セダンは死せず! いま乗らないと後悔する走りがシビれる絶品国産セダン4選

2023.01.07 11:40
この記事をまとめると
■国産車ではセダンの数が減少傾向にあり、1車種しか設定がないメーカーもある
■ハイパワーエンジンを搭載したモデルや先進技術を大量投入したモデルも生き残っている
■純粋に運転を楽しみたいのであればセダンはオススメのボディ形状と言えるだろう
いまのうちに買っておきたい絶品セダンを選んでみた
  いまや、クルマの主役はSUVやミニバン、コンパクトカーだ。しかし待てよ、クルマの基本は古くから3BOXセダンではないか。たしかに国産自動車メーカーのセダンは消滅の一途を辿っているが(たとえば日産はスカイラインの1車種のみ。ホンダはゼロ)、そんななか、奮闘しているセダンがある。それも、セダンとしてのパッケージングを守りつつ、快適かつ、運転していて楽しすぎるセダンたちである。
スバル WRX S4
  その筆頭が、スバルのWRX S4だ。水平対向エンジン、VTD-AWD(不等&可変トルク配分電子制御AWD)による走行性能は、走りの良さで知られるスバルのクルマのなかでもピカイチ。2リッターターボエンジンは275馬力、38.2kg-mを発揮。そう、3.5リッターNAエンジン並みの性能の持ち主であり、そのパワー、トルクをAWDがしっかりと受け止めてくれるのだ。
  現行モデルはCVTのみの組み合わせだが、「なんだMTはないのか」とガッカリすることはない。CVTはラバーバンド感など皆無で、ダイレクト感の極み。エンジンとのマッチングも文句なしで、ステップ変速によるブリップコントロールもたまらない魅力となる! CVTでも大人っぽいスポーツドライビングに見事に応え、楽しませてくれるあたりはなるほどWRXである。
  もちろん、日常使いにもしっかりと対応してくれる1台だ。お薦めのEXグレードなら、限定的ハンズオフドライブも可能なアイサイトXも備わる。
日産スカイライン400R
  現時点で日産唯一のセダンとなってしまったのが、伝統あるスカイライン。現行モデルは13代目にあたり、かつてはハイブリッドも用意していたが、いまでは3リッターV6ツインターボエンジンのみの設定だ。GTグレードでも304馬力というハイパフォーマンスを見せるが、最上級、最強の400Rともなれば国産セダン最強クラス、スカイライン史上最強の405馬力を発生。その佇まいは別格のオーラが漂い、GT-Rが狼の皮をかぶった狼!? なら、こちらはまさにスカイライン伝統のハイパワーFRセダンならではの羊の皮を被った狼と言える存在だ。
  特筆すべきは出足から発揮される図太いトルクと、エンジンを高回転までまわしたときの国産エンジンにはなかなかない、澄んでいて、しかし官能的なV6エンジンサウンドだ。つまり、国産セダンとして極めて贅沢なパワーユニットの持ち主ということだ。19インチタイヤでも、サスがしなやかにストロークすることから、硬めながらセダンとしての上質な乗り味が実現されている点や、キビキビ感溢れる操縦性を堪能させてくれるところも嬉しい。
  こんな純ガソリンツインターボのセダンは、本当にいましか乗れない、いま手に入れるしかない存在でもあるのだ。まぁ、600万円近くするんですけどね……。
セダンにもまだまだアツい車種が盛りだくさん!
