生長が早く、種まきしてから1カ月程度で収穫できる小松菜。失敗なく育てられる野菜として、家庭菜園の初心者にオススメです。生育適温は20℃前後ですが、高温にも低温にも強いので、プランターでは春から秋にかけて長い間栽培することができます。初めて育てる場合は、害虫がつきにくい秋に種まきするのが良いでしょう。
準備するもの
種
野菜用培養土(14リットル)
プランター(深さ15~20cm程度の長方形、幅20×奥行き65cm程度が目安)
鉢底石
移植ごて(小型の園芸用シャベル)
化成肥料
園芸用ハサミ
防虫ネット
じょうろ
種まきの手順
小松菜は苗ではなく、種をまいて育てるのが一般的。土に筋状の溝を作り、そこに種をまく「すじまき」という方法を用います。
きれいに洗ったプランターに、鉢底石を底が見えなくなるくらいまで入れる。
野菜用培養土を入れる。このとき、プランターいっぱいに土を入れるのではなく、縁から2cmくらい高さを残しておく。
深さ1cm程度の溝を15cm間隔で2列作る。
溝に約1cm間隔で種をまく(写真)。
溝の両側から土を指でつまむようにしてかぶせ、手で軽く押さえる。
プランターの底から水が流れ出るまで、たっぷりと水をやる。
種をまいたら、風通しの良い日なたに置いて育てていきます。発芽するまでは土の表面が乾く前に水をやるようにしましょう。
春~夏に育てるときは、種まき直後から防虫ネットを
春から夏はアブラムシなどの害虫がつきやすいので、種まき直後から支柱を立てて、防虫ネットで対策しましょう。
双葉が開いたら、最初の間引き
種をまいてから3、4日程度で発芽します。双葉が開いたら最初の間引きを行いましょう。 3cm間隔になるように、育ちが悪い芽を抜いていきます。間引き後は、手で「土寄せ(根元に土を寄せかけること)」をします。
間引き後は、表面が乾燥したら水やりを
間引き後は、土の表面が乾燥したら1日1回を目安にたっぷりと水を与えるようにしましょう。夏は、夜も乾燥に注意し、必要に応じて水やりをします。
間引きの1週間後に追肥
追加で肥料を与えていくことを「追肥」といいます。間引きを行ってから1週間後に最初の追肥を行います。化成肥料10gをプランター全体にまきましょう。追肥後は土寄せします。
以降、2週間ごとに1回を目安に同量の追肥と土寄せを行ってください。
葉が7、8枚になったら2回目の間引き
葉が7、8枚になったら、2回目の間引きを行います。ハサミで1本おきに株の根元を切ります。間引きした株は食べることができます。
収穫後は追肥しておきましょう。
草丈が20~25cmで収穫
草丈が20~25cmになったものから、順次収穫していきましょう。株の根元をハサミで切り取るか、写真のように手で株ごと引き抜いて収穫します。
memo
小松菜は生長し過ぎると味が落ちるので、適期になったらすぐに収穫しましょう。
収穫を長く楽しみたい場合は、10日おきに種まき
プランターをいくつか準備して、10日おきに種をまけば長い期間、適量ずつ収穫することができます。
収穫後、すぐに食べない場合は、こちらの記事で「小松菜のみずみずしさを長持ちさせる保存方法」を紹介していますので、ぜひ参考にしてください。藤田 智さんプロフィール
藤田 智
恵泉女学園大学副学長
1959年秋田県湯沢市生まれ。宮澤賢治に憧れ、岩手大学農学部に入学し、同大学院修了。向中野学園高校教員、恵泉女学園園芸短期大学助教授を経て、現職。専門は、園芸学、野菜園芸学。野菜栽培に関連する著書は140冊を超え、「NHK 趣味の園芸 やさいの時間」や日本テレビ「世界一受けたい授業」などのTVにも多数出演する。家庭菜園や市民農園の指導、普及活動を通じて、野菜づくりの楽しさを広げる取り組みを行っている。
ホームページ/藤田 智さんプロフィール
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最終更新:2023.01.03
文:KWC
写真:谷山真一郎
監修:藤田智、カゴメ
参考文献:『NHK 趣味の園芸 やさいの時間 藤田智の野菜づくり大全』藤田智監修 NHK
出版編(NHK出版)
『ベランダですぐ始められる コンテナで野菜づくり』藤田智著(日本文芸社)
『野菜とハーブのプランター菜園』藤田智監修(ブティック社)