年も日本で開催決定!
antenna
【試乗】ソルテラ改良モデルの進化を改良前モデルと乗り比べでチェック! 楕円ステアリングに渋滞時手放しに「寒冷時の充電効率」まで上がっていた
WEB CARTOP
レクサスRZ450e“Fスポーツ パフォーマンス” プロトタイプ/RZ300e“バージョンL”【試乗記】
webCG
空き家を活用した築 120 年の古民家宿「MAHORA 西野谷」をオープン
PR TIMES Topics
【試乗】素直にカッコイイ! 走りは上質! 燃費もスゴイ! クラウン・スポーツPHEVに死角らしい死角が見当たらない
WEB CARTOP
【試乗】雪道で見せつけられた電動車の優位性! レーシングドライバーが最新日産車を雪上で一気乗り!!
WEB CARTOP
新TVCM「アニメとススメ!」篇放送開始
antenna
マツダMX-30ロータリーEVモダンコンフィデンス(FWD)【試乗記】
webCG
ZR-Vが最も安定!? CX-60は雪上でドリフトできる!? 雪道で最も頼れる最新SUVはどれ?
ベストカーWeb
京都仁和寺にて新たな限定切り絵御朱印『春の仁和寺』の授与を開始
PR TIMES Topics
メルセデスAMG C63 S Eパフォーマンス(4WD/9AT)【試乗記】
webCG
【プロトタイプインプレッション】ニスモチューンならではのバランスの取れた乗り味「日産アリア・ニスモ」
CARSMEET WEB
ビジネス界の未来を拓く 「STEVIE®️ AWARDS」の魅力にせまる
antenna
【国内試乗】上質で実用的なプレミアムBEVの最適解、信頼に応える着実な進化「アウディ Q8 e-tron」
CARSMEET WEB
【国内試乗】これが新時代のAMGモデル。今度のC63は直4+プラグインハイブリッド!「メルセデスAMG C63S Eパフォーマンス」
CARSMEET WEB
カゴメの新にんじん100%ジュース、そのおいしさの秘密は!?
antenna