レクサス IS500”Fスポーツパフォーマンス”
  国産スポーツセダン、プレミアムセダンとして頂点に位置するブランドがレクサス。ISはそのなかでも独自のスポーツセダンとしての地位を確立した車種であり、かつて日本ではトヨタ・アルテッツアと呼ばれていたスポーツセダンの流れをくむレクサス版だ。IS300、IS300h、IS350といったグレードが揃うなかで、最強グレードとなるのがIS500”Fスポーツパフォーマンス”だ(FR)。
  IS350の3.5リッターV6、318馬力、38.7kg-mも凄いが、IS500”Fスポーツパフォーマンス”のスペックは5リッターV8、481馬力、54.6kg-mに達する。しかし、その大パワー、大トルクをまったく持て余さないシャシー、足まわりの完成度が”Fスポーツパフォーマンス”らしさ。
  つまり、楽しさ溢れる操縦性とともに、絶大なる安定感・安心感がFRレイアウトにして備わっている、匠の手によるシャシーの完成度の高さが、850万円という価格に見合っているのである。
トヨタMIRAI
  最後に紹介する1台は、上記の超ハイパフォーマンスな国産セダンとは別のベクトル上にいる国産セダンだ。そう、トヨタの燃料電池車=FCV、2代目トヨタMIRAIである。いまや全長4975×全幅1885×全高1470mm、ホイールベース2920mmの、プレミアムカーとしての資質を一段と高めた後輪駆動の高級サルーンとなった。
  初代よりボディサイズがさらに大きくなったのには理由がある。それは、水素ステーションのインフラに対応する航続距離の延長だ。水素ステーションの数はまだまだ少なく、そこでFCVの燃料である水素をなるべく多く積むため、円筒形(薄型樹脂タンクには水素の性質上できない)の水素タンクを初代の2本から3本(141リットル)に増やしたこともあって、上記のボディサイズになったというわけだ。
  エンジンを積まないモーター駆動の燃料電池車だから、走りが静かであることは当然なのだが、それに伴う走行ノイズが気になってくるのも確か。そこで徹底した遮音、防音に加え、音の発生源そのものを抑え、クルマの未来感ある素晴らしく静かでウルトラスムースな走行感覚、クルージングを味わうことができるのだ。静かすぎるのはクルマじゃない! と感じるユーザーのためにはアクティブサウンドコントロールが用意され、クルマらしい、あるいはスポーティな音さえ聞かせてくれる用意まであるからさすがだ。
  182馬力、30.6kg-mのモータースペックがもたらす、ペダル操作にリニアに反応する加速力は意外にもジェントル。感覚的には3リッターのガソリンエンジン車並みだろうか。しかし、乗り心地は素晴らしい。とにかくフラットでしなやか。欧州の高級車と比較しても遜色のない高級感と快適感溢れる乗り味を提供してくれるのだからたまらない。環境ありきのFCVにして操縦性も見事だ。大柄なボディながら前後重量配分50:50、かつ低重心、そしてトヨタの走りに関わる最高峰の匠が味付けをしているからである。
  MIRAIが、「快適なだけじゃない! 運転していて楽しい」と思わせる理由はまだある。それがトヨタ最先端の先進運転支援機能の搭載だ。自動運転レベル2.5に相当する高度運転支援技術、AI技術も取り入れた知能化、信頼性、高い認識性能、ドライバーとクルマの対話、ソフトウェアアップデートからなる技術的特徴を備えたAdvanced Driveが用意されている点だ。ナビゲーションで目的地を設定していることが前提ながら、ドライバー監視(カメラがドライバーを見ている)のもと、システムが認知、判断、操作を支援。高度なACC+レーンキープ機能同様の車線、車間維持、カーブ手前減速制御を行ってくれるのはもちろんだが、なんと分岐、車線変更、追い越しまで自動で行ってくれるのだから凄い。
  ドライバーは目的地に着くまでアクセル、ブレーキ、ステアリング操作から解放され、例えば合流地点では、合流してくるクルマを早期にとらえ、早目に減速。”相手車両”のスムーズな合流を支援するホスピタリティを備える。また、走行車線の先で車線が減少するような場面では、早目にレーンチェンジを行ってくれるなど、まさに自動運転に限りなく近いアドバンストドライブを可能にしてくれるのである。
  ドライバーはメーターやナビゲーションを覗き込む必要もない。運転視界に大きく表示されるフロントウインドーに映し出されるカラーヘッドアップディスプレイを見ていればいいだけだ。Advanced Driveからの許し!? が出て、メーターがブルーに変われば、ハンズオフドライブが可能になる。それこそAdvanced Driveの真骨頂、快適かつ、車名通りの”未来”のクルマに乗っているような楽しさに浸れている(なお、Advanced Driveを使わなくても、トヨタ最新のTOYOTA SAFETY SENSE=先進運転支援機能を使ったドライブができる)。
  燃料電池車=FCV のMIRAIを除く、純ガソリンエンジンの国産ハイパフォーマンスセダンは、この先、カーボンニュートラルに向けて消滅する可能性大。運転そのものが楽しめ、強烈な加速に酔える国産セダンにこだわるなら、もう待ったなしのいまかも知れない。

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