そもそもボディの大型化だけでいえばスカイラインに限らず、当時の国産スポーツカーはほとんどが同じ道を辿っていた。その後のBNR34型でダウンサイジングされた影響もあり、ことさらに「大きくなったボディは失敗だった」というイメージが根付いてしまったのだろう。
しかしボディの大型化にはメリットも数多くある。とくにBCNR33はホイールベースが105mm延びたことで、従来はトランク下だった燃料タンクをリアシート下に設置するなど、重量バランスの面で大きなアドバンテージを得ている。
さらに長いホイールベースは高速域のスタビリティを大きく向上させており、GT-Rが主戦場とするような国際サーキットでの速さと安定感に貢献。峠のようなタイトコーナーが多いコースなら話はまた違うかもしれないが、ロングホイールベースの恩恵で居住性が高まった後席を含め、クルマとして進化の方向性は何ひとつ間違っていないと個人的には思う。
またチューニングによってエンジンがパワフルになればなるほど、ロングホイールベースやワイドトレッドはプラスに働く。とくにドラッグや最高速といったステージでは安定感が強い武器となるため、大きくなったボディに対するネガな反応は少なかったと記憶している。
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第2世代GT-Rのなかで随一の大きなボディは確かに異色かもしれず、キビキビした動きを好む人にとっては不満かもしれない。しかし、ボディサイズをR32やR34にはない長所と捉えれば、R33ならではの可能性やチューニングの方向性が見えるはずだ。
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